出会った本、映画の感想。日々のこと。

by august22

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d0109373_1550501.jpgこれは映画館で、しかも3Dで楽しむ作品でしたねぇ
あの高さを想像する集中力を必要としました。
スクリーンなら、自然と足の裏ムズムズしちゃったことでしょうに。

もっと高い所をと、可能性を追求していくさなかに出会ってしまったのが、建設途中のワールドトレードセンターなわけですね。
この作品の後に放映された、ドキュメンタリーの『マン・オン・ワイヤー』で見たフィリップ・プティ氏本人は、インタビューもハイテンションだったせいか、ゲリラ的にパフォーマンスするのも、人々を驚かせることが焦点のように見えてしまって・・・
しかし、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じると、彼の真意が理解できました。
師匠との関係がじっくり描かれていたこともあって、ワイヤーの上で恭しく礼をするのも
寝そべった時に目が合ったカモメが、鳥の領域を侵していると言っているように感じたのも
いかにも芸術家の感性。
アニーが、ビルに「命を吹き込んだ」と言った言葉にも、プティ氏が訴えたいであろう芸術性を気付かせました。

合い間合い間で、自由の女神のトーチに立ったレヴィットの解説を挟んでいるんですが、最後に、WTC展望台のチケットを贈られた話が紹介されます。
警察に連行されはしたけれど、作業員たちは拍手で見送ったし、こんなチケットをプレゼントするほどにおおらかな時代だったんですね。
実際に示されたチケットには手書きで「permanent」。
「永遠に入場できる」と自慢気な笑顔で語った直後に表情を消して視線を下げ、スクリーンから外れる。
アッパーニューヨークベイを挟んで見えるWTC。
永遠と言われても彼にとっての「聖域」は既に失われてしまった。
無謀な挑戦をしつづける男の物語というよりも、まるでその巨大な建築物の消滅を惜しんでいる映画であったようです。

by august22moon | 2016-10-22 23:00 | 映画 | Comments(0)
d0109373_2043095.jpg待望の新作です。

ジェイソン・ボーンが帰って来たというだけでも楽しめました。
ますますセリフが少なくなってますけど。名乗る時の声のトーンが、いい。
軍隊で鍛え上げられた肉体と暗殺者として養われた頭脳を駆使した、硬派のサスペンスが今作も楽しめました。
今作ではなんと、ボーンの本名と父親の正体が判明。
父親までも被害に遭ってたたとは。ますます「哀しみのスパイ」ね。

しかしこれは賛否あるだろうなという、今までのシリーズが持っていた印象とは少し違う仕上がりでした。
飛行機にぶら下がって「open the door !!」なんて事態に陥ることなく、一見してその構造を読み取り、そんなとこからそんなふうに侵入できるのか!と驚かせるのが「ボーン」の醍醐味。
しかも遠くラングレーを離れて、ヨーロッパを舞台に、壊せない歴史的建造物の多い美しい街並みをすり抜けて(アパルトマンの内装はメチャクチャにしてたけど)スマートに追手から逃れていたのが、地下で蠢く暗殺者の孤高をより匂わせて魅力的でした。

冒頭のギリシャの暴動の中をCIAの追跡から逃げるところは、これぞ「ジェイソン・ボーン」という面白さがありました。
混んでいたので前のほうの座席しか空いてなくて。
スクリーンが近いと、なにがどうなってるのかわけわかんなーい!でしたが。
CIAも追跡力がアップしていて、群衆の混乱の中に一瞬だけ見えたターゲットを見分ける能力のある新人局員(アリシア・ディキャンベル)も凄いけれど、どんな指令にも即座に応えてみせる職員たちの有能さたるや。
バイクのスピードを計算して数十秒後に通過する路地を示し、絶好の狙撃地点を指示するなんて、凄い
圧巻の攻防戦。
それをまた逃さない暗殺者の腕も凄い

しかし、アメリカのベガスを舞台にして大暴走と破壊の限りを尽くす後半は、ちょっと「ボーン」らしくない。
まあ、ボーンがやったわけじゃないですけど。
今までも派手なカーチェイスは目玉としてありましたけど。
ベガス、カジノ、というのが、らしくない風景。
アイディアとしては画期的で大迫力ですが、この作品でやらなくても。

そんなこと言いながらも、いつものクールなラストに「Extreme Ways」が流れたりすると、やっぱり面白かったーとなるのであります。
かっこいい曲ですー

マット・デイモンはこれから1年休業だそうですが、1年なんてあっと言う間。
今から次回作も楽しみです。




映画
by august22moon | 2016-10-14 23:00 | 映画 | Comments(0)
d0109373_18384024.jpg上映時間96分と、最近では珍しくコンパクト。制作会社・配給会社のロゴが出ている最中に音が被さって既に本編に突入。ちゃっちゃと始める。
しかしながら、サレンバーガー機長が搭乗するまでの日常や事件後の苦悩と家族の混乱、乗客のドラマ、レーダー管制官、目撃者、救出に向う救助隊、聴聞会までまったく物足りなさは感じませんでした。

サレンバーガー機長を演じるトム・ハンクスは、誇張することなく抑えた芝居で、そこに実在の人物を演じる責任を感じました。
まったく顔立ちが違うのに、似て見えてくるのが、不思議。
救助後真っ先に、全員救助されたか確認させて、全員無事と報告を受けた時の一瞬の表情は、流石の一言。

事故の演出も煽ることなく。
クルーの的確な対処と乗客の協力があっての「無事不時着水」だったと後半でのセリフどおり。
ただ、回避できたにも関わらず最悪の事態が夢に現れて苦しむというのは、どのパイロットにも起こり得るんでしょうね。
ビルの間を旅客機が低空飛行するのを、オフィスの窓から愕然と見送る人たちの表情には明らかに「またか」という戦慄があり、あの悪夢からまだ醒めていない時期だったのだと痛感しました。

エンドロールに数人「himself」や「herself」とありましたが、一番最初に救助に駆け付けた通勤フェリーの船長さんはご本人ですよね。



映画
by august22moon | 2016-09-30 23:29 | 映画 | Comments(0)
d0109373_14224845.jpg読んでみたいと思いながら一向に読む勇気が起きない作家のうちのひとりジョン・アーヴィング原作の映画化作品。
結局映画から先に見てしまうことになりました。
あの名セリフ、‘少しずつ失っていく。郵便が来なくなるように、ドレッサーから、枕カバーから匂いが消えていく・・・’だけは知っているので、それが聞きたくて見ました。

原作とはアレンジがされてあるようですが、監督のせいなのか、案外とさらりと描かれていました。
子供にはあまりに過酷な運命を、残酷さはあまり感じずに表されたのは、どのような結末になっても、この少年は乗り越えて行けると示しているようでした。
なんたって原作は「オーウェンのために祈りを」ですから、そこを甘さと見るむきもあるのでしょうが、boyfood movieとして見ればいいのじゃないかと。

サイモンを演じるイアン・マイケル・スミスくんも、大人を困らせるけれど小賢しくもなく、愛らしいし。
ジョーの母親レベッカは美しく輝いているし。(勿忘草色のドレスも素敵だし)
ベンは出会って間もないジョーの父親になる覚悟を持っているし良い人だし。
ラッセル牧師もデヴィッド・ストラザーンが演じると凡庸な聖職者でも許せちゃうし。

出色なのはジョーを演じるジョセフ・マゼロくんで。遠くを見る寂しげな瞳がとてもきれい。
田舎町で父親が不明という環境にあっても、聡明で偏ったものの見方をしない寛容さがある。
だから、サイモンもハンデをものともせず少年時代を謳歌できている。
ジョーにしても、アンフェアだと泣く日々が救われている。
サイモンと遊んだ森の湖で、ひとり泳ぐ。
サイモンを失う要因となった小鹿が対岸に現れる。
なにかのメッセージなのか、偶然に過ぎないのか、その意味を探ろうとする表情がとても良かった。

アルマジロも自分の部屋に置かず、サイモンのお墓に供えてあるのがいいですね。




映画
by august22moon | 2016-09-30 23:00 | 映画 | Comments(0)

李相日監督作 『怒り』

d0109373_17305884.jpgこれは原作未読で見たほうが誰が真犯人であるか興味深く見られる作品ですが、既読の観客には真のテーマである、信じることの難しさや疑ってしまった人々の悔いや信じていたのに裏切られた人々の辛さに焦点を置いて見られますね。
多用されるクローズアップが、それをより色濃くさせました。

山神の手配写真は3人の俳優さんの顔を合成したり、後ろ姿は明らかに3人が演じ分けて惑わせたりと工夫がなされていました。
しかも整形後の防犯カメラ映像や新たな手配写真は明らかに田代にして、観客を惑わせました。
3人とも左ききにしなかったのはどうしてなのかな?
そうすれば一層惑わせることができたのに。
田代・直人・田中役の3人はいずれも適役。その力量がいかんなく発揮され、正体不明の怪しさが見事に表現されていました。
特に、松山ケンイチさんが秀逸。彼が演じる田代がもっと見たかった。
いつもは濃いキャラクターに化けて意外性で魅せる松山さんが全て削ぎ落して、些細な仕草の中にも、息をひそめて生きなければならない悲壮感と緊張感を漂うように儚げに存在させていました。
松山さんが「田中」でも面白かったかも

愛子の父親・洋平役の渡辺謙さんも、娘に心を砕く姿が印象的。
背を丸めて立つ姿。混乱を振りほどこうと走るその必死な姿。アパートの窓を覗く悲痛な表情。
指紋採取の結果報告を聞く場面はガラス戸越しに声を聴かせず、くず折れる父の背中と号泣する娘の姿に坂本龍一さんの音楽だけが衝撃的に被るのには、胸を突かれました。

少ない登場ながらも高畑充希さんが目の動きだけで複雑な心情を表して巧かった。
しかし、公園の植え込みで倒れていたとだけしか告げていませんでしたよね?
あれ、肝心なこと言ってないような・・・

三ヶ所の出来事をリンクさせて場面転換させるところが面白かったです。
イヤホンから聴こえる音楽とかタクシーとかコンビニのお弁当とか
(直人のお弁当の棚の覗き方が可愛い)

辰哉役の佐久本宝くんは新人ながら、純朴な青年役が素晴らしかった。
小説では分からない沖縄言葉のイントネーションが耳に心地よくて、この青年の心の美しさが見えるようでした。
田中の言い訳を間に受けていない目つきも良かった。
原作を読んだ時に、あの壁の文字は、泉を守ろうとする辰哉なら消すはずと思いましたが、本作では消そうとしていました。
それならば、警察にもほんとうの動機が解って、最も深く傷ついたであろうこの青年の救いともなりますから。



映画
by august22moon | 2016-09-27 23:00 | 映画 | Comments(0)
姜秀瓊監督作 『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』 wowow放映
d0109373_17351420.jpg14年公開時に評価は高かった作品のようです。

主人公の女性がひとりでお店をきりもりしているのは今だ人気設定で、CMでまでも使われていますが、さすがに永作博美さん主演ともなると、ひとりであることの厳しい現実も盛り込まれて、甘いだけにはなりませんでした。
行方不明の父親の残した借金を「相続」されると告げられた時の溜息の表情などは、この女性の父親との思い出の美しさが現実に穢された失望や、重荷がさらに増したことが表されて、秀逸。
廃屋となった船小屋で、片付けしてると思ったらあっと言う間にきれいにリフォームされていてビックリ。
電気ガス水道が引けたのね。
お風呂ないですよね?街からどれくらい離れているのか不明でしたが、銭湯あったのかな?
なにより、入江の淵にあのガラス窓では無理でしょ、生活感や現実感よりロマンなのかないかにも女性向け映画らしいと見ていましたが、セットではなく、実際の店舗があるんですね。
シチュエーションとしてはまたとない絵になる景色で、作中に東京からもお客さんが来るのも納得なお店にビックリ。

テーマカラーのようなネイビーブルーの小物使いは、見ていて楽しい作品でした。

漁船乗組員の家族を招待して、残された父のギターでの演奏は、弾けないながらもということらしく、ずいぶんと頼りなげでしたが、それでも前に出て弾いて聴かせる意味がちょっと不明でした。

絵里子とその子供たちも描いているので時間がないのでしょうが、岬の父との思い出場面をもう少し見せて、移り住んでまでも待ちたかった娘の心情や、絵里子が受け継いで灯し続けたちいさな灯台のような外灯にも、漁師の過酷さや残された家族の覚悟もさらに響いてきたのに、と思いました。

CMで思い出したんですが。深津絵里さんがひとりで開業している設定のパンのCMがありましたが、仲間もなぜこんな遠方の地でと疑問を持って訪ねてきたり、迎える深津さんの表情にも凝縮されたドラマが感じられて、いい作品でした。

(ウトウトしながら打ったせいか、みょうちくりんな文章でしたので、後日編集しました)







チャド・スタエルスキー監督作 『ジョン・ウイック』 wowow放映d0109373_18174850.jpgガンアクションに新鮮味があって、そこが人気を博したようですね。

ラピッドフィアーなだけでなく随分とまた至近距離での銃撃戦。
至近距離だけに敵の動きを停めてから仕留める撃ちかたが面白い。
で、なぜか銃だけでなく、いかにも生身の人間が争ってる感を高めるクンフーアクションまで出てくるのもユニーク。
いかにも一級の殺し屋というスピード感とシャープさで迫力があるので、『マトリックス』みたいな超人的なアクションより面白く見ました。

キアヌ・リーブスは最近、マイナスイメージな報道ばかり目に留まりましたが、見事復活という印象です。
ラストで、新しい相棒になったワンちゃんのイレギュラーな動きにちょっと反応するとこもいいです。




映画

by august22moon | 2016-09-14 23:00 | 映画 | Comments(0)
ポスターはティザービジュアルのほうで。
d0109373_18172164.jpg「ごめんなさい」が聞きたくて。
『ゴジラ』二度見です。
あそこは傑作だったと周囲が盛り上がっているのに、あの時は尾頭さんに気をとられて記憶も曖昧で。
ところが、行った時間4DX版しか上映してなくて、オバサンだいじょぶかしら情報量多いからもう1度見たいと来たのにそれどころじゃなくなったらどうしましょと不安も過りましたが、経験済みの友人の、ひとまるの震動が味わえるよの言葉に、そうかアパッチの機関砲の発射も!と一転乗り気。

公開から結構経っているのにまだ夏休みだからかお客さんが多くてビックリ。
お客さんが少なければ、ヒエ~なんてビビッても恥ずかしくないぞと思っていたのに。
本編上映前に、どんな動きなのかお知らせ的な映像で既にみんな大盛り上がり。(特に女性陣)
シートが動くのはいいんですが、背もたれの震動は胃が気持ち悪くなりそうで厭だなぁと背中浮かせてたんですが、1回きりでよかった。
ヘッドレスト?両脇からの風の噴射も髪の毛乱れるし、なによりミストが吹いてくるとメガネに水滴がついてその都度拭くのも面倒なので、東京湾の水飛沫を体験した後は停止ボタン押しました。

細かいところにまで凝っているので、改めて感心することも多かったです。

・最初に逃げ惑う市民役のひとたちのセリフの脅威的棒読み加減。
・走り去る電車の最後尾車両の窓に張り付いて、踏切を渡る人々を見ている乗客。もしかして乗り遅れた家族か友人を見つけたんじゃないかと思わせます。
・初めて見た時も気になった、あと数秒カットが遅かったらぜったい滑り落ちてる事務官が抱えているキングジムファイル。スリリングでセリフが入ってこないです。
・逃げ遅れた、老人を背負っているひとがお年寄りであったこと。
・京急。
・「イマ!」
・KREVA氏が認識できない!
・間准教授役の塚本監督が、「おりがみ」と気付いた時のおやさしい両手の叩き方。
・折り紙をさらさらっと振れる安田課長の指。
・赤坂と泉のゴジラゼロ感。

・・・が、2回目で特に印象に残ったところ、ですかね。
女性限定試写会後の記念撮影で、職員役の片桐はいりさんがおにぎり握るポーズしてたので、ちゃんとホイル敷いてタッパに入れられたおにぎりはあの女性職員からの差し入れってことなのかと解りました。だからお茶を出す際にあの芝居だったんですね。
矢島健一さんて結構好きな役者さんで。管理職役が多いんですが、以前CMで管理職みたいなひとたちが料亭に居る設定で、ひとり肘掛にもたれていてその正に斜に構えた感じが巧くて。
甘利氏に似せた中村育二さんと共にちょっと間の抜けた感じは珍しい。
塚本監督っておどろおどろしい作品が多いんですが、どこかお品と優しさが垣間見える。昏く妖しいけれど神経に触るようなグロテスクさはないところがね、お人柄。見られませんから見ないですけど、『野火』もきっとそうではないかと。
あの胃弱片桐且元を見せている真っ最中に、東部方面総監役を小林隆氏に演じさせるキャスティングの妙。
いかにも知将という雰囲気がお見事。
統合幕僚長、統合幕僚副長、東部方面総監部副幕僚長を演じる方々も適役。いずれも堂々たる居住まいで切れ者感が凄い。力を蓄えて来た自信が感じられます。

「いえ、ローテでいきます。皆、入隊した時から覚悟はできています」と「気落ちは不要。攻撃だけが華じゃない。住民の避難を~」には、改めて感謝の念が湧いちゃう。
アパッチの発射時や、ひとまる発射時とその反動でシートが震動するのはリアルではなくともちょっとニヤついてしまいましたわ。
でも、会議室内のカメラの移動にまで合わせることはないんじゃないかと。
ノートPCが巨災対メンバーの手から手へ渡るのに合わせて動いた時は、クスクス笑いが聞こえました。
なにもデータ目線でまで動かんでも。
スモークでスクリーンの下の方が見えない時もありましたが、臨場感持たせるためなんでしょうね。
照明も明滅したりして。
日本人は静かに見るのがマナーとされているから、こうゆうアトラクションみたいな状況にされると、気分的に楽しいですね。
海外では通常上映でもみんな見せ場には声あげてますもんね。
ダースベイダー登場してイエ~ィひゅーひゅーみたいに。

シートが通常より高くなっているので、座る時に私ったら勢いつけてドスンと座っちゃって・・・
同じ列の方々にまで震動してしまうんですね。
「ごめんなさい」。

尻尾の形状を確認しようと思わず前のめりになったら、同じ事しているお客さん何人かいました。
今度ははっきり解ったじょ
やっぱりリトルじゃないかと思いましたが、リトルゴジラが生まれるとしても第一・二形態じゃないねと言われ、確かにそうですよね。腕も長いし。

作戦は一時凌ぎだし、こうゆうラストだと続編も期待するひとが居るんでしょうねぇ




映画
by august22moon | 2016-08-29 23:03 | 映画 | Comments(0)
実況アナが、「テニス競技」と紹介するのが新鮮です。
「男子体操・団体」で、内村せんせいの心底嬉しそうな笑顔ったら!ああ、よかった



d0109373_18531212.jpgさてさて。わたくし史上2度目のゴジラです。本家日本のゴジラは初めて。
かなり高評価のようで、夏休み真っ盛りなこともあり、老若男女で盛況でした。トイレなのか途中で出入りされる方が多いのが、こうゆう夏休み映画ならではです。

日本のゴジラシリーズは見てないうえに、エヴァに至っては全シリーズ通しても30分も見ていないので、今作に散見されるらしいエヴァらしさも、過去作品へのオマージュも分かりません。
ですから、庵野作品としての面白さが分かったとはいえませんが、前半の官邸の動向にいかにもというリアリティーは感じられ、怪獣をメタファーとして、日本の危機管理体制を現実感あるものに成立させていて見応えがありました。

ゴジラが初めて人類の前に出現したところから始まる本作。「第二形態」が、どこか昔の特撮怪獣を思わせるよう。材質が判んないし、なにも見えてないような目もちょっとキモチワルイ。
ハリウッド版ゴジラは、頭が小さくて口もあの咆哮に対して小さかったですが、今度は口がでけい(笑)
路上からの人間目線で屋根を掠める尻尾とか、都内を進んでいくのを捉えた引きの映像などは迫力がありました。

「有害」な異生物「駆除」に自衛隊を出動させるまでの、まどろっこしい会議と閣議。
いったい何の仕事してるのか不明な長い肩書きも容赦なく出すのが親切なんだか惑わせてんだか。
「文部科学省研究振興局基礎研究振興課長」も、え?何課?とりあえず文科省ってのは判ったぞ、て具合。
(『突入せよ!あさま山荘』で、佐々氏の長ったらしい肩書の呼称問題を思い出しました。)
有識者として呼ばれた学者の「時間の無駄」さ加減(この3人のキャスティングが傑作)や、演者の顔の上に条文が重ねて映し出されるのもシニカル。スクリーン全面に出て読ませない文字量。
対策本部の命名も、スクリーンの端から端までの長さ。
つまりは、イザという時がんじがらめなわけですね。

対策本部の面々が様々に調査検討し、牧教授の残したヒントを推理していくのも緊迫感がありました。
(間准教授の広げた手書きの構想図が恐いぃ)
つまりは、個で突破するのではなく、組織的に打開していくんですね。
作戦名長いんで「八塩折」との命名は、ファンサービスみたい。

ぎりぎりのところで‘自衛’によって一時決着させ、「アメリカの属国になる」ことを回避できたと安堵するのも、これが今の日本なんでしょうね。
震災や原発問題での実際の官邸対応を想像させるポリティカルサスペンスでした。
登場場面が少ない役にも名脇役と評される俳優陣を配しているので、短い場面の中にも重厚感と密度がありました。

自衛隊の攻撃にも見応えがありました。
スクリーン上部からアパッチ・ロングボウが1機入り込んでくるショット、全機が同時に向きを替えるショットが素晴らしい。誤射もなく全弾命中。東富士からのMLRS発射。(映像は総火演ですね)
自衛隊幹部会議室のテーブルの小ささ光量の低さが実戦的!

作戦中にドジ踏んだり先走って足を引っ張る輩は皆無。全員がプロフェッショナルである爽快感がありました。
日本が本土決戦でどれだけの戦闘能力があるのかだけを見せて、豪快。

忘れてましたが、ゴジラはモーションキャプチャーだったんですよね。確かに独特の「運び」が出たところは妖しの生命感が見えて面白い。
日和見な里見総理臨時代理がラーメン好きというのは「さきがけ」の武村氏を思い出させました。ゴジラの進路が解明した時の貝原・・・じゃない高橋一生さんのリアクションはあれでいいのか?(笑)

アメリカ特使の日系人女性が、英語訛が無く英単語だけ英語発音で喋る唐突感も手を広げるジェスチャーも、エリートに見せる芝居が悉く漫画チックに陥ってしまい、現実味に水を差していました。
防衛大臣はメイクまで似せていたのに。
もう少し大人の女優さんっていないのかな
俳優さんたち皆さん早口で喋るのですが、滑舌が心許ない俳優さんもいて、聞きとれない単語がありました。

当初は事態がまだ解らずのんきに構えていたり、被害に合わない地域にあっさり日常が戻っているさまは、きっとそうなるんだろうと思わせます。
逃げ遅れるひと。瓦礫の山。作業する消防隊員と自衛隊員。避難所で粛々と過ごす人々。除染問題。
実際に日本人が経験してきた事象はくまなく描かれていました。
主要人物の背景や被害市民に焦点を当てて描かず、端的でありながら深く表現したのもよかった。
逃げ遅れた老人を背負った人も、走れないからと避難を拒否するのをようやく説得したんだろうなぁと想像させました。

「私は好きにした。君らも好きにしろ。」
『春と修羅』と共に残した牧教授の遺言は、庵野監督の5年間の思いが込められているようです。

・・・最後のあれ、リトルのように見えましたけど




映画
by august22moon | 2016-08-09 23:00 | 映画 | Comments(0)
d0109373_18154198.jpg日本版のポスターのほうが断然いいですね。
単にパーティーの一場面ですが、アンソニー・ホプキンスの嘲笑にも見える表情が、この事件の顛末を暗示しているようです。
流石そこに居るだけで威圧感のあるホプキンスならではでした。
サム・ワーシントンとジム・スタージェスというキャスティングも魅力的。

誘拐されたハイネケン社長が、誘拐犯を翻弄させるに違いないと思いきや、犯人たちと社長とのやりとりはたいして多くなくて意外。
とはいえ、囚われの身となっても堂々。犯人たちの脆さに気付くや、バスローブだ本だBGMを変えろと要求するふてぶてしさ。
挙句の果てに「バンバンジー」をオーダー・・・で、ちゃんと買ってくるってとこが可笑しい。
犯行が成功した後の、近しい者たちでありながら瓦解を向えるさまは納得の展開。
根っからの悪人でないが故にやがて、恐怖と不安を呼び起こしてしまうんですね。
ハイネケン氏の「金か友情か、どちらかしか得られない」の自説は、預言となってしまう。
彼にとって心を許せる相手は一緒に囚われた運転手だけだったのかな
だからあんなに心配したのかしら

コルとヴィレムがパリで逮捕される場面は、アパルトマンから出ると路地に人影もないのを不信に思う間もなく警官に包囲されていた、となるんですが、他の仲間にもいつの間にか背後に警官が迫っている。
犯人目線で展開し、警察の捜査の進展を見せないので、この逮捕場面がたいへんスリリングでした。







樋口真嗣監督作 『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
d0109373_181442100.jpgアニメはちらっと見たことはあるんですが。
衣裳やセットなど美術さんはかなり頑張っている努力は感じました。

冒頭からアルミン役の方の説明セリフがずっとナレーションを聞いているようなのが気になりました。
音声の技術的な問題もあったのかもしれませんが、不思議な違和感がありました。
その後の登場人物のセリフも妙な違和感が続く中、橋本じゅんさんがフェンス越しに掛けた言葉が、ようやく脳内に届くセリフで。血の通った人間の声に聞こえました。

エレンが壁に向って「むかつくんだよ」は聞いてて恥ずかしくなりましたわ。
原作にもあるセリフだから言わせないといけないんでしょうか。古い青春ドラマのような反骨ぶり。生命を守ってきた防護壁に対してムカつくて・・・
で、案の定警備に制止されるんですが、この警備の方たちのセリフが驚くほどの棒読みでびっくり。

(ミカサの発音は、ミにアクセントを置くんじゃないのね。美香さぁーになっちゃうから?)

「叫ぶくらいなら舌を噛め」との威勢のいい命令下に、食いしん坊のサシャのお腹が鳴ったのが巨人に聞こえるって、喋り続けの話し声はだいじょぶなの?(兵士にはハンドサインってもんがあってだな)
キャラクターやエピソードは原作に沿っているのかもしれませんが、生身の大人の俳優さんにそのまま演じさせると物足りなくなってしまう。練り上げられていないセリフや、お粗末な心理描写が、俳優陣の奮闘を邪魔していました。

で、この国の兵隊さんにはピケという概念はないのかな?

巨人の顔って星人かゾンビみたいなのね。わあーお隣りさんも変身しちゃったーみたいな。
サトゥルヌスみたいな異界の禍々しさがあってもいいのに。

by august22moon | 2016-08-05 23:00 | 映画 | Comments(0)
d0109373_1320327.jpg15年日本公開作品。
主人公のアイヴァン・ロックが車内で電話をするだけのワンシチュエーションムービー。
大変面白かったです。

もちろん『チャイルド44』とは発音も『マッドマックス』とは声質も変えて地声に戻して、建設会社で責任ある立場と平穏な家庭生活を過ごしていた平凡な男を演じています。
なにかの決断を迫られてぎりぎりまで悩んでいたうえでの行動であることだけが示されて、徐々に状況や根底にある父親との軋轢も判明していきます。
見るひとによって、まったく感想も解釈も変ってくるストーリーでしょうね。

妻に、孤独な女で同情しただけで、酔ったあげくの一晩の過ちで愛情は無いと言いつつ、でも認知して責任はとるつもりでいると打ち明ける。
しかもそれは浮気相手の出産に立ち会うために病院へ向っている車内から電話されてるって、妻にとってまさに「強盗に入られて家をメチャクチャにされた気分」。

浮気相手であるベッサンという女性との関係性を表す会話が非常に面白かったです。
早産の不安から「窓が開いてて寒いのー」「誰も来てくれないのー」「また窓が開いて寒いー」なんてことまで電話してくるので、それでなくてもいっぱいいっぱいなアイヴァンを精神的に追い詰める、であろうと想像させますが、アイヴァンは疲労感を覚えながらも冷静さを保とうとしている。
自分しか話しをする相手がいないことを知っているから慰めたり力づけたりはしているけれど、「愛している」とは最後まで言わない。
「憎むほど君を知らない」。
これが出産することを選択した相手へ、お互いの覚悟を確かめる言葉。

後部座席の亡き父の幻影に向けて、恨みつらみを吐露する。
どうやらこの男は自分を捨て家庭を崩壊させた父親を恨んでいて、同じ男にはならないの一念で生きてきたようなんですが、今や同じ道を歩みかけている。
だからこそ、せめて新しい生命に対して責任を取るしか、それを回避する方法はないと考えたんでしょうか。

明日の「ヨーロッパ最大の」大仕事すら頼りないけれど彼しかいないからと部下に電話で指揮。
判明した施工ミスを補うべく作業員を呼びに走らせる。怒れる上司からはクビを宣告される。
200台のトラックを現場へ通すための「封鎖じゃない。交通整理」の警察への依頼確認。
(通ってない!ので)レストランで食事中の役所担当者への再申請。
持って来てしまった書類を読み上げながら指示するので、事故を起こさないかとヒヤヒヤ。
書類から目を挙げて、テールランプが霞んで見えるショットにもヒヤヒヤ。
でもこの作品は、なんとかこの状況下で乗り切ろうとする主人公の行く先を突然の交通事故で遮断することも、通話相手を映すこともせず、車を一旦降りて一息つかせることも、もちろんUターンもさせず、ただひたすら病院へ向かわせる。
それが「世界一行きたくない場所」なのに。

難産の末に生まれた子の泣き声に、ほっとして微笑むけれど、家族のことを思えば安心している場合じゃないのに。
息子の言葉や、仕事の実績やミスの対応を考えれば、全て失ったようでいて、もしかしたらチャンスは残されているかもしれないと思わせました。


【備忘録的追記】
「W座」の再放送で『チャイルド44』の字幕版が見られました。
ロシア語が解るわけではありませんが、ロシア語訛にしているのは判りました。

孤児院の場面。姉妹がトランクを提げて廊下の先に現れて、レオとライーサに伴われて階段を降りていくラストまでにレオの表情は少し横顔がシルエット気味に映るだけでしたね。
トランクを持ってあげてゆっくり3人の後ろをついて階段を降りて行くまでのレオの姿が、胸に迫ります。
君たちの両親を返すことはできない。申し訳ないと思ってる。涙ながらに謝罪するこの男の姿は優しさというよりも弱さであるように見えます。
よく泣くのよね、レオ。
どれだけのものを与えてもこの姉妹に真の幸福は与えてあげられないのだと、自身が孤児であるレオには分かっているんですよね。
最初は安堵感と見えた横顔も、ゆっくりとした動作で姉妹を気遣った姿は全身から涙を流しているようでした。

妻ライーサに言われた、保安省だから拒絶できなかったの言葉を忘れていないんでしょうね。
だから、「まだモンスターに見えるか」って尋ねたんでしょうね。


放映後のトークで長友氏、ロシア人は名前が覚え難くくてと、ストーリーについて言及せぬまま。
薫堂氏も、納得せざるをえない気遣いで応えるだけ。
文学ならともかく、俳優の顔で判別できるのに(笑)




映画
by august22moon | 2016-08-02 23:00 | 映画 | Comments(0)