スティーブン・スピルバーグ監督作 『ブリッジ・オブ・スパイ』

d0109373_1823477.jpg見応えのある作品でした。
スピルバーグ、コーエン兄弟、トム・ハンクスで、しかも史実となれば間違いないですもんね。

冒頭から描かれる、ソ連スパイ・アベルの日常生活の合間に淡々と行われる諜報活動。
尾行や家宅捜査で血眼なFBI捜査官との対比が面白い。
研ぎ澄まされた演出で、東西冷戦下における諜報活動の静かな緊迫感が味わえ、『エスピオナージ』(グリーニケ橋ですし)を思い出させました。
壁が建設されるベルリン市内の、蒼白い凍てつく空気は、まさにスピルバーグ作品。
緩急のつけ方も流石に上手く、特にアベルの妻と称する女性のあのリアルな号泣のあと、部屋を出た時の歩き方は傑作。訝しくはあったんですけどね。唖然。
弁護士とはいえ、相手はKGB。惑わされ欺かれながらも一貫してその言葉と信頼で突き進んでいく。
信念の人だったわけですね。

敵国スパイといえどもひとりの人間として向き合い、スパイ容疑で囚われたアメリカ人留学生をも同時奪還と譲らなかった人道派弁護士に、トム・ハンクスは正にはまり役。
覚悟なのか、終始無表情なスパイ・アベルに、「ハグで迎えるか、ただ後部座席に座らせるか」で今後の対応が判ると吐露させるのは、橋の向こう側を凝視させました。
じっと立ったままアベルを見送るトム・ハンクスの、絶望とも後悔とも祈りとも見えるその姿は、胸を突くものがありました。
仕方ないとは言え、哀しきスパイ。
思わずその後のアベルがどうなったのか調べちゃいましたもの。
それが真実かどうかは判りませんが。

ラストの、電車の窓から風景を見下ろす場面もよかった。
車が行き交う路地。裏庭のフェンスを飛び越えて遊ぶ子供たち。
長閑な風景に、あの冷徹な光景を蘇らせるたのも秀逸ならば、その時のトム・ハンクスの表情も絶妙。

複雑な余韻を残す話ではありますが、巧い演出と巧い演技を堪能できて、見終わったあと充実感満足感を得られる作品でした。


ようやく『オデッセイ』の予告編を見ました。マットがまた惑星に取り残されちゃう役ですが、今度はジェシカ・チャスティンも宇宙へ行くのね。
リドリー・スコット作品らしい壮大な映像が楽しみ。公開まだまだ先ですけど。
カット割りが激しい『レヴェナント』の予告編の後で、We will not vanish! without a fight! と、なんか聞き憶えあるセリフが流れてるなと思ったら、あの大統領の演説じゃないですか。あの恥ずかしながらちょっと感動しちゃった、あの敬礼ぐわっし、の。
「Today! we celebrate our ~」で止めての、タイトルばーん。『インディペンデンスデイ・リサージェンス』。
最近すっかり映画情報誌にご無沙汰なので続編情報欠落しておりました。
また宇宙人が攻めてくるのですな。


映画
by august22moon | 2016-01-09 23:50 | 映画 | Comments(0)