2007年 03月 12日
観劇の記憶 『ゴドーを待ちながら』
NHKBSで放映されました。 この舞台の全国巡演の千秋楽を観劇していたので、
ちょっと思い出話を。
ゴドーを待ちながら白水社
ベケットも初めてなら、不条理劇も初めて。原作を読んでいたので、
その難解さにコクーンでの上演は見るつもりもなかったのですが、
地元に来た(来てくださった!)ので挑戦(笑)
なんたって、緒形拳さんが地元に来るんですから!!
緒形拳さん(エストラゴン)独特の、飄々とした演技なのかアドリブなのか
判らなくなる芝居と串田和美さん(ウラジミール)の穏やかな雰囲気に包まれて、
楽しく、そして哀しい 舞台でした。
とにかく、ふたりが可愛らしい。 だから、哀れさが一層際立つんですね。
俳優のイマジネーションの勝利とは、こういうことなんだと痛感。
緒形さんの巧さは言わずもがなで、安心して身を委ねられるって感じなんですが
串田さんの演技は初めて観たのでしたが、なんともほのぼのと優しくて、人としての器の大きさを感じました。
この日は楽ということもあったからか、アドリブが多いのも観客を魅了した一因でした。
冒頭、緒形さんがちょっとセリフを詰まらせたら、串田さん「おい~しっかりしてくれよ~。
おまえだけが頼りなんだよ~」と笑いながら突っ込んだり。
誰から聞いたのか地元でお祭りが催されることを知った緒形さん「もうすぐ祭りがある!」 (ここは水が旨い。とも仰ってたかな?)
朝比奈さんも、鞭を振り回すとき観客に、危ないですよ~なんて声をかけたり
バッグを取っちゃったり・・・
休憩終了直前、なぜか串田さんがひょいと舞台に現れました。
通常の観客席に通路状の舞台を設営。その両側に観客席を配したので、
奥の観客は舞台(赤絨毯を敷いた部分のみ)を乗り越えて行き来する。
ちょうど若い女性が戻って来て、舞台上の絨毯の上を歩いてるところに串田さん!
女性はびっくり恐縮。にこにこ眺める串田さん。場内爆笑
緒形さんのHPによると 「なんとか大衆演劇にしたかった」 とか。
難解といわれるお話を、串田さんたちが、優しく差し出してくれた感じがしました。
串田さんの、観客に対しての愛情が感じられた・・・というのか
なんとか解釈しようなんて気は起こらず(まあ、元から無理ですが)
じんわりと染み込んでくる哀しさを、受け止めればそれでいいと思ったのでした。
朝比奈尚行さんの奇妙な味わいあるポッツォ、小松和重さん(痩躯が効果的)の見事に‘人格’を無にした不思議な佇まいも、緒形・串田の名演に劣らぬ深い印象を残しました。
’00 には、ポッツォ役を大森博さん。 ラッキー役を田中哲司さんで上演されたとか。
想像しただけでも、まったく違う面白さだ~。こちらも観たかったなぁ
終演後、帰られる串田さんに「松本の芸術監督がんばってください」なんて声をかけてしまったら、優しい笑顔で「いいものやるからね~」 も~串田さんっ!素敵です!!
・・・・それが、あの夏の出来事だ。(倉本風)
録画した舞台中継をやっと観ました。 august22moonさんは観劇されたのですね〜、羨ましい。お二人のアドリブに爆笑しました。
それにしても緒方さん!反則的に可愛かったです。
「大衆演劇」ですか。一度観ただけではさっぱり分からなかったのですが、分からないなりにその哀しみや無力感が心に残りました。これは役者の力ですよね。
'00のキャストも面白そうですね〜。
それから、私ったら緒形さんの字を間違えちゃって「緒方」連発。
dandanさんにも混乱させちゃいました。申し訳ありません!
訂正しました。
緒形さんは「ドラマ・さよなら今日は」の頃からのファンなのに
・・・って、古すぎ(苦笑)
これからも色々教えて下さいm(_ _)m
「緒形」さんなんですね@_@ああ。私も普通に変換しておりました。お恥ずかしい。慌ててブログを訂正しました(汗)