花火を遠く離れて

昨日今日と、沼津では花火大会。
打ち上げ花火の音が遠雷のように聞こえていました。

d0109373_19592954.jpg久し振りに『hal』さんへ。
ともだちへのプレゼントを探したり、夏小物を探したり。



















d0109373_2175644.jpgオーナーの後藤さんから、フレンチ『OPERA』さんが花火大会の二日間限定で発売されるカスクルートは「美味しいですよ」とあの穏やかなお声で薦められたらもう、食べたくなっちゃって















お買いものもあったので、ついでに買いに行こうと大手町へ入ったら、もう既に交通規制されていてたいへんな人出。空いてる駐車場を探してぐるぐる。

陽射しはありましたが、風が涼しかったです。
花火見物客で毎年混み合う御成橋の舗道が板で囲まれていましたけど・・・そこでは見物できなくなったのでしょうか?
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d0109373_20101270.jpg一昨年は夕方には既に完売でしたので心配しましたが、大丈夫でした。
















「ソーセージとレンズ豆のカスクルート」と「スペイン産生ハムとキャベツのカスクルート」をいただきました。
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賑やかな繁華街を離れて『weekend books』さんへ。
落ち着いた雰囲気の中でゆったり本を探して・・・
美味しいコーヒーをいただきました。
お祭りの中にも赤ちゃん連れのご夫婦をたくさん見かけましたが、こちらにも赤ちゃん連れのお客さんがいらっしゃいました。
本を探すママの胸に抱っこされた赤ちゃんが、ひそひそ声でママの顔を見ながら話しかけていて、かわいいことかわいいこと。
何ヶ月ですか?とお尋ねすると、「7ヶ月なんです」。
すると、その声にあかちゃんが反応してニコ~。
ママの声が聞こえて嬉しかったのかしら。
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d0109373_20435242.jpg迷った堀田善衛の文庫をやっぱり読んでみようと戻って購入。

夏はやっぱり純文学かな、と思いまして。

















d0109373_20563826.jpg『mina perhonen』のマキシングテープが可愛いですこと。

それからさらに、三島の本町や沼津のヨーカドーを見て回り、希望に近いものをようやく見つけて一安心、でありました。

夜はまた、遠い花火を聞きながらカスクルートをもぐもぐ。

by august22moon | 2013-07-29 00:06 | おいしいもの | Comments(0)

d0109373_113636.jpgたいへんな混雑になるだろうと、公開初日を避けてレイトショーで見ました。
それでも結構お客さんが入っていました。皆さん考えることは同じなんですね。

溜息の出るような素晴らしい画で、堪能しました。
きちんと体重移動する肉体、走る列車の窓から見下ろした線路脇の人々、空を切る飛行機、走り去る風景、陽炎に揺れる列車、その奥のピントが霞んだ景色、光る夏の雲、業火からもうもうと上がる黒煙、黒雲が夕陽のように光った次の瞬間雲を割って炎上しながら落下する飛行機、ばらばらに空中分解する両翼・・・
アングルも素晴らしい。
大地震の直後の静寂を引き裂く赤ちゃんの泣き声、余震前の不気味な怪音、人の声で吹き替えた飛行機のエンジン音など、音までも印象に残るものでした。
細かいことを言えば、本庄の登場場面でタバコを吸う時の顔と、二郎と過ごした最後の日の奈穂子の指が少々雑に見えました。
別格の高水準を誇るジブリ作品なのにと、気になってしまいました。

主人公二郎役を俳優でも声優でもない庵野監督にしたのは、『トトロ』で糸井重里氏を起用したような効果になっていました。
巧くはないけれど冒頓な感じが好青年役に合ってました。
ストーリー順にアテレコしていったのかな?最初のうちは一本調子だったのが、感情も巧く乗せられるようになって、違和感がなくなっていきました。
夢の中で「あれがきみのゼロかね」と問うカプローニに答えて言った「一機も帰ってきませんでした」は痛切。
最後の一言から二郎の心情全てを推察させたんですね。
美しい飛行機を創りたい一心だったのに、時代がそれを許さなかった悲哀を二郎自身に描かず、終始無垢な表情ばかり。二郎にとっての現実は奈穂子との残り少ない時間だけのよう。
矛盾だと葛藤し苦しんでいるのは同僚の本庄だけ。
「どこと戦争するのかな」なんて言いだすし。
飛行機設計に集中し、その向こうにあるものに極力視線を向けないようにしている。
道端に立つ子らに、「ひもじいかい?」と‘シベリア’パンを差し出すも受け取ってもらえなかったのを本庄に呆れられ、もはや食べることもできない。この愚直さたるや・・・。
警鐘的。

西島秀俊さんは、声だけ聞くと結構クールな印象が前面に出るんですね。
カプローニの吹き替えの萬斎氏の声質と独自のセリフ回しが老練な俳優さん並みに赴きがあって、こちらも役柄によく合っていました。
階(きざはし)の上のお人は超越的存在がお似合い。
二郎の夢の中に登場する伝説的人物を借りて宮崎監督のメッセージを伝えているわけですね。これがことごとく大らかで含蓄のある言葉ばかり。

「風は吹いているかね」
「創造的人生の持ち時間は10年だ」
「きみは生きねば」

脳裏に焼き付くような言葉でした。
名前を呼ばず「日本の少年!」と呼ぶのもいい。
またこの夢の場面が出てくるタイミングが素晴らしい。 
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予告編で『ガッチャマン』。
ケンは「悪党ども」なんて言うキャラじゃないのになぁ・・・。
言うならジョーでしょ。
あのドロンジョ様みたいなのが、まさかベルクカッツェではありますまいな。


映画
by august22moon | 2013-07-22 23:59 | 映画 | Comments(0)

d0109373_0105539.jpg投票を済ませてから、大施餓鬼法会に向かいました。



















d0109373_0152344.jpgいつも先にお花を活けたりお掃除したりしているうちに真ん中あたりの席しかなくなってしまうので、早めに最前列通路側ゲット。


















昨日も夕方から涼しかったのですが、
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薄曇りで涼風も吹いて、暑さが厳しくなかった一日でしたので、卒塔婆を供えて改めて一服なんて思っておりましたら、大型の蜂がぶんぶん。
お隣でお参りされていた方が「あれスズメバチよ。気を付けて」。
警告を受けて退散、となりました。
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d0109373_020414.jpg16時半頃に終了して、久し振りに『awatenvou』さんでひと休み。

涼しい風に乗って、とんぼが飛んでいました。

















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久し振りのクレームブリュレ・シナモンパウダーとメイプルシロップがけでございます。
美味しかったです。ごちそうさまでした。
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タイトル : 山頭火
by august22moon | 2013-07-22 00:58 | 季節 | Comments(0)

74年発行の「愛蔵版 世界文学全集」を図書館から借りて読みました。
(ああ、私が中国文学を読む日が来るなんて・笑)
他に、『阿Q正伝』や『狂人日記』も収録されているだけでなく、老舎や巴金の長編も収録されている菊版の上製本なので、寝る前に寝床で読むにはちょっと重い。

「市民公開講座」で中国文学の講義を聴いたのが切っ掛けですが、中学の教科書に載っていた『故郷』から、懐かしく読みました。
読みながら、ともだちが主人公の印象がとてもいいと言っていたのも思い出しました。
私のほうはといえば、
「・・・まるで飛ぶように馳け出して行ったが、あの纏足の足でよくまああんなに早く歩けたものだね」
という一説が気になって、それどころではなかったのでした。
先生がこの‘纏足’という風習を説明した時のクラスの反応は、今でいうところの‘引いて’しまった状態。
おかげでそんな部分ばかりが印象に残ってしまったのでした。

いま読み返すと、20余年ぶりの帰省で変わってしまったのは故郷ではなく自分であることを痛感しながらも、その残酷な時の流れを静かに受け止めている主人公「迅ちゃん」の心境は、読む者全てに共感を与えると感じ入ったのでした。

『藤野先生』は、日本で作品集を出版するにあたり、魯迅がどの作品を収録しても構わないが『藤野先生』だけは収録を望んだという思い入れのある作品。
日本留学時代の恩師との思い出を書いた短編です。
帰国を期に交流を絶った恩師への感謝と惜別の念が込められています。
折に触れて思い出すのに手紙の一通も出さなかったことは、『故郷』で主人公が受けたような、時が失わせるものを拒んだように映ったのでした。


本・読書
by august22moon | 2013-07-18 23:23 | 読書 | Comments(1)

旧盆

『半沢直樹』と『七つの会議』の人事が既にごっちゃになっている今日この頃。
今日も薄曇りで湿度の高い一日でした。

お寺さんにある名前が分からなかった木。住職の奥さまに御施餓鬼会卒塔婆供養の申し込み書をお渡しした後に伺ってみました。
白雲木(ハクウンボク)っていうんですって。今は実がいっぱい生っていますが、花が連なって咲くのが白い雲のようであるのが名前の由来。
英名はFragrant snowbell。こちらも素敵です。
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瑠璃玉薊も咲いていました。
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よく伺うスタイリッシュなお店がお願いする花屋さんが珍しい花材を扱ってるので、伺ってみたんです。
HPには素敵なアレンジメントも紹介されて外観もおしゃれーなお店で期待して伺ったのです。
切り花は少なかったのですが、その中に花びら数も密集して珍しい色のトルコキキョウが目にとまったのですが、お値段がいつもの花屋さんの倍@@;
結局、時々伺うお店にしちゃいました。

7月盆のお参りの方々でお寺さんは賑わっていました。
ウチは8月盆ですが、親戚は7月盆なのでそちらのお寺さんへも行ってきます。
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着きました~。
遠く、伊豆縦貫道が繋がっているのが見えます。
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d0109373_23103810.jpgこの季節になぜか鶯が鳴いていました。
春のお彼岸の頃にも鳴いていたのに。


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by august22moon | 2013-07-15 00:33 | 季節 | Comments(0)

「冷えとります」

曇って湿度の高い日です。
夏場は仕方ないのですが、最近は富士山がはっきり見えることが少ないですわぁ。
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泰山木がありました。おおきな花が咲いています。
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あ、ピンボケ
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d0109373_22141350.jpg『ロバギター』さんへ伺いました。

でも、店内満席の盛況。














d0109373_2215382.jpgならばと、先にお買いものを済ませて




















戻ってまいりました。
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アイスたんぽぽコーヒーをいただきました。香ばしさが夏って感じですね。
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温かいバターリーミルクティーも美味しくいただきました。
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「本日のスイーツ」から、「ピーナツバターチョコレート・トーフのケーキ」
ソースでロバさん描かれてますよぉ かわゆすですねぇ
ベースがお豆腐なので、ピーナッツバターとチョコでも濃すぎず、食べれば食べるほど美味しい・・・って感じ解ります?解んないですかね・・・
勿体ないけどロバさんの絵も頂いてしまいました。とっても美味しかったです。
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ワッフルは残り1枚といことでしたがお願いしました。
芳ばしいいい香りです。
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d0109373_2247696.jpg外は物憂げな小雨がひらひら。

「長田弘詩集」や「すーちゃん」を読んでのんびり

ごちそうさまでした。
















帰路、陸自のセミトレーラに遭遇。
寄りすぎですが、主砲かな?とすると90式でしょうか。すごーい
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by august22moon | 2013-07-14 23:30 | おいしいもの | Comments(0)

「ボールド~!」

d0109373_2255518.jpg今日も暑い一日でした。
ムシムシしますが少し夜風が心地好くて3日の細い月が美しい夜。
串揚げ屋『のんき』さんで暑気払い。
(あ、これは以前もっと早い時間に伺って満席だったので諦めた日に撮ったものです)
















d0109373_23341515.jpgこの日も混んでいまいたが、なんとかお席確保しまして、生ビールでぷは~といたしまして。
ウインナーとアジ(多分)×2















d0109373_23513465.jpg黒はんぺん×2、ぎんなん、肉詰めしいたけ×2
















d0109373_23524121.jpg魚肉ソーセージ、ささみ大葉、なす。
















d0109373_2354376.jpg豚肉の大葉巻き(多分)、じゃがいも、うずらの卵・・・
どれもとっても美味しゅうございます。
これだけ頂いても4千円しないという安心価格(笑)

毎回揚げ物の熱気で目が沁みるんですが、この日が一番酷くて、目が痛くて涙まで出てきちゃって。
とっても美味しくて何本でも食べられちゃうねーなんですが、目が辛くてここまで。
他のお客さんは皆さんまったく平気そうで、涙流してるなんて私だけ(笑)
揚げている時は熱気で仕方ないので、しかも自分が注文したのを揚げてくださってるわけですし。
美味しいものをいただくには苦労もあるのだーと我慢しておりましたら、お店の方が見かねて冷たいおしぼりを出して下さいました。すみません。

とっても美味しかったです。
ごちそうさまでした。






d0109373_1141195.jpgタイトル : NGの種類はともかく、あなたスタッフと一緒にソレ言ってる場合じゃないでしょと大笑いの「第89話」
by august22moon | 2013-07-12 23:51 | おいしいもの | Comments(0)

5月の舞台がもう放映。
観に行かなかったから嬉しいですけど。早いですね。
原作は山田風太郎『魔群の通過』。この絶妙な原題を残さないのは勿体ない。
原作をベースに、長塚作品らしい摩訶不思議な時空間世界が入り乱れて展開する構成。

天狗党の乱については吉村昭氏の『天狗争乱』もありますが、天狗党の悲惨な末路を知っただけでいくら吉村ファン・幕末モノ好きといえども読むことができずにいましたし、山田風太郎作品もその昔『伊賀忍法帖』なんて読んじゃって、あまりの妖しさに以降読めませんで原作も未読です。

戦後を舞台にして、大金を横領し逃げ込んだ人里離れた温泉宿が迷路のようになって異空間の入り口になっているのは面白い導入。
そこのおかみが白石さんだなんて、それだけでもう異界の雰囲気充分。
幕末に迷い込んだ未来(昭和の戦後)の若者が実は敵対する残党の子孫。
これはちょっと賛否ありそうな。
‘鎮める’方向にしたかったんですね。霊を慰めたかったか。
TVの『世にも奇妙な~』なら許せたかもですが・・・。
しかし、無念の志士たちを蘇らせるというのはそれだけで十分劇的ですから、他はまぁいいかな。

迷い込んだのが恋人同士(?)だけでなく、取材に来た作家と助手のコンビもというのがまた巧い具合に複雑に絡み合って面白かったです。
巧い役者さんが揃ったので、時空が変っても混乱はしませんでした。
作家・葛河役の古舘寛治さんは、地元ではシュールなCMでお馴染みの方なんですが、最初のうちは独特の張りのある発声と貫録ある表情に、このひとはもしかして凄いんじゃないの?と思い続けて今回、舞台は初めて見ました。
なんでしょう、不思議な芝居をする方ですね。
『マイバックページ』等の映画ではそう感じなかったのですが、なんか外人さんみたい。海外経験の所以でしょうか。
役柄に浸からずに、掌に乗せてるみたい。軽妙というのではなく、軽々と飄々と演じてる感じがしました。
小栗さんはうろたえ驚愕する表情なんてよかったですね。
狂言回し的な役柄に実直に取り組んだ印象でした。
意外性のある表現も見たい気がしますが。この、硬質さがいいのかな。
横田さんは天狗党から実業家に転身した「天下の糸平」田中平八役。
実業家となった後半は特に明瞭な伝達力が相変わらず素晴らしい。
大物感を強調して少々大仰な台詞回しには、どんでん返しも整理させる力がありました。
・・・ステッキがちょっと短くないですか?

回転するステージとその周囲の通路が、重層する世界に合っていました。
床が動くことで場面転換されたり。
舞台上を手持ちで移動する襖だけで、「くらやみ」を強調させたり。
横浜への移動も襖を裏返して背景画とするだけ。
風神・雷神像のように、仁王立ちした緋色装束の天狗ふたりが立つだけでも充分効果的。
長塚作品は舞台美術のセンスがいいですね。

by august22moon | 2013-07-08 23:52 | 観劇 | Comments(0)

梅雨明け

d0109373_0255762.jpg先日のこと。
この日を最後に長い夏休みに入られる、『ユーカリカシテン』さんへ。



















d0109373_0285179.jpg開店の10分過ぎほどに着きましたが、お待ちのお客さんが2組。
ガラス戸から見えてる可愛いお手ては、外でお待ちのおじいさまに向けて手を振っている僕ちゃんの手。

その後、愛車の赤いトライクでおじいさまとおばあさまの先にたって颯爽と帰路につかれました。
















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d0109373_0443244.jpgさて私は、まだほんのり温かい「いろいろの実スコーン」と「チョコチップスコーン」



















d0109373_0463890.jpgシナモンの香るクッキーとナッツナッツクッキーを頂きました。
















d0109373_0524080.jpgそれから美容院で夏仕様にカットしていただき、本屋さんに寄って笑かしていただき。

新しく出来たカフェを覗いて
混んでるから諦め。
図書館に寄って
検索機の空くのをひたすら待って本を借り。














d0109373_0544584.jpg頂きもののメロンを・・・



















d0109373_057584.jpg豪快に食べました、とさ。

by august22moon | 2013-07-08 14:55 | おいしいもの | Comments(0)

先日受講した公開講座の「近代中国文学」の回で紹介されていた、魯迅が翻訳した漱石の短編『クレイグ先生』を読もうと検索したら、図書館には昭和出版社刊の漱石作品集があったので借りて読んでみました。
昭和41年刊行の古い本で、黄ばんで古い本の匂いがしました。
収録作品は、『クレイグ先生』の収められた「永日小品」の他、「文鳥」「硝子戸の中」「夢十夜」など。
「文鳥」は何度読んでも惚けた可笑しみのある作品で、今回また読んでしまいました。
「永日小品」は1909年(明治42年)朝日新聞連載の25編からなる随筆集ですが、中には創作のような作品もありました。
いくつか読んだ作品もあったので、探せば持っていたのかも。

『クレイグ先生』は、この短編集最後に収録。
英国留学中に出会ったウィリアム・クレイグ氏の思い出を綴っています。
沙翁研究家として著名な人物なのに、生徒である漱石に月謝の前払いを頼んだりと、哀切漂う老学者。
相手の漱石の捉え方によるのか、惚けた愛嬌もある。
英文学の個人講義をしてもらうのにアイルランド人なのでキングスイングリッシュでないから、独特の訛りで、「少し焦き込んでくると、東京者が薩摩人と喧嘩をした時位にむずかしくなる」。
「自分は事が面倒になると、運を天に任せて、先生の顔丈見ていた」。
それで勉強になったのか聊か心配になるのですが、そこは漱石独特のユーモアなのかもしれません。
この先生やメイドさんらしき女性の描写がとても楽しい。

最後は『坊っちゃん』の印象にも似て、人の世の無常も達観したように書いています。
少ない文章に反ってその姿が見えるようでした。
書斎の火鉢の前ででも広げた文芸誌にその死亡記事を発見し溜息のひとつもついたかもしれない
庭からは子供たちの明るい声なんか聞こえてきて
三重吉がひょっこり訪ねて来たかもしれない


本・読書
by august22moon | 2013-07-04 23:41 | 読書 | Comments(0)