2010年 02月 10日
山崎豊子著 『不毛地帯』
8月に読み始めてようやく文庫版全5巻読了しました。
途中他の本を読んだりしてるんですもの、ドラマに追いつかれちゃうと慌てました。
モデルが存在するとのことでしたが、同様に政界にまで進出せずに終わりました。
確かに壱岐の性格からして、終盤の石油開発事業に於いて裏社会に関わらざるを得なかったり、遂には収賄まで手を染めたことに、一遍の悔恨も無い筈はないのでしょう。
出家した千里の兄や谷川元大佐という謹直な人がいて、生臭い世界に生きる自分を比べては尚更。
それにしても意外な展開が面白かったです。
里井副社長にしても大門社長にしても。こうなるか・・・という展開。
商社なので、次期戦闘機に始まり自動車メーカーの提携と話はぐんぐん進んで、油田開発にまで及ぶんですがこのあたりから私的に俄然面白くなりまして、4巻後半から5巻まで一気に読めました。
ここで華僑の第二夫人紅子さん大活躍。
兵頭も石油部門の部長として東奔西走。やっと入札一番札を獲った鉱区に苦労させられ四号井まで石油が出ない時は、兵頭はどうなるんでしょ・・・と思わず心配。
ドラマを見ているせいで俳優さんの姿や声が被ってしましました。
それぞれのキャラクターに合った配役だと思いますが、大門だけは違うようで。
後半の展開にもやはりもっと土臭い風貌の古い商人気質を感じられる配役が良かったのではと思いました。
イランの油田地帯から国王の夏の宮殿内まで、かなり壮大な展開をドラマではどう撮影するんでしょうか。