出会った本、映画の感想。日々のこと。

by august22

滝田洋二郎監督作 『天地明察』

d0109373_23575133.jpgレディースデーなのに結構お客さん入ってました。しかも年配男性が多かったですが、囲碁好きな方なのかな。

原作では分からなかった渾天儀や観測機器が見られて面白かったです。
配役はそれぞれとっても合ってたんじゃないでしょうか。
建部役の笹野さんと伊藤役の岸部さんの大らかさも原作が創造した人柄どおり。
やっぱり壮大なもの相手に仕事してるひとは人品も素晴らしいんですね。
春海の周囲の人たちみんな、いいひとばかり。
幸四郎丈の「北極星を見て参れ」もよかった。厳かで品格のある声。
なんと武藤敬二さん出てまして。身よりの無い子だったのを育てていたというエピソード挿入は、それだけで建部の人柄表せていました。
でも鰯くらい分からないかしら。可笑しかったから許しちゃいますけど(笑)
岡田さんの一途な感じとか、夢中になっている時の目がいいですね。恋する目になってましたけど。

染谷さんは声がしっかりしていて表情も堂々としてお殿様家綱もよかったんですが、立ち上がって歩いて行く姿勢はいけませんでした。
その前に猿之助丈のほれぼれするような歩く姿を見たばかりだったので余計にそう思ってしまいました。
階段降りるとこも、颯爽。
目つきも鋭く、天才和算家らしい眼光。恫喝も迫力。
もう時代劇ですからね、歌舞伎役者さんたちは真骨頂なので太刀打ちできないですよね。

幕府側の役人として矢島健一さん。
いつも組織の中間管理職の役回りが多く、居並ぶ幹部連中のなかで姿勢を変えたりして反応する芝居がいちいち巧い方なので、つい目が行ってしまうんです。

映像は平凡でした。この監督の作品大概そうなんですけど。
天井画のように星座図を書き込んでいく場面や、各地の景色は素晴らしかったですが、小田原からの富士山の形が違うっぽい(笑)
最後に明察成った時に妻えんが駆け寄って来て、手に手を取って天を見上げてって・・・ベタすぎやしませんでしょうか。
賊が襲って来て火矢打ち込まれてという映画独自の展開もいかがなものでしょう。
武藤さん大活躍でしたが。
それに僧侶や茶坊主たちの鬘や潰した眉がなぜあんな不自然だったのか。昨今は巧くメイクできるようになっていると思ってたんですけど。

久石譲氏のテーマ曲が素晴らしかったです。
建部伝内の台詞「天の星々を余さず球儀にて詳らかにし・・・それをこうして我が双腕に抱きながら三途の川を渡りたい」を音にしたような壮大で美しい曲でした。
エンドロールに写る、暦と宇宙の星々の運行を表したCGにも合ってました。

気の遠くなるような膨大で緻密な観測と計算をやり遂げた先人たちの姿に、「天文学は人類の使命」というカール・セーガン氏の言葉を思い出しました。


映画
by august22moon | 2012-09-19 22:55 | 映画 | Comments(0)