2010年 02月 18日
「好きなほうへどこまでも」
「初雪だよー」
深夜降りだした雨が雪になったようです。
午前中に溶けてしまうに違いないので、慌てて完全防備して写メ撮りに出かけました。
雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来てゐるらしいのです。
お日様がまっ白に燃えて百合の匂を撒きちらし又雪をぎらぎら照らしました。
木なんかみんなザラメを掛けたやうに霜でぴかぴかしてゐます。
中学校のグランドは一面の雪になっているだろうなと思ったんですが、残念、べちゃべちゃなだけでした。
折しも登校時間。訝しがられぬように気をつけながら・・・。
みんなー今日は部活、体育館内だぞー
四郎とかん子とは小さな雪沓をはいてキックキックキック、野原に出ました。
こんな面白い日が、またとあるでせうか。
・・・沢山の小さな小さな鏡のやうにキラキラキラキラ光るのです。
・・・赤い封蝋細工のほほの木の芽が、風に吹かれてピッカリピッカリと光り、
林の中の雪には藍色の木の影がいちめん網になって落ちて日光のあたる所には銀の百合が咲いたやうに見えました。
ちょうど新幹線の駅近くまで来た時、遅延のアナウンスが流れていました。
25分ほど遅れていたもよう。
「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。」と歌ひながら銀の雪を渡っておうちへ帰りました。
何年振りでしょう。
遂はしゃいで気が付けば1時間近く、雪散歩。
薄っすら積っている程度ですが、地元では大変珍しいのでご容赦くださいませ。
は~お腹すいた~
あったかココアで温まります。
タイトルと掲載文 : 宮沢賢治『雪わたり』