2010年 04月 24日
N・ブロムカンプ監督作 『第9地区』
南アフリカ上空に突如現われた正体不明の宇宙船。襲いかかることもなく、難民として降り立った“彼ら”と人間の共同生活はそこから始まった。28年後、市民と“彼ら”の争いは絶えず、共同居住区“第9地区”はスラムと化したため、超国家機関・MNUは彼らを強制収容所に移住させる計画を立てる。それが、人類と“彼ら”の歴史を変える大事件の引き金となるとも知らずに…。
アカデミー賞の作品賞にノミネートされたとのことで、単なるCGやVFXを駆使したSFではないだろうと見てみました。
凄く巧く創った作品だと思います。
モキュメンタリーの手法が効いているし。
舞台が南アヨハネスブルグであることで、エイリアンの存在は何を例えたものであるかは明白だし。
マザーシップやエイリアンたちの視覚効果は低予算映画とは思えない精巧な出来だし。
ストーリーもどんどん救いが無くなって絶望感に引き込まれるし。
迫力満点な戦闘シーン連続だし。
でも、でも
とにかく、気持ち悪い。
残虐シーン多くて。変身の描写もグロテスク。
難民キャンプ内のスラムぶりも。あれは所謂、事実の描写なのでしょうが。
『アリス』にすればよかった。食欲も減退。
面白かったと思い返せるまで時間がかかるほど、クセのある映画でした。
冒頭、主人公のヴィカスが記録映像のカメラに向かって浮かれた調子で喋りまくります。
エイリアンの隔離居住地区を移動させるプロジェクトの責任者に任命されて舞いあがってるんですね。
エイリアンたちは、難民キャンプ内でもゴミを漁り、人間の居住区で事故や窃盗をしでかして迷惑な存在と情けない限りなんです。
だから住民同様にエイリアンを見下していて、居住地区に入っても戦闘モード全開の軍隊とは対照的に、危機感皆無で喋りまくって、なんでも手に取って油断しているから変な液体浴びちゃうんですね。
ですから、その後のヴィカスの運命がより悲惨に感じるわけです。
そりゃ泣きたくもなるよねと同情しちゃいます。
後半の戦闘場面は迫力満点でした。
エイリアンたちの武器の威力が物凄い。なんでも木っ端微塵。
人間なんて一瞬で消滅。その血飛沫がカメラにまで飛び散るんです。細かい。
モビルスーツぅ!?と、出てきた時はちょっとなーとガッカリしましたけど、ロケットランチャー相手に凄い活躍(笑)
子供エイリアンが意外な活躍をみせたりと、結末が想像できない展開は面白かったです。
続編が作られそうなエンディングでした。
やたらメッセージ性が強くないのが反ってよかったです。
クリストファー、ちゃんと戻ってくるのかしら?
今日も一日中小雨。寒かったです。