2017年 11月 25日
新海誠監督作 『君の名は。」wowow放映
光源に拘った画なんですね。
朝日や真夏の日差しや逆光の反射光ばかりではなく、夜の室内の照明にまで陰影が描かれている拘りよう。
夢の中で異時空間で生きる人物と入れ替わって、しかも相手は天災に遭って亡くなっているのかもしれない。しかも次第にその記憶が薄れていく・・・というあたりまでは、タイムトラベル作品の一種として面白いお話ですね。
タイトルが既に「すれ違い」の代名詞であることも巧みですね。
多くのタイムトラベル作品に存在するのは、時空を超えてしまった本人の意思の及ばないところで。運命に翻弄されるもどかしさが見るものを引き込むわけですね。
どうする術もないところがドラマとして最上なんですね。
日本人にはベースに「浦島太郎」の記憶があるからでしょうかね
(そうそう、信長ってどうしてこうも度々タイムトラベルに巻き込まれるんでしょうね。)
ドラマの『ロングラブレター』のラストに異次元で飛ばされた手紙の紙切れが異次元に舞い落ちてきて、そんな些細な出来事がきっかけとなって過去が変わり・・・という展開は素晴らしかった。
帰ることはできないけれど、変えることはできるという結末。
この後この学生たちが自給自足で生き残ることはどう見ても不可能という絶望的な事態しか起きないところに巧い救いをもたらして、それはそれで面白かったです。
ぼーっと見ていたわけでもないんですが、どうして避難訓練になったのか、分からなくて。
天邪鬼なおばさんなものですから、最後は人知の及ばない悲劇によって若いふたりが引き裂かれる・・・なんていうドラマチックな余韻が欲しくなってしまうのでありました。
「芳山くん」が「深町くん」ともう二度と会えなくなったばかりか、その記憶さえ消されてしまったように。
だって
世界は案外狭いけれど、存外だだっ広くて、無情なのよ