アレクサンダー・ペイン監督作 『ファミリーツリー』

『サイドウエイ』のペイン監督作品。
原題は、J・クルーニー演じる主人公マットがカメハメハ大王の子孫でその遺産問題もあることから、『The Descendants(子孫たち)』。
王の末裔が直面する問題が、普通の家族の問題であるという可笑しみがあるんですが。
「家系図」とすると確かにピントがずれますね。
全編ハワイアンが流れていました。
家の床がマットが歩くと軋む音がするのが面白い。
このポスター、横を向いているのと後ろの娘たちのほうへ視線を送っているのと2種類あるのも映画の大意を巧く表しています。

d0109373_23191060.jpgd0109373_23193954.jpg



















『My pain』
J・クルーニーが、弁護士というエリートでありながら家族の問題に焦り迷いイラついて、恥も外聞もなく車の中で顔隠したり垣根越しに覗いたり。不器用なとこいっぱい見せています。
事故で昏睡状態の妻が浮気をしていたと知り、家を飛び出し友人の家へ走る姿が必死で滑稽なのが巧い。サンダルでも履いてた?ローファーだよね?ってほど不格好にペタペタ走る。
一族の長としての問題はスムースに解決しそうなのに、一家の長としての威厳は崩れてしまったんですね。

それにしてもまあ、イラッとくる登場人物の多いこと多いこと。
次女スコッティは悪い言葉は憶えるし突飛なことばかりするし、口ごたえばかり。
マットが「友だちとアイス食べといで」と言えば「アイス太るから、や」。
で、「じゃあ、レタスでも食べてきなさい」(笑)
寮生活の長女アレックスは寮抜け出してお酒飲んでるし、連れて来たボーイフレンドのシドがこれまた、しょーもないコで。顔立ちがジャック・ブラックに似てる気がするんでなおさら(笑)
事故を起したボートを運転していた男も言い訳や言い逃れしかしない。
妻エリザベスにとっては本気だったらしい浮気相手のピアースは、離婚する気なんてなかった妻に言わないでと情けない。
このピアースの妻にしても、お見舞いに来て昏睡状態の妻に向かって何を言うかと思いきや「あなたを許してあげるわ」。持ってきたお花捨てちゃいなさい!なんて思わず憤慨しちゃいましたよ。
シドは息子みたいにどこへでも付いて来るんですが、そのうち父親亡くして母親は亡くなったばかりと聞いて、このコも辛いことが色々あったんだと気付きます。
それからのシドは結構いい奴な部分が見えてくるんですね。
ビーチで水着に砂詰めて胸大きく見せたいなんて言ってマットに注意されても聞き入れないスコッティに、「胸が大きいと太ってみえるんだよ」と巧く説得したり。
病室で気を効かせて娘ふたりを「カフェ行こう」と連れだしたり。
マットのことをボスなんて呼んだり・・・。

d0109373_14254.jpg



先住民の土地が信託扱いとなっている問題は初めて知りました。
7年後には州政府に譲渡しなくてはならないので一族としたら当然売却したい。
でもこれがリゾート開発されるのはいかにも惜しまれる古き佳き景勝地。
「ウォルマーケットだけはやめてくれよ」なんて従兄に言われますが、手放すこと自体惜しまれるところ。
父親として夫としての威厳も失いかけたけれど、娘たちとの信頼を取り戻せた時に、
王の末裔としての尊厳だけは失うまいと、「マウイ語もハワイ英語も喋れないけれど」王の血が流れているのだ土地は手放さないと決意した時のポーチの椅子は、玉座なのね。

d0109373_1334743.jpg



入院時の母親にも掛けた愛用らしきハワイアンキルトを、最後のTV見る場面で3人で掛けていたのもとてもいい場面でした。
パパの隣りはママの席ということで空けてあったのかな?

晴れている場面もあるけれど、曇ってたり雨上がりの場面が目立つので、楽園なだけじゃないという冒頭のマットのナレーションどおり。
どこにだって照る日曇る日あるのだというところでしょうか。


d0109373_338465.jpg





d0109373_222358100.jpg【追記】
映画の時は必ずコーラです。
ホットドック付けてみました。
どーしたら安定するのか、いまだによく分かりませんので、とりあえず押さえつつ、ちゃっちゃと頂きます。

by august22moon | 2012-05-31 23:00 | 映画 | Comments(0)