出会った本、映画の感想。日々のこと。

by august22

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スムースに東口へ出られるかどうかが不安なのでありましたが、無事渋谷駅を脱出。
(まだなんか工事してる!?)
宮益坂にある純喫茶という趣きのお店でササッとランチして、劇場へ。
スマホの地図機能は大助かりですねぇ。迷わず行けました。
人通りも少なく落ち着いた雰囲気で、洗練されたビルの間の、一際アプローチの植え込みも美しいビルの地下にあるライブハウス「DDD AOYAMA CROSS THEATER」に到着。
こんなハコを選ばれるのは珍しいですね。
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d0109373_024516.jpg背後のビルから3-4歳の男の子がおかあさんに先だって飛び出して来るなり、「でんしゃのおとがするー。でんしゃのおとがするー」。
おかあさん「んー?」
わたしも、え?電車?聞こえないよ?
おかあさん「ああ、笛の音ね。駅で聞こえるもんね」
ええ?ホイッスルの音してました?
宅配便の方が引く台車の音しかしませんが・・・

機関士のお話しの舞台前の、ちょっと不思議な偶然。














さすが最近は映像での露出が増えただけあって、お花がいっぱい。
ドラマ「東京センチメンタル」のスタッフからも贈られていました。面白かったから連ドラになってもいいのに。

・・・鋼太郎さん「アンフェア」出るってよ。と桐島風に驚く。いつ撮ってるんでしょ
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d0109373_0412564.jpgいつも観客ぎっしりの印象ですが、今回の劇場は狭過ぎず、椅子も個別で座面がふんわりしたもの。座席間も比較的ゆったり。
席は前方でしたが段差があまりなくて、座ったり横たわった芝居をされると見え難く、さらに舞台下の床で芝居をされるとまったく見えないのが残念でした。
この舞台下に機関車の釜のセットを設えて、「投炭作業」の芝居をするのが構成としてとても面白かったのですが、作業まったく見えず。

前楽のマチネで、少々お声が辛くなってるかたもいましたが、特に若手の方々の成長が光った舞台でした。
2作続けての市村直孝氏の作品。
シェイクスピア劇を離れて和物を選ぶ意図は、座長の「市村文学」への傾倒ということでしょうか。
戦争と老いの問題は、日本人の機微や陰翳を描きやすく、また観客へ届き易い。
今までは鋼太郎さんが出て来ただけで舞台上の密度が一変し、さらに星さんや北島さんらベテランの巧さで堪能できましたが、若手や新人との差が気になっていました。
しかし前回の市村作品で感じた若手団員の成長が、今回さらに舞台に厚みと奥行きを齎たしました。
大鉈を振り回すような古典劇や史劇より、若手の持つ表現力やセリフ力が見えやすいのかしら。
今後、古典劇に戻った時がまた楽しみです。
特によかったのが長谷川祐之さん。
06年公演の『終わりよければ~』では芝居の線の細さが気になりましたが、多くの経験で芝居の筋肉を付けてこられたようです。
齊藤慎平さんは、鋼太郎さん演じる昭一の若き日を演じていましたが、仲間の中でも後ろのほうでいつも俯いてる内気で弱気な、長じては生き方に迷う男がブレずに演じられていました。
先に走りだした仲間へ「待てよー」がよかった。「待ってよー」みたいに聞こえましたが、そっちでもよかったですかね。
押し並べて些細なセリフがよかったです。

林蘭さんは、竹を割ったような性格ではと推察されるような、澄んだ声と淀みのない芝居が好きです。
仕事のできそうなキャリアウーマンの姿勢の良さが鮮やかでした。
決断も早い。怒鳴ってもトゲがない。次女は大変ねぇ。
ただの「みかん」じゃなくて、「ハウスみかん」と言うのはなぜでしょう?
バイトを抜けて来た三女がバッグから、多分バイト先のハンバーガー出してテーブルに並べてるのに、それについて触れるセリフなしっていうのが面白い。日常の生活感を描いていました。

鋼太郎さん演じる老いた昭一は、既に痴呆症となっている設定。
冒頭から、子供時代や機関車の火夫時代が甦って夢と現の区別がつかなくなる混乱。
正気を取り戻した時の絶望感が、相変わらずの安定した巧さで舞台を引っ張りました。
「忘れちゃいけないことなのに、なぜ忘れたのかな」の嗚咽は、見る者それぞれの琴線に触れ、涙を誘いました。

涙の中にも笑いの要素も散りばめていて、
「高木ブー、今日もひとことも喋らなかったぞ」・・・これ、若いひとは分かんないでしょうね。
外国人の機関士の名前がトーマスとか。
缶焚きの訓練の過酷な日々を、投炭作業して走って下宿へ帰って朝になると慌てて起きておにぎり掴んで飛び出し走って釜の前へと、舞台上を走りまわるのを3回繰り返させ場内の笑いを誘い、長谷川志さん遂に(というか計算のように)コケて場内爆笑。

家族だけでなく、見守る人々が当然のように周辺にいた前作の時代と違って、自分たちの生活を脅かされ始めた娘たちの葛藤や、徘徊する老人に手を焼く鉄道職員との絡みで、現代の高齢者問題を表しています。
鉄道職員は運転士時代に人身事故に遭っていて、「線路に人は入らない前提になっているので罪も償えない」と苦しんでいる。
街中へ迷い出れば好奇の目があるという場面も、戦後の混沌の町を行き交う人々が衣裳を現代のそれに変えて、侮蔑の視線に変えるという演出は巧かったですが、巧すぎる故に寒気もしました。
実体験として、私の母方の祖父が徘徊することがあったためでもあるのでしょう。

脚本家の倉本聰氏も自身の経験から、親の老いについての問題を作品中に度々取り上げられています。
作家が芯となるテーマを持つのは特色となります。
しかし、同じ役者さんが演じられ、しかも年に1回しか公演のない劇団が、2度同じ問題を取り上げたのはどうしてなんでしょう。

実のところ、最後にあのようなセリフであのような演出で終わるというのは少々苦手です。
73年生まれでは決してお若くはないけれど、一種の若さをそこにのみ感じました。
でも鋼太郎さんに突き付けられて、果たして自分には答えられる言葉はあるのかぼんやりと考えながら、駅前の黒ずんだ歩道の若い人混みに押されよろけつつ歩くのでありました。

17時少し前に終演。カテコは2回で客電。
せっかくお友達に再会できるチャンスだったのに、先約のために移動。
曇りだったのに湿度が上がるわなんか集会やってて通れないわ、もー汗だくよぉもー

by august22moon | 2015-06-29 00:04 | 観劇 | Comments(0)

名残珈琲

朝には強い陽が射していたのに
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小雨がパラつきだした週末。
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d0109373_2138685.jpg『つきさむ』さんの休業前最終日。
日曜日だったので伺ってみましたが、早くもお客さんでいっぱい。
予備のスツールを出していただきなんとか着席。
おひとりさま用のテーブルですが、大き目なので大丈夫。
カウンターと窓の間ですが、囲まれ感がちょっといい。
ここでもまったく構わなかったのですが、その後お客さんが引けて空いたお席に移動させてくださいました。

















最終日とあって常連さんやお友達がご挨拶されていきます。
11月までですものね。

さて。6月のごはんをいただきます。
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気の置けない仲間同士とはいえ、4ヶ月間24時間生活を他人と共にするって気づかれもあるでしょうねぇ。
でも雄大な景色が些末なことなど吹き飛ばしてくれるものなのかもしれません。
遥かに連なる稜線、そびえ立つ岩山、美しい木々の緑の濃淡、可憐な高山植物、遠くにまたたく街の灯り、満天の星。
私もそんな大自然の中に身を置けば、少しは纏う空気が浄化されるかしら。

「くるみ割り人形」の「花のワルツ」を聴きながらのデザート。
ヨーグルトクリームのほのかな酸味が美味しい。
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d0109373_21471164.jpgごちそうさまでした。


















当日は父の日。ケーキは買わなくてはと、母の日のケーキと同じショコラ専門店『BEL AMER』さんで父の日限定ケーキ。
中にフルーツジャムが挟まれていないとこが好みです。細かいココナッツ等ナッツ類が入って食感も楽し。
生チョコなので、いい飲み物ぷりでございました。
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d0109373_2262457.jpg他にも仕事に必要なあれこれを探し廻って
帰りにまた寄ってコーヒー。





















d0109373_22544037.jpgいよいよですねぇなんてお話をしていて、「話かわりますけど」とオーナーさん。
はいはい。なんでしょ。
「御殿場の『ロバギター』さんってランチやってます?」
どうやらお友達に尋ねたら、「やってたよ確か」との返事だったそうな。
もしかしたら他店とのコラボイベントだったのかもしれませんね。
『ロバギター』さんへ行くときは自分も誘ってと声をかけていたのに、そのお友達に「先に行かれちゃったんですー」ですって(笑)















ごちそうさまでした。
どうぞお元気で。また秋にお逢いしましょう。
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当日は11時過ぎてようやく楽しみにしていたハレ大会準決勝でしたが、錦織選手途中リタイア。
フェデラー選手との決勝を楽しみにしていましたが、残念。
とりあえずフェデラー選手が優勝したのでよかったよかった。

最近まで早朝になると、あまり聞いたことのないような、まるで高原の森にでもいそうな美しい鳥の声が聞かれたのでした。
もしかして箱根から逃げて来た?使徒が攻めてくるのを察知したのかー?なんて。
結局22日は無事に過ぎ(笑)
あの美しい声もオナガだったのかも。
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by august22moon | 2015-06-23 23:29 | おいしいもの | Comments(0)

くちなしの花の前で

きっと、予想できていたのにやっぱり巧くいかなかった時のことや、早い決断がよい効果を齎したことに増長して肝心なことを見失ったことなんて書き残しても
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後になってつい見てしまった時に落胆してしまうんだろう
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でも失敗は書き残すことで、必ず自らを省みる因となるから。
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明日からは、と言えたらよかったのに。
次は2日後。
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気を揉む週末。

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by august22moon | 2015-06-20 00:15 | 出来事 | Comments(0)

曖昧味覚

d0109373_0283116.jpg昨年は6月上旬には濃い色の花が満開だったあじさいですが、今年は満開が遅れています。




















と言う間にも直ぐ側のくちなしの花は盛りも過ぎてしまっています。
猛烈に魅惑的な香りを放って。
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用事で出かけた先にある、ネットで見かけた評判の良いお店でランチ。
お昼時、グループやカップルでお席半分埋まっていていました。
お客さんが帰られたばかりでまだ片付いていないテーブルが2席。
4人席が2。2人席が3かな?カウンターに4-5人席。
左手のオープンキッチンにいらっしゃるシェフ氏は垢抜けた風貌で期待を持たせました。
初夏の花が賑わう前庭の見える席に案内していただいて、まずこのコピー用紙のようなランチョンマットを掴んで持ってくるものだから一部しわくちゃ(笑)
行かれた方の記事で「威勢のいい」「独特な」と表現されていた、素足に雪駄履きの年配の女性がフロア担当。
なかなかメニューが来ないので催促。「あーごめんなさいねー」
渋いお声です。
ランチタイムのセット4種からオーダー。そのオーダーを白紙にエンピツで走り書き。
オーダーを通した後、他のテーブルを片付け始めたのですが、グラスに残ったお水を隅にある観葉植物の鉢へビシャー
( ̄o ̄) え?
さらに別のテーブルで残ったお水は前庭に持って行って花壇のお花にビシャー
(--;)

すぐに出されたのがセットのスープ。初めて見る色ですぅ。もしかして、けんちん汁?(笑)
レンズ豆・サトイモ・にんじん・タマネギ。サトイモとにんじんの大きさバラバラ。
豆とサトイモは煮崩れてました。かなり薄味。お塩が欲しかったです。
(-_-)ゞ゛ウーム

件の年配女性がお皿を下げる際にスプーンを取ってと促す。
スープスプーンをパスタと兼用にということのよう。「まあ、使うひとと使わないひとといますからね」。
いやそうでなくて~(笑)兼用に戸惑っているのですよ。 
しかしカトラリーレストがないので仕方なくパン皿に掛ける。
(このパンは美味しかったです)
お客さんのオーダーを間違えた別のフロア担当の女性。
なにを注文したかお客さんに説明されようやく納得。「ええ~?」と不機嫌丸出しで厨房へ戻るのにパスタのお皿を持って全力疾走。
(@@;)ぱちくり
結局それは私のオーダーしたものでした。
店内を往復して到着したトマトクリームパスタと、オリーブピクルスのお味のみのオリーブとベーコンのフィットチーネ。
デザート。たぶんパンナコッタとおっしゃっていたと思われ。ソースはコーヒーのようなカラメルのような。
数メートル背後から「はい盛り合わせ~です。ティラミスと・・・」と説明がすでに始まっていたデザートの盛り合わせ。
お皿の縁のココアパウダーに親指がっつり乗っちゃってるのが気になって説明が耳に入らなかったですぅ
真ん中は確か、手造りのきな粉キャラメルとおっしゃったような。やさしいっちゃやさしいお味。
グラスに入っているのはパンナコッタというよりミルク寒天。
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お会計時、なぜかレジカウンターはいろんなものが置かれ混沌。
私たちの伝票(白紙に走り書きメモ)が見当たらないらしく、「アレとアレだったよね」と記憶でレジ打ち。
すると雑誌かパンフらしきものの上に「あー、あった。計算合ってる・・・でしょ?」と言いながら私たちにメモをお見せになる。
(^_^; は、はい合ってます。

今日はこちらに伺うためだけに出かけてきましたというお客様や、常連さんも多くいらして人気なのは確かなようです。
マイペースなスタッフワークも居酒屋さんなら構わないんですけどね。




d0109373_0231117.jpgさて数時間後、用事がキャンセルになったので、やっぱり美味しいーと思えるものを頂いてから帰りたいと、『つきさむ』さんへ伺ってしまいました。



















d0109373_23372260.jpgコーヒー。
yumiko iihoshiさんの「un jour」シリーズの「nuit 」はレギュラーサイズ。
ブルーグレイのカップ「matin」はラージ。
たっぷり頂けるサイズがあるって珍しいですよね。


















ポテトサラダサンド。
トーストされているのでもったりしませんね。(・・・もったり?)
ポテトサラダと食パンを一緒に頂くことにときめかないワタクシメにとってはコロッケみたいな感覚でいただけて楽しいのであります。
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ホットケーキ。
添えられる季節のフルーツはネーブル。
食べたばっかりなのにぺろり。美味しく頂けました。
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ちょうどお客さんも途切れた時間。
厨房からとんとんと仕込みの包丁の音がモーツァルトの合間に聞こえるのも心地いい。
そろそろ山荘へ行かれる日が近づいてきたオーナーさん。
中房温泉から大天荘までは7時間ほどの行程なのだそうです。
うひゃーたいへん

美味しくいただきました。ごちそうさまでした。
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(1週間経って色が変わっていたあじさい)

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by august22moon | 2015-06-18 23:40 | おいしいもの | Comments(0)
d0109373_037952.jpg【Strange things did happen here no stranger would it be】
なんだか鬱々もやもやしまして。少しは気が晴れるかしらと見に行ったのですが、思い起こせばこのシリーズは強制的にサバイバルゲームに参加させられた女性の苦悩を描いているのでしたから、気なんか晴れるわけありませんでした。
今作はFINALの前編。独裁国家に反乱を起こそうと地下に潜伏する第13地区に助けられたカットニスが、革命のプロパガンダとして祀り上げられるお話。
ゲーム戦士として人心を掴むために着飾ったのが、今度は戦場に立つレジスタンスの姿で人心を掴み革命の士気を高めるジャンヌ・ダルクになるわけです。Mockingjayを紋章にして。

作られたセリフでは届かないしカットニス本人もそんな演技はできないので、政府に破壊された街の被害者を見せて心情に訴えればと図るとその思惑どおりになってしまうのも、まだ彼女が完全なる戦士ではないところ。
象徴となることに躊躇ってはいても、スノー大統領のメッセージを受け取っては受けて立つしかない。
心の底からの叫びが民衆に響いて合言葉となり、父親から伝え聞いたマザーグースのような歌をくちずさむとそれがいつしか民衆に闘争のテーマのように伝わっていく。くちずさんだ声がダム破壊に向って行く戦士たちの大合唱に変わっていくところは特に印象的でした。
望むと望まざるとにかかわらず象徴となってしまうということですね。

単純にあっという間にプロの兵士なみに活躍するのではなく、最後の最後にカットニスに爆発させるための過程を見せる回なので、矢を放つ攻撃も1回だけでちょっと残念ですが、「The Hunging Tree」が非常に耳に残る曲で、ジェニファーの飾り気のない歌い方(普通の女の子が何気なく歌ってる感じ)もいいので、見終わった後もくちずさんでしまうほどです。
あの歌はシングルカットもしていないのにビルボードのシングルチャートで12位にまでなったそうですが、頷ける結果です。

ゲイルとの関係。ピータの症状。反乱は成功するのか。あの首相でだいじょぶなのか。‘帝国の逆襲’はあるのか。かなりむちゃな治療をされているらしいスノー白薔薇大統領のおかげんいかがなのか。
すべて11月公開の後編までお預けなのですが、今作はこの歌に出会えただけでも収穫。

あとですねぇ、バタカップ(きんぽうげ)という猫の名前は海外ではポピュラーなんですかね。


最後にフィリップ・シーモア・ホフマンへの追悼文。
役柄からいつも微笑み顔でふわりふわり漂うように動くさまが
なんだか悲しい。
なんで負けちゃったかなぁ


映画
by august22moon | 2015-06-16 00:02 | 映画 | Comments(0)
黒バックに半旗になった星条旗だけのアメリカ版ポスターはこの作品に一貫する哀悼が表されています。
右の日本版は、ドキュメンタリー調で撮られた今作の緊迫感が表されています。
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矛盾と不可思議だらけのこの事件から50年目の昨年公開された今作。
究明がテーマではない点に興味があり是非見たかった作品です。
地元公開がなかったので、全仏オープン決勝バブリン対ジョコ戦の第1セットも棒に振って鑑賞。

支持率の低い地でのオープンカーパレード、順路変更、背後にビルが建ちカーブで速度が落ちる場所と、充分すぎる警備でも不安な場所で起こってしまった歴史的悲劇。
全編ドキュメンタリー調の撮り方が緊迫感を呼びました。
長くジャーナリストであった監督の鋭く客観的な視点で、事件に関わってしまった人々を映し出しています。

一目見たいと、誰もが浮かれていたその日。
パークランド病院の看護師たちも少しそわそわしてる。
研修医以外は会議中(TVのない部屋)。オンコールからまだ寝ぼけ眼のレンジデント役にザック・エフロン。
そこへ飛び込んでくる国家の一大事。
シニアをと怯む研修医にベテラン看護師長が「直ぐ来ます。でも今はあなたしかいません」「急患は大統領ですよ」と小声で叱咤する。
銃創による重篤患者、それも要人。しかもそれはケネディ。
騒然とし殺気立つ処置室で、狼狽えまいと努める看護師長役マーシャ・ゲイ・ハーデンがうまいですこと。
ジャッキーがトランクの上に飛び散ったのを拾って握りしめたままだった夫の一部を渡された時の憐みと驚愕の表情が秀逸。
手の施しようも無く、しかし死亡宣告ができず心臓マッサージを繰り返す研修医。

ワシントンでの司法解剖は『JFK』でも詳細な場面がありましたが、この処置場面は珍しいのでは。
コルセットを着けていたとか、下着はそのままでと研修医が指示したとか。
特に処置に失敗もなかったような演出でした。
看護師長がロッカーに持っていた十字架はそのままアーリントンへ行ったのだろうか。

オズワルドが運び込まれた時、看護師長が「ここでは受け入れられない。外傷2号へ」とストレッチャーを移動させたのは、ケネディーと同じ処置室になることを避けたかったからでしょうか。

シークレットサービスたちの白いシャツにもケネディの血が染められている。
車がER入口に到着して夫人の膝からストレッチャーに乗せたのは救急医ではなく彼ら。
警備をするでもない保安官たちの好奇の目に「よりによってこんな町で」と吐き捨てる。
空港にも警備らしき姿はない。
とにかくワシントンへと急ぎ、しかし棺を貨物室に置くわけにいかないと座席を取り払い、狭い入口の壁をのこぎりで切り、エアフォースワンに搭乗させる。
もうなにも出来ることはなく立ち竦む。
ひん死の治療の最中に持病の飲み薬を渡すことぐらいしかできなかった主治医も、もはや棺に付いた汚れを拭いてあげることしかできない。
初めて大統領を守れなかった彼ら。せめて尊厳だけは守ろうとする姿に打たれました。

興味深かったのは、あまり掘り下げられなかったザプルーダー氏とオズワルドの兄の事件の日から四日間も追っているところです。
現場を撮影してしまったことで、彼がどれほど運命も生活も変えられてしまったかが描かれました。
FBIが訪れて現像を迫る。しかし現像できるところがなかなか見つからない。
ようやく現像した映像は直接的には見せず、ザプルーダー氏のメガネに反射してかすかに見せているだけ。
事件の瞬間も彼の表情だけを追って、実際の映像は直接流さない。
これは現在私たちが見るあのコマが飛んだ不自然な繋がりの映像ではないものが存在していることも臭わせます。
彼にはFBIが付っきりなんですが、よくぞテープを強制的に押収しなかったなと。
ライフ誌が一番信頼できるからと直接会うんですが、その瞬間は使わないでくれと懇願する。
そんな間にもドアの隙間からCBSですニューズウィークですと交渉メモが投げ込まれる。
決定的瞬間が偶然記録されたからといって、世界中に流布するのが報道の使命なのか。
ここでも尊厳だけは守るべきだという主張がありました。

もうひとり一生を狂わされたのはリー・ハーベイ・オズワルドの兄ロバート。
パレードに浮かれ気味の職場にあってもひとり真面目に仕事に取り組んでいる実直な人柄。
突然、(不可解な速さで)弟の名が上がり、ただただ戸惑い茫然としてしまう。
とにかく家へ帰ると虚ろな姿の横に映るタイムカードのラックに、きっと毎日決まった時間に真面目に出社していたであろうことを窺わせました。

革命家と称し危険な言動のあった弟の、曖昧な態度に激高はするけれどそれすら空しく堪える。
リー・ハーベイに、やってないとも罠に嵌められたとも言わせていませんでした。
肉親にすら謎のままとした演出でした。

兄はどうしたらいいと保安官に尋ねて「名を変え土地を変える」と言われて愕然とする。
この兄役の抑えた無表情に近い演技も痛切。
盛大な国葬と対照的に侘しい荒野のような地を行く車列。
どの教会からも葬儀を断られ、シークレットサービス(演じるのが『24』でシークレットサービス・アーロン役を演じたグレン・モーシャワー!)が手配してくれた神父に埋葬の儀式をしてもらう。
(警官だけでなくシークレットサービスまでも付き添っていたとは)
我々は棺を運べないといわれ、遠巻きに立つカメラマンにおずおずと近づいて「棺を降ろすのを手伝ってくれないか」と頼まなければならない哀れ。
一目でこの兄もまた被害者なのだとわかるようすが、冷たい報道の視線すら動かします。
一人で土を掛けるのを見かねた作業員の男たちも手伝う。
他の映画同様、ソ連から連れて来た妻と幼子はそのようすしか写しませんが、この兄の姿を追ったのも珍しい。
名前も変えずダラスで今も御存命と最後に紹介されます。
その後、陰謀説が出てオズワルドへの容疑は薄れたとはいえ、その苦悩たるや想像を絶するものであったはず。
夕暮れが迫る中を漂うように歩いていくロバートの背に、それを感じさせました。

明確に提示せず、あくまで推理ものではない姿勢を貫いているのはフィルムだけではなく、「ジャック・ルビー」も見せない、クロンカイト氏の有名な死亡を伝える瞬間のニュース映像も出さず声だけ。
予告編には一瞬映る教科書ビルも、ディーリープラザの全体像も出さない。
象徴とされる場面はあえて排除していました。
当事者からの証言として得られたであろう事実しか出さない演出でした。
オズワルドは逮捕後の面会場面だけで他はジャック・ルビーに撃たれる瞬間のニュース映像だけ。
当日のようすはまったくなし。

事件に関わったひとびとの苦悩の感情を描くことでひとひとりの命が奪われることの大きさを表した作品でした。
そこにプロデューサーとして名を連ねたトム・ハンクスらしさも感じました。

エンドロールに流れるあのトランペットと打楽器だけの曲は葬送曲のよう。
確か『ダラスの熱い日』でも流れていたような。


映画
by august22moon | 2015-06-10 00:06 | 映画 | Comments(0)

心の底に

d0109373_22324117.jpg薄曇りのお休みの日。
まず『JUN kobo bakary』さんで















d0109373_22373390.jpgパンをいっぱい買って~
(下の小さな角食パンは新作のうぐいす豆と白あん入りの食パン。絶品でしたー)

















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d0109373_22582186.jpg『つきさむ』さんへ。
もう時間的に無理かと入り口で伺ったら、まだ残ってますとのことでラッキーにも6月のごはんがいただけました。



















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車麩のフライ、コーンとグリーンピースのポテトサラダ、グリーンサラダ、しらすを乗せた小松菜のおひたしは梅たれ。レンコンはですねぇ・・・とても美味しかったんですが何味というんでしょ
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デザートはスポンジケーキに生クリームとオレンジソースがかかって、オレンジとピーチが乗ったカップフルーツケーキ。
ほんのり甘味がとっても美味しかったです。
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d0109373_23103163.jpgかわゆすですねぇ

珍しく店内は奥さまグループが2組。
それぞれお子様の教育問題を熱く語ってらっしゃいました。
お声が大きめでしたので、どうしても耳に入って、いちいち頷いたり感心したり。
おかあさんはたいへん。














d0109373_23111270.jpgおかわりコーヒー。
ようやく聞こえてきたショパンに耳を傾けながらのんびり頂いていたら・・・
おやたいへんもうこんな時間。急がねば。

ごちそうさまでした。とっても美味しかったです。

『アトリエ tipi 』さんで以前購入したスカートの裾上げが出来たとご連絡を頂いたので、お寄りして。
素敵なブラウスの新作も頂いてしまいました。
ささ、急がねば。
所用を済ませて・・・











御殿場へ。
カーディガンをブラウスに、デニムスカートを裾上げして頂いたスカートに、それぞれ着替えて、『ロバギター』さんです。
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オルレアが満開。もうこの季節なんですね。
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涼しい日で、御殿場は一段と涼しく暖かいミルクティーが美味しい。
ごちそうさまでした。
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店内の書棚にあった雑誌『ku:nel』を見ていまして。
川上弘美氏の短編が連載されているのですが、これがすごく面白くかったです。
どうもこの作家の生物学科出身というバックグラウンドによる科学者的視点が苦手で未読ばかり。
その作品も『海石』と名付けられた生物が出てくるのでちょっと警戒しながら読み進みました。
苦手は払拭できそうにありませんがファンタジックな発想がユニークでした。

『ロバ』さんではいつもいろんな発見があります。
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by august22moon | 2015-06-08 22:14 | おいしいもの | Comments(0)

6月の花

d0109373_0265611.jpg前夜からちょっと痛かった喉が、朝になってかなり厳しくなっておりましたが、三島の商工会議所TMOホールで催されたイベントでランチです。
たいへんな人出で、周囲の駐車場はどこも満車。
少し離れた三嶋大社近くの駐車場でようやく停められました。

会場には、ドラマ『ごめんね青春』で使われたセットが置かれていて皆さん並んで記念撮影。
・・・置いてっちゃったのかしら?借りたのかしら?
















『ビアリッツカフェ』さんのフード4種。イベリコハム、オムレツ、牡蠣やあさりと野菜たっぷりのクラムチャウダーをいただきました。
このクラムチャウダーが絶品で、もう1杯テイクアウトしてしまいました。
お店でも出してくださらないかしら。
お昼間からいただくスパークリングワイン美味しいー。
アイスコーヒーはどこかのブースで。
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d0109373_2343698.jpg『ピッツエリア バール ディチョット』さんのワイン煮のシチューもいただきました。
おいしいー


















d0109373_0244275.jpgホールの中でも楽しそうな演奏が始まっていましたが、外でも軽快なアイリッシュミュージックが演奏されていました。
夏日でしたが風が爽やかで、気持ちのいい日にぴったり。




















『ビストロgawa』さんのブースではそれはそれは美味しそうなお肉が焼かれておりまして。
若鶏のスパイス焼きのカスクルートをテイクアウト。
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d0109373_05114.jpgおなかいっぱいなのに、『笹屋』さんの出来たてみたらし団子。
とろとろに柔らかくってとっても美味しかったです。

















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d0109373_0135439.jpg『フロイドカフェ』さんのテラスで『ノリさんのかき氷』のブースが建っていました。
大人気であると噂には聞いていましたが、初めて遭遇。
私たちが通りかかった時はちょうどお客さんが切れたところ。すぐに行列ができました。















d0109373_015186.jpgいろんな凝ったメニューが並んで楽しそうですが、その中になんと『鳥仙珈琲』さんのお名前を発見。これは頂いてみなくては。
しかし!きゅ、きゅうひゃくえん!?とお値段にびっくりでしたが・・・
















コーヒー注いで、氷入って、練乳注いで・・・と何段にも
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まだまだ続く。
で、最後にシリアルかけて、出来上がり。「スプーン刺すと崩れますから、上からがぶっといってください」
がぶっとですね、はい。で、すぐそばの公園のベンチに座ってがぶっ
ふわふわの氷で、コーヒーもしっかり味わえてとっても美味しかったです。
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d0109373_0251937.jpgと、かき氷を頂いていたら、目の前を以前お世話になった上司が通過。
久し振りの嬉しい再会となりました。




















白滝公園の桜川に川床が設置されていました。
しかしこの素材。外壁工事の足場に使われる金属ネット。これが案外揺れる。
体重制限はないかな?なんてちょっと怖々。
この日と翌日の2日間開催の「みしま花のまちフェア」のお花が飾られて、すぐそばでハーブティーのサービスもあって、素敵な休憩所になっていました。
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d0109373_0583513.jpg川沿いの歩道には今年も市内の幼稚園の園児さんたちが育てたペチュニアの鉢がずらーっと並んでいました。
鉢にはかわいい絵も描かれています。















楽寿園の中では協力企業が制作した花のオブジェが展示されていたんですが、時間がなくて断念。
来年はぜひ拝見しなくては。
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さて、帰路。
三嶋大社へ向われる新郎新婦に遭遇。しかも人力車。しかも新郎さまは外国人のかた。
なんて素敵なんでしょ。
暑い日でしたので和装はたいへんでしょうが、ほんとうにお美しい新婦さまで、この日一番の美しい花でした。どうぞお幸せに。  
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これは清水町辺りに咲くタイサンボク。  
おわかりいただけるだろうか
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この花の大きさが。
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d0109373_165065.jpgそれから、友人に贈る花をお願いするためにお花屋さんへ寄って、『weekend books』さんで美味しいコーヒーを頂きました。
ゆっくり本を選んで、小川洋子氏を1冊。

この頃からなんとなくしんどくなって来まして。
夕方に帰宅してぐったり。薬飲んで横になったまま全仏オープンの錦織戦。
日曜日に具合が悪くなるって厭なものですね。
週の始めから体調優れぬまま仕事するのは避けたかったので、早目に就寝。
翌日はなんとか復活。

by august22moon | 2015-06-03 23:06 | 出来事 | Comments(0)