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by august22

P&F・アドロン監督作『マーラー 君に捧げるアダージオ』 wowow放映

d0109373_028528.jpg【あらすじ】
1910年。世紀末ウィーンを代表する後期ロマン派の大作曲家であり、スター指揮者グスタフ・マーラー(ヨハネス・ジルバーシュナイダー)。その19 歳年下の妻であり、類まれな美貌と音楽的才能で、画家クリムトなど当時の芸術家たちを魅了したアルマ(バルバラ・ロマーナー)。誰もが羨む理想の夫婦であったが、その年の差と、マーラーがアルマに作曲を禁じたことで生じた亀裂が、愛娘の死によって悪化してしまう。そして、アルマは療養先で知り合った5 歳年下のグロピウスに慰めを求める。その事実に困惑したマーラーは、休暇中の精神分析医フロイトの元を訪れ、アルマとの愛と情熱、希望と苦悩、そして音楽に溢れた人生を語りはじめる。












『バグダッド・カフェ』のパーシー・アドロンと息子のフェリックス・アドロン監督作。
サブタイトルがよくないですね。確かにそうではあるのですが・・・。
原題は「カウチのマーラー」
2010年、マーラー生誕150年、没後100年記念作。
マーラーの晩年を描いていますが、予想とはだいぶ違うユニークな作品でした。
ドイツとオーストリアの合作で、当たり前なんですがやはりドイツ語の響きがよかった。
流れるマーラーの曲(4・5・10番)もオーストリアの山々やその間に光る湖や鋭く聳える針葉樹の森の風景に合うのだと改めて感じました。
当時の劇場関係者、アルマの母、マーラーの親族などのインタビュー形式で進んで行き、時に証言の直後振り返って芝居に入ったりするところが面白かったです。

19歳も年下の妻アルマの浮気に悩み、晩年50歳の夏にフロイトにカウンセリングを頼むんですが、プライドが邪魔して心を開けない。
対面法も拒んで街を歩き回りながらのカウンセリング。
それも、せっかちな性格だったという親族の証言通り、せかせか歩き回って、迷ったと言ってはイラつく始末。
最後のほうでようやく、カウチソファに横になってフロイトに全てを吐露できるようになります。
その、神経質で性急な気性を表す動作が、鼻のせいもあってダスティン・ホフマンに見えちゃいました。
妻のアルマは社交界の華と讃えられる美女だったようです。ただマーラーにとってミューズだっただけでなく、作曲家同士刺激し合える仲となることを望み、打ち砕かれる苦悩が伝わる、B・ロマーナーの意思の強い表情が印象的でした。

ピアノを演奏する場面はあってもオーケストラの前で指揮する場面がありません。
監督のインタビューでこのことが尋ねられていて、「指揮者の振りをしようとする役者ほど悲惨なものはありません」ですって。

見終わって、『ヴェニスに死す』でマーラーをイメージして演じられたダーク・ボガードを思い出して、ボガードの著作『レターズ』のことを思い出し、読みたくなって調べたのですが、地元の図書館にもないし、「おうだんくん」で取り寄せて貰おうにも県内には無いようで。
ネット古書店で取り寄せるしかないようです。
発売された時に、なんて素敵なことと感動してたのに、なんで買わなかったんでしょ。

by august22moon | 2012-04-14 23:26 | 映画 | Comments(0)