ダニエル・エスピノーサ監督作『チャイルド44 森に消えた子供たち』wowow放映

d0109373_21858100.jpg行方不明の子供たちの連続殺人事件が主軸ではなく、スターリン政権下の旧ソ連の内幕モノなんですね。
アジアの某国同様、殺人は民主主義国家の病であるとして、ろくな捜査もせず事故で片付けられ遺族は堪えるしかなく、情報の無い市民は油断してさらに犯行は重ねられる。
トム・ハーディーが国家保安庁職員であっても、社会主義国家の建前の前に正義感を貫き通す男という役どころ。吹替え版だったのですが、ゲイリー・オールドマン始め俳優陣のロシア訛の英語を聴きたかった。

ゲイリー・オールドマンの冷徹ながら、渋々正義と真実追究に動く微妙な変化が巧い。
あっさり正義に目覚め社会主義の矛盾に対抗するというのではないどこか複雑さを残している部分がありました。
部下ワシーリーの嫉妬と逆恨みから反乱分子の汚名を着せられ地方警察へ飛ばされた挙句に、妻からはほんとうに好きだったわけじゃない保安省だから報復が怖かっただけなんて言われちゃって。
トム・ハーディーかわいそうに
ワシーリーの誘いにのってひとり逃げ出そうとする妻を駅まで追って、「お前がいるからこんな冷遇にも耐えられる」だなんて・・・

ラストがよかった。
廊下をおずおずと妻の後を歩いて、どこへ来たのかと思いきや。
あの日、ワーシリーが命令を無視して銃殺した夫婦の遺児を引き取りに孤児院へ来ていたんですね。
「あの日来てたひと?」と復讐の切っ先を感じたレオの懺悔の表情。
人形を詰めてあげたあの小さなトランクを提げた姉妹のシルエットを、許された安堵感で見つめる。
モスクワに復帰できた上に昇進までした胸のすく逆転劇よりも、救われる場面でした。


後半に差しかかった頃、引き抜いたままだった扇風機のコードの先のテーブルタップが、ぱたっと倒れまして。
ホラー映画見てたわけでもないのに、わ~!ビックリした~!
緊迫の場面だったのに笑っちゃいましたですよ。




映画
by august22moon | 2016-07-25 23:00 | 映画 | Comments(0)