桜色の雑記帳

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マリー・ノエル 、ピーター・ゼアー監督作『ルートヴィヒ』 wowow放映

ヴィスコンティ版は、だいぶ昔にTV放映されたの(多分、完全版)を睡魔と闘いつつ(途中負けましたが)見たことがあります。
あの大作があるとはいえドイツ本国が作らないわけも無いですね。
こちら12年の作品。
2時間20分ほどではどうしてもエピソードを詰め込んだ印象になってしまいますが、ドイツ人によるルートヴィヒⅡ世の姿、バイエルンの美しさは堪能できた映画ではありました。

日本のポスターのほうがいいですね。
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ルートヴィヒ役は、ドイツ人俳優ザビン・タンブレア。
身長は193cmと充分ですが、顔立ちがずいぶんと優しく柔和な顔立ち。
ベネディクト・カンバーバッチを甘くしたような。
芸術に親しく音楽に没入し過ぎるあまり、父マクシミリアンⅡ世からは叱責を受けるという、軟な部分がとても似合っていました。
王としての就任スピーチの練習をしていて、単語がひとつ抜けただけで苛立って、ただならぬ緊張感に苛まれているようす、ワーグナーに初めて会う時の高揚感、厩舎長ホルヒニに惹かれ揺れ惑う姿も、繊細でナイーブな心優しい青年として描かれていました。
晩年の彼が時代に逆行し夢の城造りにばかり逃避した原点が強調されたようです。

それにしても頬もコケてスレンダーな俳優さんで、撮影期間中に太れるのかしらと心配になるほど。
中年にさしかかると頬も少しふっくらしましたが、どうも含み綿入れてるようでした。
太ってる時間がなかったのかな?と見ていると・・・なんと晩年は別の壮年の俳優さん(セバスチャン・シッパー)が演じるという残念な演出。
弟オットーの発病に心を砕くさまや、軍備増強時代の現実と理想に苦しむあたりとてもよかったので、演じ切らせてほしかった。
晩年を演じた俳優さんも眼光鋭く、さらなる国家の危機に狂気を孕んだ行動に出る時代を、貫録ある芝居で演じていたのですが・・・。

全編、退廃的耽美的に描かれることもないので重苦しさがありません。
城内も明るく、夜の場面が少ない(花火くらい)。
6月のシュタンベルク湖周辺も美しく撮られていました。
ようやく安息の時が訪れた最期の場面も、夢のように美しい。

イタリア語ではなくドイツ語だったのがやはり、なにより良かったです。


映画
by august22moon | 2015-02-23 23:28 | 映画 | Comments(0)

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