C・イーストウッド監督作 『インビクタス』

d0109373_451525.jpg観よう観ようと思いつつ、遂に本日が地元上映最終日となってしまい、行ってきました(恥)

【nationalism】

マンデラ大統領役を演じるとしたら、やはりモーガン・フリーマンしか考えられませんね。
フリーマンは、27年間にも及ぶ牢獄生活にも不屈の精神力で復活した男の、強靭な意志を見事に演じてみせています。
またこの映画では、マンデラ氏を聖人にはせず、家族との苦悩も抱えた人間として描いているのが良いと思いました。

大統領が「国民はこの国の誇れるもの」を求めていると、その希望をラグビーナショナルチームのW杯優勝に託すのですが、勝てとは口にせず、気付かせることで尚更に使命感を起こさせるとは。
指導者の鏡。こんな政治家が国の指導者であることをもう羨みますまい・・・。
でもその希望を託したのがなぜ新任の監督ではなかったんでしょう。
その監督はトレーニング中に、強いチームに育てるのだと決意を漏らすだけです。
この国の誇りの為にと、他のメンバーが意気に感ずる場面はありません。

W杯を背景に、公安だった新任の白人SPと黒人のSPたちが、休憩時間に庭でラグビーに興じるようになったり、試合をつい楽しんじゃったりと、徐々に距離を縮めてゆく姿にこの国を表現しています。
ラジオで決勝に聴き入っているタクシー運転手の白人たちと、その側で空き瓶を拾うふりをしながら聞き耳をたてる黒人少年とが、試合経過とともに変わってゆくのも楽しい場面。
側に居るのを追い払われていたのに、そのうちタクシーのボンネットに座り、誰かのコーラを飲み始めていて、一緒に座って観戦するようになり、最後は歓喜の輪の中で胴上げされちゃって。
感動しちゃうじゃないのー
あの、応援メッセージが書かれた飛行機がスタジアム上空を超低空で飛んだのは事実なんですかね?
パイロットの人ってば、下見までして。怪しんじゃったじゃないのっ。

私はどうもスポーツがテーマとなった映画は面白く観られないのです。
特に試合の場面はまったく盛り上がれない。
ところが、勝ち進んでゆく南アチームに国中が湧きあがってゆく場面から表彰式まで、まるで記録映画のように構成されていて、当然結果は知っていても息を詰めて観てしまいました。
こうすれば面白いでしょと言われたみたい。

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選手たちがマンデラ氏が収監されていた収容所を訪れる場面。
フランソワが思い馳せた姿のマンデラ氏が(明らかに無益な)労働中に見上げた時の、M・フリーマンの静かに不屈の精神を宿した眼が素晴らしい。
試合後の混雑する道で、運転手に、急がないゆっくり行こうと言うのもメッセージ性を含んで聞こえました。
彼は『ディープインパクト』で米大統領役でしたが当時は黒人を大統領役に配役することに、まだ違和感があって観ていたなんてこと思い出しました。

エンドロールは、キング牧師の演説を歌詞にしたホルストの「木星」が原曲の「World In Union」をBGMに、実際の試合写真が出てきます。そこでマンデラ大統領本人の写真が出てきて、あ、そうかこうゆう柔和なお顔だったなんて(笑)それほどにM・フリーマン適役。
マット・デイモンはどんな役を演じても感情移入しやすいんです私。好感度ナンバーワンです。がんばってると応援したくなっちゃう。
アカデミー脚本賞受賞した時の感じが好かったからかしら・・・。

素直に感動してしまいました。いい映画でした。イーストウッド巧すぎますっ。

帰路、見上げた夜空ににっこりマークのお月さま。
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ニコ ♪

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by august22moon | 2010-03-20 02:03 | 映画 | Comments(0)