出会った本、映画の感想。日々のこと。

by august22

オリヴィエ・ダアン監督作 『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

d0109373_23102895.jpgニコール・キッドマンのアップがやたらと多かったです。

伝説の女優の人生全てを描くのではないのなら、どの部分を描くのかが問題ですが、グレースの存在がモナコの危機を救ったという設定で、そこにスポットを当てていました。
ストーリーは脚色部分が多いので、いまひとつ説得力に欠けました。
実際に公妃が、伝説的女優であった圧倒的魅力を最大限に発揮した歴史的スピーチをしたという事実があれば、クライマックスのスピーチの言葉ひとつひとつが深い印象を残したでしょう。
なぜ、史実を描かなかったのでしょう。

今作で、伝説的女優を演じることの難しさが思い知らされました。
モンローを演じるのもリスキーですが、ミッシェル・ウイリアムズは顔立ちは無理に似せず独特の仕草を同じに演じ、モンローのイメージを表現しました。
今作のティム・ロスも、レーニエ公とはまったく顔立ちがちがいます。
でも、苦悩する高潔なプライドを見事に表現していて、似てないことなどまったく気になりませんでした。
実在の人物を演じることの、答えがそこにありました。

グレース・ケリーは、地中海の宝石といわれる国の殿下に嫁ぐことこそ最も相応しいと見えるほどに、ノビリティーは別格でした。
ニコールは本当に美しかったですが、ノーブルさという点は演技でも補えませんでした。
冒頭の、歩く後ろ姿はよかったですが。
しかも最も美しく見えなければいけない肝心の赤十字パーティーでのローブデコルテ姿が、ちっとも美しく見えない。
これから一世一代の大舞台に臨むための、国事を纏っているように見えない。
階段の上からレーニエを見降ろす、あの場面で圧倒させなきゃいけないのに。
映し方もあるのかな

登壇する時に心拍音入れては、演じる者としては心外なのでは?

もしあのスピーチが事実で、世界を魅了した美しさを「切り札」として、加えて公妃としての真の存在感を身に付けて渾身の演説をしたのなら・・・。
かのド・ゴールといえども、心動かされたことでしょう。

それにしても、やはり公妃となったことでの多少なりとも苦労はあったのでしょうかね。
秘書マッジ、怖いったら。
自ら信頼できる儀礼担当の伯爵へ再教育と助言を求めなければならないとは・・・。

演じるデレク・ジャコビのセリフのトーンはまるで弱強5歩格。



この日は「後の十三夜」の名月が上ると聞いて楽しみにしていましたが、夜空は雲に覆われ月は見えませんでした。
ようやくほんの少しの間、雲を光らせながら顔をのぞかせたお月さま。

d0109373_0372929.jpg





映画
by august22moon | 2014-11-06 22:25 | 映画 | Comments(0)