2011年 07月 15日
シアタートラム 阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』14日プレビュー公演観劇
品川駅で一端涼んで
三茶に着いてまた涼んで。
パン屋さんのイートインカフェなので、明日の朝食用サンドイッチを頂くふりして一服。
2年振りのトラムです。
世田パブもトラムも洗練された内装が好きな劇場です。
ホワイエから客席に続く通路がボーティングブリッジみたいなところも素敵。
【現在位置を取り戻す味】
スクリーンと一本の木だけのシンプルな舞台。
主人公・朝緒が自身の目玉を探す旅と、その朝緒を巡る家族・友人のおはなし。
・・・ざっくり過ぎますが。
実存と本質、現在と過去が混在して、観念的な表現と比喩で前衛的。
失った目玉というのも勿論メタファー。
数々の比喩も、所謂手垢のついた表現ではなく新鮮でした。
特に新聞配達。
そして「かあさんの漬けたおしんこ」。キュウリの。
人物の関係性や時空が交差して複雑そうですが、核となるテーマがシンプルで、政治的メッセージもなく、セリフが柔らかいので、決して難解になっていませんでした。
女優陣とてもいいんですが、主演の安藤聖さんがとても良くて。
朝緒にしっかり血肉を通わせているのが、シュールな展開にも最後まで集中できる一因かと思います。
立って喋る時に前傾姿勢にならないところもいいです。
あれ、不自然で苦手なんですもの。
横田さんは教師役。
持ち前の陰湿さの無い芝居が活きた役になりました。
特に回想のモノローグ場面は、その拭えない明るさが反って残虐性を際立たせて
一瞬耳を塞ぎたくなるよう。
長塚さんの舞台は3本しか観ていませんが、共通して精神的に病んだ女性が登場し、その転落と再生が描かれるのですが、今回も近いものがありました。
「松子」みたいだ(原作のほうの)
個人的に痛烈な場面があり、あと2回観る予定なのもちょっと辛いなと感じてしまいました。
先日偶然に四谷シモン氏のことをネットで見ていたので、パンフにシモン氏に貰った目玉の写真が載っていた偶然がちょっと可笑しい。
昔、深夜に見た唐十郎氏のドラマなのか映画なのかにやはり目玉が出てきたなぁ・・・。
(「恐怖劇場アンバランス・仮面の墓場」だと分かりました。後日追記)
なんてことを考えつつ、
Jちゃんに頂いた絶品パンをもぐもぐしつつ、
の帰宅車中。