2010年 03月 24日
さい芸 『ヘンリー六世』 23日観劇 part2
どこをどうして短くなったのか・・・。
前回観た時に冗長と感じた場面もそう感じなかったのは2回目だからなのだろうと思いましたが。
ところがホワイエに出ると、劇場スタッフさんが「埼京線が架線事故で止まっております。」と案内されているではないですか。
駅で尋ねると、隣りの与野駅から京浜東北線は少々の遅れで出ているとのこと。
この日は他にも山手線・湘南ラインまでも運休や遅れが出たもよう。
タクシー乗り場も行列。俳優さんたちも何人かいらして帰宅方法を検討されていました。
最終新幹線に間に合うか、5分遅れの京浜東北線にハラハラしながら乗車。
なんとか間に合いました。
ああ、初演の『タイタス』。なんとか映像で観られないものか。
「・・・神聖な玉座は。美徳、正義、節操、高潔の在処なのだから」
大休憩ではガレリアでライブ。YMOの「RYDEEN」聞きながら写メ。
【ユダたち】
他の舞台で、段田安則さんが「しのぶ祭り」という表現を使ったそうですが、この舞台もそう呼ばれるのかもしれません。ジャンヌ・ダルクとマーガレットではね・・・。
限界点もないかのように泣き叫ぶ芝居でも、その童顔から激しい形相にならないのが得をしているようです。
拮抗出来ているのが、激しく感情を爆発する場面が共通しているせいで鋼太郎さんだけと評されるのかもしれませんね。
回を重ねるとよりその人物が浸透しているものですが、高岡さん演じるリチャードも池内さんが後半演じるジョージも繊細さが伺えました。
高岡さんが不敵に笑う表情には、単なる血気盛んな若者ではなく野望と尊厳も感じられました。
ヘンリーからの王座奪還を「黄金の環の中には楽園がある」のだと説得する場。立ち去ろうとする父を不自由な体で必死に追いかける姿が、なんだか健気に感じてしまいました。
最も寵愛を受けていたことも感じられて、ここに親子愛が存在したと気付かされました。
通路を駆け上がり駆け下りる場面が多いんですが、この若い三兄弟が早いこと早いこと。
風が起こります。強風です。
狩りを装って長兄エドワードを救い出し階段通路を駆け上がるところ。身に付けた毛皮を靡かせて走る姿は美しかったです。
後半は戦闘場面が多いので、ウォリックも叫ぶ場面が多くなります。
壮年ということですが、「ウォリックに続け!」「クリフォード!ウォリックに答えろ!」と叫ぶのも、軍人の闘争本能見える雄々しい叫びです。曠野や風が見えるよう。
史実ではあちこち逃亡して生き延びようとしたようで、横田さんが「のらりくらりと生き延びた」と言われたとおりの半生ですが、それだけではない、軍人気質が見えます。
ただそこにいるだけとしか感じず、名前が出てくると、はて?この人そんなに重要人物だったの?とキョトンしていまう役者さんもいますが。
遡って、玉座のヨーク公を取り囲んだ三兄弟より一歩下がって立つ姿から参謀としての存在感が際立っているので、ランカスター側に就いた時も脅威の存在であったことが感じられました。
農耕民族と比べたら狩猟民族はパワーの放ち方が違うのでしょうか。
そこから怒涛のように迸る魂が投げつけられなくては。
「欲望の飛距離。もっと遠く」
蜷川氏の言葉が蘇ります。
高岡蒼甫さんFANのHAVOCと申します。
ヨーク公とリチャードの親子愛を感じられたのが私が蒼甫さんファンだからと言うう訳ではなく、やはり純粋にあの親子愛は存在していたのだな、と嬉しくなり、コメントさせて頂いちゃいました。
ヨーク公説得の場面もとても心に残っていたので、それも嬉しかったです。
明日、待望の二回目「ヘンリー六世」観劇です。
楽しんでまいります♪
埼京線が止まりませんように(-人-)
私はこれまであまり高岡さんの演技を見たことがなくて、こんなに巧い俳優さんだったと驚きの発見でした。
リチャードというのは特異のキャラクターですし、また多くの人気俳優さんが演じてこられたという役で大変なご苦労もあったと思うんです。
市村さんのも萬斎さんも観ましたが、
確かに、高岡さんにしか創れない、エッジの効いた魅力的なリチャードでしたね。
父を説得する場面は、権力志向というより、父を慕っているようで。
とても印象的ですよね。
明日、というか今日ですが
どうぞ楽しんでらしてくださいね。
ほんと。埼京線止まらないように、遠くからお祈りしています!