2007年 04月 28日
那須田稔 著 『クレビックはげんきかい?』 ポプラ社
最寄の図書館になく、調べたら県内の他の図書館に蔵書がありお取り寄せしてもらいました。
ポプラ社児童文学シリーズ小学校上級・中学生向け。
70年4月~3月まで学研発行の雑誌「五年の学習」に連載。懐かしい!
学校で購入する雑誌で「科学」と「学習」の2シリーズがあって、私は最初「科学」のほうを購入していて鉱石の付録なんかが楽しかったんですが、「学習」のほうが圧倒的に購入者が多くて、そのうち変更した覚えがあります。
クレビックとは、いつしか少年の心に住み着いた「こおろぎによく似た妖精」。
著者あとがきには「少年の心が生み出した現代の妖精」とされています。
主人公の少年・勉が「四年生のときに書いた物語の主人公」のことだと仲間には説明しています。
勉にアドバイスをしたり注意を喚起したりするのですが、一度だけ仲間の飼っていた雀を生き返らせたりハプニングを起こして手助けすることもあったりします。
でもそんなクレビックの見えざる力に気付いてはいても頼ることも仲間に話すこともせず、基本的には自分の力で乗り切ろうとする聡明な少年。
勉が「クレビックは具合が悪い」と言った日に仲間の中で事故(怪我をしたり宿題を忘れたり)が続いたことがあって以来「クレビックは元気かい?」と勉に尋ねるのが合言葉のようになっていますがその不思議な存在を認めてはいてもそれ以上は触れません。
勉とそのクラスの学習グループ5人が様々な事件に出会い、その中で成長してゆくお話です。
仲間どうしでもいざこざがあったりして離れかけたり、また信頼を取り戻したりして、最後に仲良く通っていたヨット教室主催の筏レースに出場する場面で終わるのですが、
「勉は、かいをこぎながら、船のまわりにさっきから黄色い光が飛び回っているのに気がついていた。」
筏に掲げられた旗の先に・・・「クレビックだ。クレビックが、旗に止まると、いかだはまるで、空飛ぶ船のように波をわけて軽がると前進するのだった。」 と少年たちの輝く未来を暗示して結ばれています。
著者あとがきによると、クレビックというのは小学生の息子さんが友だち同士で話されていたお話とのことですが、詳しくは語られていません。
ほんとうに久し振りのジュブナイル。さわやかな読後感でした。
藤沢友一氏の挿絵も落ち着いた雰囲気を醸し出していました。
友人が、小学生の頃に読んだ「クレビックは元気かい?」をずっと探していて、とても読みたがっています。。。
よかったら、どこの図書館にあるか、教えていただけませんか?
よろしくおねがいします。。。
私は地元の図書館に無かったので
県内の全公立図書館の在庫照会できる「おうだんくん」という
検索システムで探して、地元の図書館に取り寄せてもらいました。
因みに私は静岡県在住で、在庫があったのは
富士宮市立図書館と磐田市立図書館でした。
もこさんがお住まいの県名に「おうだんくん」で
出てきますので、やってみてください。
忘れていた時間を思い出させるような、とってもいいお話でした。
手に入るといいですね。
さっそく、茨城県+おうだんくんで検索して、県内で一件だけで、ありました!
友人に報告して、取り寄せてもらってみます!
本当に助かりました^^
ありがとうございます!
見つかりましたか。よかったー。
作者の那須田氏は静岡県出身で、県内で「ひくまの出版」を立ち上げた方ですので、2件もあったのかもしれません。
「クレビック」で検索してきてくださる方って結構いらっしゃるんですよ。
やはり名作はいつまでも心に残るものなんですね。
出版元を記入していなかったので、追記しておきました。
紹介されたあらすじも、このヨットの帆を揚げる挿絵も覚えている通りなのですが、当時は白黒だったのでカラーで見ると、意外としゃれている絵なのが分かりました。
そういえば、僕は科学も取っていました。本当に懐かしい、ありがとうございます。
そちらさまのブログ拝見させて頂きました。バンコクでお勤めなんですね。
コメントありがとうございます。
私は内容はうろ覚えでタイトルだけが時折ふいに思い出されていたんですが、挿絵もご記憶だったとは凄いですね!
いい絵ですよね。最近はこうゆう挿絵はあまり見当たらないですよね。
私が、時折ふいにこの題名が思い出されたのは、
ゲームも携帯もなく圧倒的に情報量は少なかったけれど、
心はもっと豊かで世界はもっと不思議に満ちていた、あの頃が懐かしくてならなかったからかもしれません。
でも、ふいに思い出した子供の頃の記憶が、
見ず知らずの人と繋がるのは、今というネット時代の賜物ですね。
私のほうこそ御礼を言わせて頂きます。
ありがとうございました。
掲載してから度々検索ワードに登るので、改めてその人気のほどが分かりました。
仰るとおり、古い感じはまったくありませんね。名作は普遍ですね。
挿絵も昨今のアニメ調ではないところが落ち着いていいですよね。
懐かしお話に共感できる方がまた増えて、とっても嬉しいです。
コメント、ほんとうにありがとうございました。