桜色の雑記帳

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出会った本、映画の感想。日々のこと。

トーマス・アルフレッドソン監督作 『裏切りのサーカス』

d0109373_2144599.jpg「For Bridget O'Connor」

漸く見られました。面白かったです。非常に。
上映前に「本作に限り、ストーリー、人物相関図などを、ある程度把握してからご覧頂くことをお勧めします」と書かれた、解説入りミニチラシが渡されました。
ストーリー自体が複雑というわけではなく、人物が交錯する後半の推理部分にはフルネームとコードネームと顔は一致させとかなくちゃ、ですね。











原作を読んでいましたが、例え伏線逃しても結末を知らずに映画を楽しむほうを取りました。
それに旧訳版だったのでどうも翻訳が読み難くて。
おかげで二重スパイ判明までの緊迫感を堪能できました。
タイトルは原作の題名そのまま持ってこないで原題のほうが、語呂もよくインパクトもセンスもあったのに。

アクションに頼らず効果音や音楽で煽らないサスペンス。息を詰めて見ました。
『ダラスの熱い日』・・・はスパイじゃないけれど、巧い俳優たちの抑制の効いた渋い演技で、同じような緊迫感を味わえました。

人物描写も巧みです。
車内にまでくっついて来た蜂を慌てず騒がず窓に近づくや素早く開けて逃がす、とか。
煙突辺りの異音を察知し、飛び込んで来たフクロウを一撃で落として留めも刺す、とか。
(この時の生徒の驚き方が真に迫って巧かった)
大事な自転車を盗まれたら困ると建物内まで乗って来る、とか。
平然とテーブルに着いているようでいて実はまだ靴履けてなかったという冷や汗場面も面白かった。
デザートブーツなんか履いてるからだよぉー。


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コリン・ファース見たさで行ったのですが、やっぱり魅力的。
スパイのポーカーフェイスに過る、焦り、戸惑い、緊張感。それらを見せる・・・分量っていうんでしょうかねぇ。
観客と、そしてスマイリーの鋭い観察眼には見抜かれる。その‘程度’がよかったです。
それにしても。「審美的」とは・・・。
最後のフェンス越しにハッと気付いた時の目。親友同士の阿吽の。

G・オールドマンの老けの演技はなんか見ていて楽しい。
(日本の俳優は必ず老け役というと眠いような眼をしますが)
・・・ああ、彼ならば、あの手の形だけで誰なのか判ったのかもと思わせる鋭敏な目。
少し背を丸めて歩く一般市民となった老人の姿。
本業に戻って瞬く間に変わる隙のない背中。
動揺と僅かに在るのかもしれない期待を、階段の手摺りを掴む最少限の動きだけで表したのも見事。

第3階層の金庫室前で、おや?髯がないといい顔?と思ってはいたんですよ。
それにしてもトム・ハーディ、あれが素顔なの?

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クリスマスパーティーの場面を回想シーンとして再登場させ、そこに隠されていた真実を映し出すのも観客を驚かせるのに充分ですが、他にあまり説明場面無く展開するので伏線を発見する楽しみもありました。
でも見落としは確実にありそうなので、やっぱりリピートするべきかしら?
その前に、端折られてアレンジされているであろう部分を補うために新訳版の原作読了すべきかしら?
(そこに老いや孤独は感じられたけど、プールではなくなぜ泳ぐのに安全でも適切でもありませんなところで泳ぐのかとか)
こうゆう映画こそ表情や隅々までじっくり見られる吹き替え版のほうが楽しめるのかもしれません。

ラストも、曲を前面に出すとそれぞれの情感の高まりがあんなに迫ってくるんですね。
倉本聰氏の表現を借りるなら「音楽、圧倒的に忍びこむ」、でした。 

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映画館出て、超無口になること請け合いです。

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Commented by k-mia-f at 2012-07-11 21:41
こんばんは^^
今頃すみません^^;
今日「カーラの正体はスマイリーだと思いますか?」と聞かれ「違う!」と即答しましたが、答えの根拠はは"スマイリーとジムの話(告白)が全て真実”であることが前提です。なので、深読みし過ぎだろうと思いつつ、そういう見方もできるかなと気になっています。
キャッチコピーの“一度目、あなたを欺く。二度目、真実が見える。”も気になりますね(私はカーラよりジムが気になりますが・・・)

明日、二度目を観賞予定。気になる点が増えてしまって、私に真実が見える気がしないけで、上映期間が短くて三度目の予定はありません。地方だと上映されるだけマシなのかもだけど、まだテルマエが上映中なのを思うと悲しいなぁ・・・。

それでは、またお邪魔しますm(__)m
Commented by august22moon at 2012-07-12 23:23
miaさんこんばんは。
カーラ≠スマイリーの話ししましたっけ?

カーラではないでしょうけれど、妻の浮気相手であるテイラー(ビル・ヘイドン)を陥れるためではあったかもと思いました。
ラストの為て遣ったり表情から察するに。

私ももう一度見たかったけれど地元では短期間上映で、再度見ることができませんで、残念でした。
確かに「テルマエ」長いですよね(笑)
by august22moon | 2012-06-27 02:12 | 映画 | Comments(2)

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