カテゴリ:映画( 312 )

モルテン・ティルドゥム監督作 『パッセンジャー』

d0109373_0552491.jpg見ようと予定していた映画が、映画館へ着いたら上映時間が変っていて、仕方なく隣町の別の映画館へ移動して、ちょうどいい時間にやっていたのでこちらを見ることにしちゃったのでした。
ジェニファー・ローレンスですしね。予告編も迫力映像が面白そうでした。

しかし、これは、一種のラブストーリーですね。設定が宇宙空間というだけで。
無人島と違って生活に困ることはないようで。移民地へ着くまでの120年間人工冬眠で移動する設定ですが、移動の間どれくらい起きて生活することになっているのか、個室もあるし、娯楽は充実しているし、水や食糧の心配もないもよう。
別々の部屋に分かれているのでしょうが、5000人居る雰囲気はありませんで。
面白いのは、乗客がランク分けされていること。部屋の大きさから食べられる食事の内容まで制限がかかっている。いわばロウワーデッキの乗客ジムは味気ない固形食だしカプチーノも飲めない。

正直なところ、やれやれな終わり方。
それでもクリス・プラットがなかなか良くてですねぇそれだけがこの作品の収穫でしょうか。
『マネーボール』のハッテバーグ選手役で見せたのと同じ、不安や怯えの表情がとても印象的。
体格を活かした役が多いようですが、この表情をもっと活かしたほうがいいのでは。
もちろん、宇宙船が故障してのふたりの大奮闘は見応えがありました。
オーロラがプールで泳いでいる最中に、重力装置が故障した時は、この大量の水は無重力でどうなるんだーわーやっぱりこうなっちゃうのかーとびっくりな映像でした。

孤独に勝てずに睡眠装置を壊して、オーロラ嬢をお供にしようと目覚めさせてしまい、一気に生活にも潤いが出て、宇宙船生活をエンジョイなんですが、起こしてしまうことはつまりは彼女の人生を狂わせてしてしまうことなわけですから、楽しみながらもふと罪の意識に苛まれる表情は響くものがありました。
ちょっとシャイなとこがあるようで、プールで泳ぐ彼女にちょっと恥らんで手を振るとこなんてカワユスです。
事実を知ったオーロラさん、ジムの寝込みを襲って殴る(いいパンチ入りました)蹴る(・・・蹴りも入りました!)。ついには‘バールのようなもの’を振り上げるのですが、ジェニファー・ローレンスならそれくらい爆発しそうです。
ジム君、罪の意識から無抵抗。

ジムがイチジクの木を植えておいたのをオーロラは微笑むんですが、それってどうなんでしょ。
ふたりきりなんだと突き付けるようで、ちょっと、ぞっ。
最後は、人工冬眠装置を修理できそうなクルーを起こすこともせず、ふたりきりで生きる決意をしたようで、美しい宇宙空間の景色をうっとり眺めるんですが、この先50~60年?ふたりっきりなんですよ?逃げ場も無く。話し相手は肝心なとこで余計なこと喋っちゃうアンドロイドのブレア首相だけですよ?暗澹。

ラストの120年後の場面では、たとえばジムの手造りの指輪をした老いさらばえた指が目覚めて動くとか、子供が生まれていてポッドに入っていて命を継承する、なんて結末でもよかったかなと、思いました。




映画
by august22moon | 2017-03-26 23:00 | 映画 | Comments(0)

デミアン・チャゼル監督作 『ラ・ラ・ランド』

d0109373_22452796.jpg音が・・・
でけい
映画館の音響の具合なのか、GAGAのロゴ映像の音からもう爆音で。
本編の音楽だけでなく、クラクションやオーブンのアラームまで爆音で、おばさん、びっくり

公開から少し日が経ったのでもう落ち着いているだろうと思っておりましたら、まだまだ結構な人気で、かなり盛況でした。
ハレの舞台ですっきりしない事態になってしまったのが不運でしたが、評判どおり楽しい作品でした。
帰り道で、スカートひらひらさせて歩いちゃいそうでしたわ
どれも印象的で所謂キャッチーな音楽なので、ストーリーの単純さも気にならなくなります。
夢を追う若者が、挫折や別れを体験して最終的にはそれぞれの道を諦めずに進んでいたわけですが、そうゆう夢物語で終わってもいいかなと思わせておいての結末の描き方は、演じる俳優さんたちの力量をきっちり見せて、単なる楽しいダンス映画に終わらせずによかった。
エマ・ストーンも圧倒的な旬の輝きがあるけれど、ライアン・ゴズリング演じるセブの切なさが印象に残りました。
誰へと悟られぬような「wellcome to Seb's」。
彼女だけに向けた出会いの日の曲。泣けますねぇ
スターになったというのは分かっているわけだし、結婚したことだって知るだろうから、それでも待っていたのかなと思わせる切なさが見えました。
それに、セブのカウントに被せるようにエンディングというのも、追わないし振り向かないふたりの隠した涙を想像させました。

なんだかやたらとプリウスが目立ってて、それもちょっとジョークに使われたりして面白い。
カフェのレジでバイトしてルームシェアもしている若い女性がなんでプリウス乗れるのかって疑問もありますけどね。
ロスではお手頃価格なのかしら

名作ミュージカルへオマージュを捧げたカットが多いそうで、ミュージカルに疎い私でも、「あ、これは」と気付く場面がいくつもありました。
おかげでさすがにきっちり絵が決まる。
でも、それを差し引いても、ビビッドでパワフルでビター&スイートな秀作でした。




映画
by august22moon | 2017-03-19 23:00 | 映画 | Comments(0)

ロバート・ゼメキス監督作 『マリアンヌ』

d0109373_20141852.jpg初日の『LA・LA・LAND』が賑やかなことになっていたので、もうだいぶ落ち着いているであろう今作をようやく見ました。
新しい上司が無類の映画好きで、2週間も前に見ていて、焦っていたのです。
仕事帰りにちょうどいい上映時間の作品もなく、あっても仕事でバテて気力がなかったり。
久し振りのせいか、発券機でお金の投入口探してモタモタしちゃった

マリオン・コティヤールファンというその上司によれば、「泣ける」との話でありましたが・・・

オザケン氏が20年ぶりに歌番組に出演しハルキ・ムラカミ氏の新刊が出た夜に見に行ってきました。
R・ゼメキス作品をスクリーンで見るのは『フライト』以来。
マリオン・コティヤールのクラシカルな美しさが充分活かされたストーリーでした。
最近のフランス女優にはない整った美貌ですからね。
ブラッド・ピットのほうもクラシックな美貌を必要とされる役柄ですが、沈着冷静な表情や洗練された仕草などでそれを現してはいました。
顔立ちがねぇ そうではないから、こちらの想像力も必要とします。

パーティーの途中に起こる空襲の映像が印象的でした。
突然夜空一面に広がるサーチライトや対空砲火の光りは、ゾッとさせました。
迫って来る墜落機よりも。

疑惑が持ち上がってから、観客も夫・マックス同様に、マリアンヌの一挙手一投足に表情に注目するわけですが、M・コティヤールがあの大きな瞳で華やかな表情で演じた表情は、ラストに向けて惹きつけて離さない力がありました。
いつ気が付いたのか、スパイだけに隠すことも巧みなわけで、いろいろと推察してしまいました。

鏡に映る姿やカーテンを開けて無防備になる姿が、常に緊張状態を強いられる“哀しきスパイ”を表されていますが、ちょっと多用しすぎな感がありました。

逃走用の飛行機の、一向に掛からないエンジン音だけが聞こえる車内。
生と死を分けるその音だけしかマリアンヌの耳には入らなかったということなんでしょうね。
そこは緊張感と切なさがありました。

パーティーシーンでも流れた『シングシングシング』がエンドロールでも流れるんですが、手拍子しそうになっちゃった。最近、何度目かの再放映を見たばかりだったので。
スイングする者とスイングしない者だ、なんちて

成長した娘アナの写真が映りますが、『トゥモローランド』のアテナ役のコに見えた1枚がありましたけど・・・違うかな




映画
by august22moon | 2017-02-25 23:00 | 映画 | Comments(0)

スコット・デリクソン監督作 『ドクター・ストレンジ』

d0109373_21293119.jpg初めてのマーベル作品です。
仕事帰りにちょうどいい上映開始時間の作品がこれしかなかったというだけで選んだんですけれど。とても面白かったです。
カンバーバッチが若い方にも人気なだけに、高校生の観客も多かったです。

エリート外科医がプライドをかなぐり捨てて魔術に頼るしかなくなる。その絶頂期からどん底にまで落ちるさまが流石に巧くて、前半の人間ドラマに見応えがあるので、どんなに摩訶不思議な世界が展開しようと、単なるヒーローものに陥ることがありませんでした。

交通事故の場面は、ああ事故るんだろうなーと予想できながら、衝突の爆音にびっくり。
都会のビル群が魔術によって意思を持ったように攻撃的に蠢く映像は、驚きと共になぜか爽快感がありました。
『インセプション』のあの驚愕の映像がここまでになるとは。
あの頃はびよ~んだったのが、がちゃんがちゃんぱたんぱたんもにょ~ん

対決の緊迫感だけでなく、ジョークも散りばめられているのも楽しかったです。
仲間には傲慢とも受け取られるほどのプライドの高かった男が、魔術の修行のおかげで人間的にも柔らかくなったのか、本来の心の広さが表れたのか。
渡された、文字の書かれた紙片を「マントラか?」と尋ねると「Wi-Fiのパスワードだ」で、心がほぐれたのか。
ウォンが名前なのか姓なのか応えないので「まあ、アデルとかボノとかエミネムとかいるもんね」からの~「やあ、ビヨンセ」は爆笑。
しかも、強面のウォンがイヤホンでビヨンセ聴いてるとか。
意思を持つマントとのやりとりも面白かったです。

レイチェル・マクアダムスも健康的でイキイキとして魅力的。

3Dで見るのがこの作品の凄さがより実感できるのでしょうが
オバサン、ぜったい目ぇ回しちゃうわ


映画館もあるショッピングセンターに、ドクター降臨されてました。
写真撮ってるかたが多かったので、わたくしも。
d0109373_22412190.jpg

by august22moon | 2017-01-30 23:02 | 映画 | Comments(0)

ギャレス・エドワーズ監督作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

d0109373_20214979.jpgようやく。久し振りに映画見れました。
最近バテ気味で仕事帰りに映画を見に行くなんてとても出来なくて。
まだ「ファンタビ」も見てないんですが、こちらのほうが上映時間が早かったので


そういえば、まだいかにデススターの設計図を手にしたのか、第1作「新たなる希望」の冒頭場面に続くまでのエピソードはまだ描かれてませんでしたものね。
最後には同じショットも出してエピソード4に繋げましたが、シリーズとはだいぶトーンが違う作品でした。

ドサクサに紛れて名乗った、反乱軍の工作部隊「ローグ・ワン」のメンバーの服装が、現代の戦闘服に近い色合いなせいもあって、近未来SFって感じです。
後半の戦闘場面には、『ターミネーター4』みたいな緊迫した迫力がありました。だから、ストームトルーパーたちが可愛く見えてしまうほど。
Xファイターが部隊の援護に飛んできたとこなんてね、完全に戦争映画の迫力。
バランス悪くて大して戦力にならないように見えてたAT-ATウォーカーがこんなに脅威的に映るとは。

宇宙空間での戦闘場面はスピード感があって面白かったです。
スターデストロイヤーを囲んで、反乱軍戦闘機がシュッシュッとハイパードライブで次々に出現するとこなんて、あらこれなんで本編でやらなかったのかなぁと思いましたですよ。

ピーター・カッシングが長々と登場するのにも驚きましたが、レイア姫まで出せるとは。びっくり

主演のフェリシティー・ジョーンズ演じるジンと共に潜入するキャシアス役のディエゴ・ルナは、『エリジウム』で初めて知りました。あの時もワルっぽい扮装なのに目の可愛いさが印象的でした。
もっといろいろ出ないかな。

このキャシアスの相棒K-2のキャラがまた面白かったです。
元は帝国軍のドロイドという設定で、本編でも出ていた型ですね。
喋れるといってもC-3POみたいな口先の巧い従順さではなくて、鋭いつっこみが出来るという高スペック。
ノールックで迫る敵を仕留めちゃって、攻撃も高スペック。
反撃に合いながらも最後にドアをロックしたと告げるところは哀愁が出ました。
設計図データを辛うじて送信した後の、誰か受け取ったかなと散っていくさまも、開かないドアの隙間から必死にデータを渡す兵士など、なかなか泣けるラストでした。
「希望」を見出すまでに、多くの犠牲があったと生死をくっきり見せたあたりは特にファミリー向け本編とは違うところでした。
ダースベイダーの見せ方も、若い方々の表現を借りるならば、「圧倒的絶望感」。
登場の仕方も全作品中一番ってくらい素晴らしい。



映画
by august22moon | 2016-12-22 23:00 | 映画 | Comments(0)

サイモン・カーティス監督作 『黄金のアデーレ』 wowow放映

「スターウォーズ」が全作品放映されて何作か見ましたが、こうも何度も放映されるとは。
それでもダースモールの構えのかっこよさに何度も見ちゃうんですけどね。

さて、ヘレン・ミレンの品格が作品にも気品を漂わせて、美しい映画でした。
ポスターは日本版のほうがいいですね。
d0109373_21255837.jpgd0109373_2127317.jpg




















クリムトの作品は特に好きではないのですが、この絢爛な美術品が、奪還劇をよりドラマチックなものにさせていると感じました。
マリアにとっては、ナチスによって奪われた家族の肖像。
自分ひとりだけが生き残ってしまった罪悪感に苛まれ続ける辛さが伝わってきました。
一個人が国家相手に裁判なんて無謀と映りますが、ナチスにいまこそ勝たねばならないという決意が、ヘレン・ミレンの横顔に滲んでいました。

エスティー・ローダーが出てくるとは・・・

by august22moon | 2016-12-20 21:05 | 映画 | Comments(0)

スティーブ・マーティノ監督作 『I LOVE スヌーピー』 wowow放映・他

d0109373_19102197.jpg『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』をようやく全編見ました。

シュルツ氏の心温まる絵が素晴らしいのですが、その魅力を損なうこと無いアニメでした。
「くまのプーさん」の顔立ちが「安定している」と表現したアスリートがいましたが、ピーナッツファミリーの顔立ちも、安定していると思うのです。
シンプルな線で、表情も大きく変らないところが、ほのぼのさせています。
トラブルもピンチも、心優しい仲間たちが寄り添い支えあってハッピーエンド。

子供の頃にはTVシリーズが放映されていたと記憶しているのですが、その頃のボイスキャストは、チャーリー・ブラウンに谷啓さん、ルーシーにうつみみどりさんでした。
大人が吹替えていたんですね。それがまたぴったりでした。
今作ではチャーリー・ブラウンに鈴木福くん。妹サリーに小林星蘭ちゃん。ルーシーに谷花音ちゃん。
チャーリー・ブラウンが片思いする転校生役にはなんと芦田愛菜ちゃんという、オールスターキャスト。
福くんは、元々やさしい声で静かに話すので、ぴったり。
片思いでもじもじしたり、ルーシーに振り回されたりして、気の弱いコに合っていました。

生真面目なマーシーは、マイペースのペパーミントパティーのことを日本語訳では「先輩」、英語では「Sir」。チャーリー・ブラウンのことはちゃんと「チャールズ」と呼ぶ、ともだちとの距離感が面白い。





マーク・オズボーン監督作 『リトルプリンス 星の王子さまと私』 wowow放映

d0109373_1954824.jpgCGとストップモーションアニメで描かれたそうで、美しい絵の作品でした。
原作自体、あまり好みのお話しではないのですが、味気ない少女の家と対照的な飛行士の庭がとても美しくて、アレンジも楽しく見られました。

こちらのボイスキャストも、マッケンジー・フォイと鈴木梨央ちゃん、ヘビにベニチオ・デル・トロと竹野内豊さん、キツネにジェームス・フランコと伊勢谷友介さんとこちらもオールスターキャスト。

後半に出てくるミスタープリンス役の宮野さんについてはあまり知らないのですが、他のキャストが皆俳優さんばかりのせいか、声優さんが出てくると雰囲気ががらりと変りました。
流石に人気声優さんだけあって声の表情が巧みで、キャラクターと声に距離がなくなって、純粋にそこに「ミスタープリンス」が生きているように見えてしまいますね。




映画
by august22moon | 2016-11-11 23:00 | 映画 | Comments(0)

ロン・ハワード監督作 『インフェルノ』

d0109373_211254.jpgお隣りのハワード監督も思わず笑っちゃうほどの「ミテネッ!」が、可笑しくって傑作。
ハンクス氏、今年に入って三作目ですよ、凄いですね。

今作も自前のスーツ台無しで、借り着であちこち飛び回るんですが、今回はじっくりお茶しながら推理してる間も無く、スピーディーで面白かったです。
髪の毛はどんどん短くなちゃって、第一作くらいの長さも教授らしくてよかったのになぁ

ラングドン教授ピンチで始まり、幻覚の中で展開するボッティチェリ作の「神曲・地獄篇」の光景が見事でした。
監督、これこそがやりたかったのではないかと思うほど。夢に出そうな恐ろしさでございました。
フィレンツェが舞台なので、今作も様々な名所が見られます。
(友人にフィレンツェ好きがおりまして、解説で大騒ぎです)
ビッティ宮殿、からのヴァッザーリ回廊。ヴェッキオ宮殿では五百人広間。(天井画がぁぁ~)
地図の間では秘密の扉まで。で、ヴェネチアに移動してのサン・マルコ。
飛んでイスタンブールでは、地下宮殿。ここは初めて見たのですが、面白いところですねぇ
こんなところでコンサートなんて素敵ですこと。

冒頭から度々起こる違和感に、監督、いやトム・ハンクスそこそれでいいのか?フェリシティ・ジョーンズのこの演技をほっといていいのか?の連続でしたが、これがことごとく伏線だったわけで。
ああ、スッキリ。
ラストの攻防戦もスリリング。
ガラスケースの中で破裂した時は思わず、あー間に合わずー!

「ダ・ヴィンチコード」も「天使と悪魔」も原作を読んでから見たので、謎解きの結論に至るまでの経緯が分かって、置いてきぼりにならなかったし、さまざまな説や歴史の教科書だけでは知り得ない知識を得られて楽しかったのですが、今度は未読。
上下巻の長編原作をコンパクトにまとめてあるせいか、特にブゾーニの人物像に関しては、原作を読んでいたほうが分かり易かったかもしれません。
ラングドン教授が記憶喪失や謎の痛みに苦しむさまも、シエナを止めようとする必死の表情も、トム・ハンクスさすがの名演で、引き込まれました。



映画

by august22moon | 2016-11-04 23:00 | 映画 | Comments(0)

ナンシー・マイヤーズ監督作『マイ・インターン』 wowow放映 他

d0109373_14525833.jpgデ・ニーロが穏やかでひとのいい役演じたら面白いんじゃないか?とか、アン・ハサウェイが今度は編集長役やったら面白いんじゃないか?とサービスみたいな作品ですね。
デ・ニーロが演じると、昔働いていた職場への郷愁だけでなく、なにか裏がありそうです。
実は吸収か提携を画策している大手のCEOでした、とか。
「アンダー・カヴァー・ボス」みたいなどんでん返しを邪推してしまいましたが、ストレートなハートウォーミングムービーでしたね。

新興業種に生きる若者たちと、需要の見込みが無くなった産業で生きてきた老人。
同じステージで関わることなどないような世代同士が、ビジネスを越えて人として互いに影響しあう。
大人のお伽噺でした。

デ・ニーロが、鏡に向かって挨拶の練習なんかしていると、ちょっと期待しちゃうじゃないですか。
You talkin’ to me? とかやってくれるわけ・・・ないですね。








平野俊一監督作 『S -最後の警官-』 wowow放映
d0109373_1532393.jpgドラマは確か1、2話しか見なかったんですね。
出演者も役柄に似合った面々が揃えられて見応えがありそうだったんですが、主演氏のキャラクターが似合わないと思ったんです。
他でも熱血漢とかヤンチャで無謀なおとこのこの成長譚を選ばれますが、この方自身の知的な印象をそのまま活かした役のほうがいいんではないかと思うんです。
それこそIQの高い役なんて無理なく演じられそうなのに。稀有なキャラが勿体ない。

ストーリーも、既視感のあるエピソードばかりだし、テロの言動も浅いしで、緊迫感がイマイチ盛り上がりません。銃を突き付けたくらいで首相が脅せると考えるテロリストがいましょうか
連行中に銃携帯してるの気付かないというのも・・・

正木の「空がきれいだ」も、船を降りた時じゃなく、最期の言葉でよかったのに。

なんだか、いろいろと、勿体ない作品でした。





今村昌平監督作 『人間蒸発』
d0109373_16165821.jpg一般人の失踪者を追う、というのは、失踪者本人やその家族や関係者の、赤の他人には知られたくない部分まで暴いてしまうことになるのに、不特定多数のひとの目に晒すのを承諾した佳江という女性の真意がいまひとつ理解できないままでした。
追うほどに婚約者大島の周辺はどんどんキナ臭くなっていって、ついには肉親にまで失踪の一因が疑われることになるのに。

有吉佐和子の小説にもありましたが、関係性や性別・年齢によって、印象はまったく違ってくるものだというところは面白かったです。

作中、女性の心理が変化していくのが、この作品を意外な方向へ進ませるのですが、今村監督の口の動きと声が合わず明らかにアフレコだったり芝居がかっていたりして、監督の企みが見えて興醒めでした。
女性の変化について「後見人」の露口氏の返答は、この方の普段の喋り方がこうなのかもしれないと思わせたり、自然に見せた芝居のようにも見えましたし、67年当時の女性特有の口調が現代に於いては不自然に聞こえるので、女性のほうも芝居っぽく見えてしまい、事実を惑わせました。

人はなぜ全てを捨てて消えてしまいたくなるのか、実は事件に巻き込まれたのか、自殺なのかに迫って、そこに人は誰しもが虚しさや孤独を抱えているのだと示すのではなくなったのが、個人的には興味を失せさせました。
今村監督ですから、失踪者が女性問題をいくつも抱えていたり、探す側の女性の情念に気付いてしまったら、松本清張作品のように社会派に帰結しないのは仕方ないですね。

by august22moon | 2016-10-28 23:00 | 映画 | Comments(0)

ロバート・ゼメキス監督作 『ザ・ウォーク』 wowow放映

d0109373_1550501.jpgこれは映画館で、しかも3Dで楽しむ作品でしたねぇ
あの高さを想像する集中力を必要としました。
スクリーンなら、自然と足の裏ムズムズしちゃったことでしょうに。

もっと高い所をと、可能性を追求していくさなかに出会ってしまったのが、建設途中のワールドトレードセンターなわけですね。
この作品の後に放映された、ドキュメンタリーの『マン・オン・ワイヤー』で見たフィリップ・プティ氏本人は、インタビューもハイテンションだったせいか、ゲリラ的にパフォーマンスするのも、人々を驚かせることが焦点のように見えてしまって・・・
しかし、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じると、彼の真意が理解できました。
師匠との関係がじっくり描かれていたこともあって、ワイヤーの上で恭しく礼をするのも
寝そべった時に目が合ったカモメが、鳥の領域を侵していると言っているように感じたのも
いかにも芸術家の感性。
アニーが、ビルに「命を吹き込んだ」と言った言葉にも、プティ氏が訴えたいであろう芸術性を気付かせました。

合い間合い間で、自由の女神のトーチに立ったレヴィットの解説を挟んでいるんですが、最後に、WTC展望台のチケットを贈られた話が紹介されます。
警察に連行されはしたけれど、作業員たちは拍手で見送ったし、こんなチケットをプレゼントするほどにおおらかな時代だったんですね。
実際に示されたチケットには手書きで「permanent」。
「永遠に入場できる」と自慢気な笑顔で語った直後に表情を消して視線を下げ、スクリーンから外れる。
アッパーニューヨークベイを挟んで見えるWTC。
永遠と言われても彼にとっての「聖域」は既に失われてしまった。
無謀な挑戦をしつづける男の物語というよりも、まるでその巨大な建築物の消滅を惜しんでいる映画であったようです。

by august22moon | 2016-10-22 23:00 | 映画 | Comments(0)


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