人気ブログランキング | 話題のタグを見る
NEW POST

DVD『真情あふるる軽薄さ2001』を観る。

【残酷な観客が支配する】
比較的急に決まった公演期間。
主役の青年役を、決定していた舞台を降板させてまでキャスティングしたことなど、少々通常とは異なる始まり方でした。
詳しいストーリーを知らずにいたのですが『95kg~』を観て、やはり『真情~』も観ておきたいと思うようになりました。
先入観が邪魔をするかな?と懸念も、まぁ多くのお客さんが観ているでしょうし。
役者さんにとっては残酷ですが、私の場合は比べることで分かるのは個人的な好み程度。
演技についてそれほど深く理解できませんし。
「バックボーンの理解が・・・」と解釈を譲った知人もいましたが、60年代後半~70年代の演劇特有の、時代を反映した演技・セリフは解釈が難しい。
観念的すぎて苦手でもあります。状況劇場しかり。天井桟敷しかり。
インタビューで洋さんが、海へ漕ぎ出すという場面は「意味が分からない」と苦笑していてちょっと安心したりして。

『真情~』と『95kg~』の冒頭の青年と行列の人々のセリフはほぼ同じ。
その後も随所に同じセリフが現れます。
同じ「行列」の芝居を稽古している、という設定だからですね。
ウーロン茶とウィスキー。編み機とキーボードケースという違いぐらい。
洋さんはどんなコメディーを演じても翳が垣間見えるその風貌から、純真な青年という印象で、行列を揶揄したり挑発するのも憎めない印象です。
『いちご白書』のサイモンのよう。

一方横田さんは、派手なジャンパー姿で背負った大きなケースで周囲に迷惑をかけたり、暴力を振るわれたと勝手に大騒ぎするところは、随分とクセのある青年。
「バーカ!気取ってんじゃないよ」のセリフにも洋さんには不似合いですが、
横田さんはほんっとに憎らしい言い方なのね。そりゃ怒りますよっていう(笑)
隠しおおせない‘陽’な部分がある横田さんならではと感じてしまいます。
「死ぬんなら朝の舗道・・・死ぬんなら朝の洗面所」などの詩的なセリフは、先に見ているせいか横田さんの声の響きに情景が鮮明に浮かびました。
個人的には例え同じ役を演じたとしても風貌もアプローチもまったく違うと思うふたり。
洋さんが演じた詩人役に再演でなぜ横田さんをキャスティングしたのかと思いました。
半分は同じ芝居というのでは2度目のようなもの。となると、なにか企みのような気がしてしまいます。(穿ちすぎという反論を承知で)ただし、かなり期待高まる企み。

シェイクスピアやギリシャ悲劇ならともかく。上演機会数を考えると、これほどに同じ芝居を演じるのも、観客の視点を覚悟しなくてはならない過酷で残酷な舞台です。

さて。明日は千秋楽。

Commented by Franny_G at 2008-06-05 10:44
度々お邪魔致しますm(_ _)m
小栗君も『95kg~』を観劇されたそうで、昨日のANNの最初の台詞は「死ぬなら朝の洗面台」でした。
『真情~』はお友達お借りしたDVDで観ていたので、『95kg~』観たかったと今更ながら後悔です。力のある2人の俳優さんが同じポジションの役をどう演じたのか、比較してみたかった・・・。
Commented by august22moon at 2008-06-05 23:57
こんばんは。小栗くんもあのセリフは印象に残ったんですね。

私の勝手でお粗末な(苦笑)印象では、洋さんは内に、横田さんは外へ向かって言葉が投げつけられた感じがしました。
同じ役を比較してみると、役者さんそれぞれの解釈が分かって面白いですよね。
エアロンも、岡本健一さんと小栗くんの違いが面白かったですもの。
by august22moon | 2008-06-04 18:09 | 観劇 | Comments(2)

出会った本、映画の感想。日々のこと。


by august22
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31