2016年 06月 23日
堤幸彦監督作 『天空の蜂』 wowow放映
犯人の「痛みを伴わない想像力は、ただの甘い夢にすぎない。想像してみるがいい、ダイナマイトはいつも10本とは限らないことを」という予言は、20年前は想像すらしなかった現在に突き付けられると、単なるエンタテインメントと受け取らせないちからがありました
しかもその声明文が公にされずに葬られるというのも、「安全神話」という言葉が過ります。
CG技術に関して批判も多いようですが、邦画としてはあれ以上求めるのは酷だとね、思うんです。作り手側が見せたかったのはそこだけではないでしょうし。
三島の背景ですが、どうして親より先に消防のレスキューが到着していないんでしょう。学校側が警察沙汰を躊躇して通報が遅かったということかな?
まるで昼休み終わったんだから早く教室へ戻りなさーいみたいな教師の口調にはゾツとしました。あれが意図的演出だとしたら、なんともおぞましい。
三島が「新陽」の屋根で墜落するビッグBを両手を広げて向える想像の画を、息子を受け止めようとしたその瞬間と繋げたのは、彼の慟哭と絶望が見える、印象的なシーンとなっていました。
共犯者・雑賀も被爆しているという設定なんですかね?犯行以前に既に心身ともにぎりぎりの焦燥感があって、彼にとってはもう死に様しかないんですね。アパートから逃亡し車に飛び込むまでがよかったです。こうゆう刹那的な役が似合いますね。
刑事たちの地道な捜査のようすが丁寧に描かれています。聞き込みに回り、名簿の名前をひとつづつ当たり、そこにベテラン刑事の感が働くってところは、巨大ヘリや原発の近代的な描写と対照的。
アジトまで迫ったところで自衛隊の捜査員に阻まれるけれど、犯人確保に刑事の執念を見せるあたりも物語に奥行きが出ました。
共犯となってしまう三島の恋人の赤嶺淳子も悲劇的。
利用されているだけかもしれないとと気付いていても離れられなかった。汗を拭くことも乱れた髪を直す余裕も失せた陰鬱な表情。使われない航空チケット。乱暴に切った髪。哀しすぎる・・・
クライマックスの、自衛隊ヘリに2名も自衛隊員が同乗しているのに、コントローラーを向けるのがエンジニアである必要性は?訓練された空曹ならスキッドに立ってもっと身を乗り出すことも出来たでしょうに。
これも主役氏の見せ場を作るため?
主要登場人物が皆さん安定の演技であったのに、肝心の湯原に関する全てが浅く嘘っぽい。この俳優さんは体格も風貌も主役の華はあるけれど、臨場感が湧かないんですよね。
公開時に見るのを躊躇ったのはこのためですが、今回見て、やはりという印象です。
鍵コメ様、お久し振りです!お元気でしたか!
お子さまのご進学ほんとうにおめでとうございます。もうそんな年齢になってらしたんですね
早いですねぇ
私も幾度も、鍵コメさんだったらこの作品にはどんな感想を持たれるかしらと考えることがありました。
この作品も同じで嬉しい(笑)
「いつかまた」と仰っていただけて、とても嬉しいです。
またご一緒できることがあるといいですね。
今度こそは、好きな役者さんに気を取られて約束の場所からフラフラと離れてしまわないように気をつけます(苦笑)
まだまだ、お子さんの行事などで忙しい日々が続くでしょうが、ご無理なさらないように。
コメントいただけて、とっても嬉しかったです。
ありがとうございました。