2010年 12月 30日 ( 1 )

NORTH VILLAGE 朗読 & トークライブ その2

以前の記事でもそうでしたが、「」の付いている言葉はほぼ正確な言葉です。
付いていないものは要約です。聴きとれなかったり記憶が薄れている部分。

『美しきものの伝説』の‘水槽’について。
「あれは結構重いんですよ」。一斉に同じ速さで押す稽古を「何度もやった。」
重くて大変だったようです。

お客さんから、演じる際に自分を殺して演じるのかというような質問(ちょっとよく聞き取れなかった)には、ゆっくり言葉を選んで答えていました。
演じる人によって役の印象は変わるもの。必ずその人の経験や性格は滲み出るもので、自分らしさは消えないもの。
仕事というものは誰がやっても同じものが出来なくてはいけない。例えばコンピューターグラフィック(と聞こえた)が人によって違ってはいけないけれど。
「役者は唯一それが許される職業だと思うんですよ。」
これはとても印象的な答えでした。
確かに、同じハムレットはいないし、同じマクベスもいないですものね。
観客もそれを望んでいる。

朗読2本目は、北里さんがノースヴィレッジで出版されている写真集に掲載されている詩です、カメラマンは妊婦さんのヌード写真を撮っている方と解説してから始まりました。
スライドに臨月のお腹の写真が投影されて、それに合わせての朗読。
お腹に宿った新しい生命への感謝と慈しみの溢れた『きみのいた場所』という詩。
特に、おかあさんの大きなお腹をちょっと不思議そうに触れようか迷っているような‘おにいちゃん’との写真は微笑ましく心に残りました。
BGMはSigur ros の「Untitled」。さすがにこれが流れるとみんな反応。
美しい詩と心温まる写真にとっても合っていました。
文章に合わせた写真がその都度写し出されるのですが、写真の出る一瞬前に読み出したり、やや遅れて語り出したりを写真に寄って変えていたとか。

新しいお料理も出て、その頃になると初対面同士もみんな打ち解けて、ついお話しに花が咲いてしまって、「そろそろ始めますー。みんな帰れなくなっちゃうよ。」にみんな苦笑。
この頃すでに9時半を回っていました。
都合で帰られる方へ「気を付けて帰ってください」と声をかけて。私も本当はここで帰らないと終電に間に合わなかったんですが・・・。
それから「長い作品です。途中で携帯が鳴っても、話しをされるとあっちとこっちで会話が聞こえることになっちゃうから・・・。お店の電話も・・・さっき鳴ったけど・・・」
スタッフさん「ワンコールで出るようにします」

最後は山本周五郎の短編集『人情裏長屋』より表題作。
これが素晴らしかった。
朗読というより、ひとり芝居でした。
せめて‘ひとり語り’と謳ってもいいんじゃないかしら。
途中、熱が入って上着を脱がれる場面もあったほど。迫真でした。
聴く側も時に息を詰め時に笑いも起こり、物語の中に惹き込まれました。
周五郎独特の、切れのいいテンポ、洗練された語彙、無駄のない描写を、力強く鮮やかに表現され名作に相応しい語りでした。
短編とはいえ波乱続き、道場破りの緊迫、滑稽な会話、武士としての矜持、父性に目覚めた微笑ましさ、切ない別れ、ラストもちょっと意外な展開。いろんな声の表情が見られました。
周五郎の魅力のひとつにその爽快さを伴った静謐な結末の一文があると思います。
この作品は信兵衛の微笑ましい告白で終わりますが、それが口籠ったところで終わるという思わず読者を微笑ませ唸らせるものです。
この爽やかな余韻を持たせるセリフが見事でした。

終わって笑顔を上げ「ありがとうございました。」
一斉に拍手。20数名とは思えない大きな拍手となりました。
コクーンやさい芸のような大きな劇場も20数名のライブも関係ない、同じ姿勢で向かっていることが改めて感じられました。
溜息ともつかぬ感動の中、「さ、ビール呑むぞー」という横田さんの声に笑いがおこりました。
11時10分ほど前になっていました。1時間近くかっかたのですが時間を忘れさせました。

さて、わたくしはと言えば既に帰宅方法が無くなっていました。
スタッフさんから東横インが大宮にあると教えて貰っている方がいましたので私もそこへ泊ろうか?と思いましたが忘年会シーズンでもあり空室が心配。とりあえず東京駅で野宿(笑)となることも鑑みてコンビニで朝食を購入してから大宮へ向かってみることにしました。
駅への道すがら、そういえば中学の頃に山本圭さん一人語りのラジオドラマ『点と線』に夢中になったことや、小学校の時には担任の先生が毎朝『次郎物語』を聴かせてくれたのが楽しかったと思い出していました。

大宮に着いて駅員さんに伺うと、なんと駅近くには東横インは無いとのこと。
他のホテルを教えて頂き、忘年会帰りの方々で賑わった街へ出ました。
無事空室もあり、一泊。三谷幸喜さんのバラエティにケタケタ笑いつついつの間にか寝ちゃいました。

翌朝は快晴。朝食サービスは近くのファストフード店で。
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d0109373_5293213.jpgエキナカに全席喫煙というありがたいカフェ発見。

改めて美味しいカフェラテで一服。 


朗読が終わった後に、各テーブルを回って記念撮影。前回のライブにもいらっしゃったカメラマン氏に向けて、その写真はどうやって手に入れられますかと尤もな質問が飛びました。
北里さんがHPからダウンロードしてくださいとのことでしたが・・・。












【追記】
トークで思い出したこと。
◎ ティボルト役では、仲間たちと登場するだけでも蜷川さんからダメ出しされた。
◎ 北里さん。時間を守ってほとんどの人が遅れずに来てくれたことに驚いた。
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by august22moon | 2010-12-30 23:35 | 観劇 | Comments(2)