桜色の雑記帳

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井筒和幸監督作 『黄金を抱いて翔べ』

d0109373_2363787.jpg【あらすじ】
過激派や犯罪者相手の調達屋などをしてきた幸田(妻夫木聡)は、大学時代の友人・北川(浅野忠信)から住田銀行本店地下にある240億円の金塊強奪計画を持ちかけられる。北川がメンバーに選んだのは銀行システムエンジニアの野田(桐谷健太)、自称工学部留学生で国家スパイの裏の顔を持つモモ(チャンミン)、さらに北川の弟・春樹(溝端淳平)、元エレベーター技師の爺ちゃん(西田敏行)が仲間に加わり、6人の男たちが企んだ、大胆不敵な計画がスタートする。











高村作品の合田モノ以外でしかもデビュー作の映画化。
井筒監督作品は初めて。原作は未読です。
どうも高村作品独特のセリフやモノローグの重さ暗さ加減に、勘弁、な感じになってしまっていて。
でもそれが俳優さんの演技で血肉を与えられニュアンスや温度が与えられると、面白いノワールフィルムになるのではと期待して観に行きましたが、さすが高村作品だけあってたいへん面白かったです。
ただの金塊強盗に終わらず、左翼・公安・北のスパイまで複雑に絡んで、準備段階でかなりな苦難の連続。
予告編に金塊の映像出ていたのに、ありますように~なんて祈っちゃいました。

現代に置き換えているので、昨今の北の状況も織り交ぜています。
まどろっこしい説明台詞も場面もなく、テンポよく進んで、緊迫感がクライマックスの金塊強奪まで続きました。
人間関係の説明も少ないのですが、特にモモと幸田の心の繋がりが深く描かれていませんでした。
端々に幸田の真情は描いていたけれど、教会でモモが息絶えた場面に幸田の悲しさが不十分にならなかったでしょうか。
正直なとこ、合田シリーズや『李欧』で、そうゆう関係性はもういいかなとも思いますけど。

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高村作品では、どうも私は登場人物の心の変化や流れが掴み辛いとこがあって。
行動の真意が読みとれないままになることがあります。
たとえば、斎藤が金は要らないというのは分かりますが、なぜ自殺を選ぶのか。
悔恨とか贖いなのでしょうか。
幸田が銃を持って斎藤のところへ行ったのは、気付き始めていて復讐のつもりだったのか。
で、写真まだ持ってて泣けたのか・・・。
演じる西村敏行さんは、久し振りにこうゆう苦悩と複雑な真情を滲ます演技を見ましたが、伏線としての繊細な表情は流石の巧さでした。

リーダー北川を演じる浅野さんはこうゆう緊張感と疾走感のあるお話しでは、あの独特の平坦な台詞回しがかなり気になりました。
ああゆう人物像として受け留めるしかないのかな。
中村ゆりさんも数ヶ所ぎこちない芝居が気になりました。

妻夫木さん、甘いマスクの印象を払拭したがっているかのような選択でがんばっていました。
車を爆発させるのは合成なんでしょうか?妻夫木さん、だいぶ至近距離で衝撃波受けた感じでしたけど。
ラストの表情はよかった。
東方神起ってほとんど見ないので知らなかったのですが、チャンミンさん、整ったお顔立ちですねぇ。
こちらも甘いマスクでしたが、終始無表情なのがスパイらしくてよかったです。
目がいいですね。
背景の見える演技でした。

お喋りも楽しい井筒監督らしく、ちょこちょこと笑える場面が差し挟まれていました。
例えば、大阪のおばちゃん、近所のおっちゃん。
東京ならヘタに関わり合いになるのを避けるであろうとこを、「そうなんやー」とか「なにしてんねん」とか、「なんや喧嘩かー?」とか平然と関わっては通り過ぎちゃうのね。
銃撃ちまくって出てきて、近所のひとになんや煩いから注意したったと言って済んじゃうのも(笑)
ゾンビ映画見てて、モモが「日本映画より面白い」と言うのを春樹が「日本も面白いのあるよ」は監督のメッセージかな?
桐谷さんの役柄もエリートでありながら大阪人らしさが巧く出ていました。

で、原作のラストはどうなってるのかなと書店へ立ち寄ったのですが、売り切れ。
・・・どおしましょ。読もうかしら。


映画
by august22moon | 2012-11-05 00:13 | 映画 | Comments(0)

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