d0109373_1454959.jpgようやく地元公開が始まったのにあっというまに上映最終日となったので行ってきました。
上映前の予告編やCMにいちいち反応しお喋りしてた同列席のカップルがいまして。本編では静かでしたが終わり近くになって男性の方が中座し、戻って来てエンドロール中ずっと笑い声とお喋りで余韻台無しですわ、もーもー。

リース・ウィザースプーンの主演映画をスクリーンで見るの初めてでした。
オスカーにもノミネートされたウィザースプーンが制作も兼ねた意欲作。

レイティングが15+なので、荒野でなにか残酷描写があるのかしらと警戒して行きましたが、母親を亡くしたショックから立ち直れないまま結婚生活もうまくいかず(優しいひとだったのに)自暴自棄になってどん底まで落ちてしまった女性を描いている部分だったんですね。
でも冒頭から、痛い痛いそれは痛いー!なR15にも匹敵する衝撃的場面で。
右足親指の爪がなんか疼いてくる気がしちゃったですよ。
シューズ片方落としちゃって、自棄になって残った片方も投げちゃう。
あーなんてことをー!せめて残った方は履いてなきゃー!
(私なら取りに戻る。何回でも登り直してやるー)
全行程、こんな危なっかしいのかしらと心配になりました。

母親の病が医者の宣告よりも急激に進行していき、最期は看とることもできないなんて。
病院は急変の連絡もしてくれず、いつもどおり見舞に来たらもう移植処置までされてたなんて。
しかもなんだあの冷やし方は!
ひとり寂しく逝かせてしまったと自分を責めてしまうのは当然。
明るい楽天的な母親だったからこそ、病魔に蝕まれてゆくのは辛かったでしょうね。

PCTって今作で初めて知りました。
宿泊所や街中の指定店で追加荷物を受け取ったり、給水のタンク(作品中では切れてたけど)があったりとシステムは完備されていますが、なんといっても荒野(Wild)。
岩山もあれば砂漠もある。場所によっては雪もある。急流もある。
配分間違えて水や食糧が尽きてしまうピンチはあったけれど。シェリルさん、よくぞ滑落も遭難もせず。
『In To The Wild』のように無謀な旅ではないのですが、なんといっても女性の一人旅。
途中、案の定な危ない男たちと遭遇しますが、よくぞ無事で。
無駄な荷物が多すぎたり(モンスターとからかわれた時に小振りなバックパックの女性が背後を通り過ぎるのが巧い)、テント立てるのに四苦八苦したり、燃料の種類を間違えたり、靴のサイズ間違えたり落としたりは、初心者ならではですが、一回T字路で迷うだけでルートを見失わず完全踏破したのは凄い。
靴を失えば急ごしらえで乗り切っちゃうほど逞しくなってゆく。
こうゆう体験は大きな財産になるんでしょうね。
ヒッチハイクの相手も幸運にもいいひとばかり。このトレッキングが根付いているんでしょうけれど。

道中、辛い過去がことあるごとに思い出されて、シェリルはそれらともう一度向き合っていくわけですね。
フラッシュバックする切っ掛けが絶妙。連想は思わぬところからやってくる。
自分も含め周囲のひとを傷つけた過去は消せない。生まれ変わることはできない。
雄大で厳しい大自然に相対することで、穢れが浄化されていくようです。
「2分おきに後悔」しながらも3ヶ月間歩くことを止めなかったのは、その先にしかない景色を見るためか。
随所に場面に合った曲が流れます。
(「Let 'em in」が流れたのはちょっと嬉しかった。懐かしきWings)
母親がくちずさんでいた思い出の曲、「コンドルは飛んでゆく」はトレイルコースの大自然にまさにぴったり。(叔母がこの曲好きだったんですよね。洋楽聴く機会なんてなかったでしょうに)
P・サイモンの歌詞はおしなべて哲学的な暗喩。それがことごとくシェリルの心情と重なります。
「釘よりもハンマーに」と心を奮い立たせたり。

森の中で、おばあちゃんと一緒のやけに畏まった言葉遣いのできる男の子が、無垢な天使の声で「Red River Valley」を歌ってくれる。
長く辛い道程を脱落せず歩ききったご褒美のよう。
ふたりと別れた後で、シェリルは初めて気力が尽き果てたように頽れて涙し「I miss you」と天に呟くのですが、これは誰のことだったのか。
あの日の自分になのか。ママになのか。きちんと愛を返すことができる誰かになのか。
ちらっと「God」と聞こえた気もしました。

S&Gふたりの声もまた天使のよう。
♪ Away, I'd rather sail away like a swan that's here and gone.
A man gets tied to the ground,he gives the earth its saddest sound.

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映画
by august22moon | 2015-10-31 23:42 | 映画 | Comments(0)

d0109373_21451970.jpg韓国の映画を全編ちゃんと見たのは初めて。
『JSA』も『シュリ』もちゃんと見てないですわぁ
ディカプリオがリメイク映画化権を取得しているとか。
たしかにこの国の映画には、練り上げれば更なる傑作が作れそうな素材が多いですね。

黒ずんで暫く使われた形跡のない(あの思い出したくもない映画みたいな)清潔感皆無のバスルーム。
窓を開けると煉瓦塀。(ニキータ?)
人の住むような空間ではない小さい窓ひとつの部屋。
流れる血の赤黒さ。
豪雨の中を走る車内で、号泣する女の子とその横で携帯に怒鳴っているジュンホを映し、音楽だけが叩きつける場面。(レオンっぽくなってきたー)
細く入り組んだ仄暗い急坂の路地など、印象的な映像です。
しかし。
容疑者を刑事部屋に座らせたまま!捜査会議に椅子が無い!刑事たち床に胡坐!
大怪我のはずなのに元気!張り込んでる女刑事が店の入口を見てない!風俗嬢なのに肝が据わってない!深窓の令嬢なみに気が小さく慎み深い!ジュンホがやたら大人数に掴みかかられて押さえつけられる!夜が長い!長すぎる!と、驚くことも多し。

接触事故をやり過ごそうとする男の挙動。そのシャツに飛んだ僅かな血。
壁紙に隠された絵の緻密な線。
窓の外のその先に見える十字架。
元刑事らしい感の働かせ方による展開は、少しずつ犯人の背景を炙り出し、ジャック・バウワーみたいに無駄な遠回りにはなっておらず、緊迫感は保たれました。
しかしそれゆえ作品が120分と長い。
ようやく辿り着けた時は既に遅かったとなるんですが、怒りを煽って効果的。
予想外の展開が次々に起こる起こる。
「犯人が来たら怖いからここに居てくれない?」とお店のオバチャン、その彼が犯人とは知らずに頼んで、金槌まで渡しちゃう場面はなかなかの緊迫感。
居てくれは分かるけど、もーオバチャンなんてことすんねん。もー
それにミジンさん、少しは抵抗とか反撃とかできんかったかなぁ

犯人ヨンミン役の俳優さんも、一見好青年っぽいところが、余計にサイコキラーらしさを醸し出せていました。
とにかく全てに救いのないだけのストーリーで、特に心に響くものもないのですが、映像のインパクトは見事。
この国の女優さんはみんな同じに見えちゃうせいか、最後の被害者となるミジン役の方はどこかでお見かけしたような韓流美女でした。

やさぐれた元・刑事が挑むサイコキラーの連続殺人事件というなら、特にリメイクとしなくても作れそうですけどね。
ともあれハリウッド版も楽しみですねぇ


映画
by august22moon | 2015-10-30 23:40 | 映画 | Comments(0)

d0109373_1285455.jpgえ~と
どうしましょう
面白くなかった・・・
途中で「帰ろう」と言われたら同意してました。

テーマ曲と西川さんの歌は良かったです。
宇宙空間に浮かぶハンバーガーショップ店内のシットコムときいて、これはきっとCG・VFX全盛のこの時代にわざとアナログなスペースコメディーをやるんだなという想像はできました。
でもシュールにも意図的B級作品にもなっていないんですよね。
どうしてこれでいいと思ったのか、不思議。

とにかく、笑えない。くすっはありましたけどね。
キャプテンソックスのトロさ加減をみんなが窓越しに叱咤する場面。
「神経質!」「今、獲れたじゃん」「確認すんなー」「こっち見んな!」(ほとんど香取さん)
大竹しのぶさん演じるハナが禁煙のキッチンで煙草くわえてるのを注意されて、「くわえてるだけ」。
やっぱり火を点けちゃって、「火、点けただけ」。
そして、浅野和之さんのマイム!これは可笑しくて面白かったです。
セリフは最後のひとことだけなのに、他の人が喋ってる背後で、自分が喋っているようにマイムしてるのが傑作でした。
存在理由はイマイチでしたが、なんとか作品を救いました。
唐沢さん出ればさらになんとかなったかしら。

綾瀬はるかさんがとにかく可愛くて。ババサヒブに鼻を舐め返そうとするとこと、リフォームの夢を語るとこ、サンバっぽいステップするとこは特に。自然な可愛さが在りました。
確かに綾瀬さんの食べ方は可愛い。『鹿男』での朝食やかりんとうの食べ方もそうでした。
主人公のノアが、妻の浮気疑惑から始終不機嫌というのも面白いとは思いました。
ハンバーガーの食べ方云々というなら、最後に映ったズズのちまちました食べ方もツッコめばいいのに。
優香さんは発声が良くなりましたね。舞台経験の賜物か。

個人的好みの問題で、厭な部分が多かったです。
窓のツバ、切手を舐める犬も厭。
お食事処とは思えぬ、ババサヒブの特性。
ムタとイルマの場面。
メンデスの全ての自分勝手なお騒がせ行動。
悪趣味といっても過言ではない。不快感すらありました。
これらのどこを笑えと?
つまらないものだから、それぞれの話が冗長に感じました。
ハトヤ隊員の失恋話はまぁ別にいいのですが、ちょっと平凡。
先にコーヒーを単品でオーダーして、後からセットだったことにできるかとか、隊長の飲み残しのコーヒーを飲む伏線は速効回収されはすれど、いいアイデアだと思いました。
キャプテンソックスの登場で笑ったお客さんがいたのですが、先にびすとろすまっぷで見ちゃったんですよね。あの安っぽさは笑いどころなんでしょうけど。
ノアとハナが無駄に長い商品名を繰り返す一連の応酬は、ライブの舞台では言い間違わないかの緊張感が出たでしょうが、やり直しのきく映画ではスリルは発生しないですね。
逆に咬んじゃったNG場面を使ったら笑えたかも。

群像劇には、それぞれの運命が交錯して、最後にベクトルが重なりあうのが醍醐味でしょう。
宇宙空間という自由度の高さが反ってアダとなったか。最終的に皆が団結する一点が弱い。
群像劇とは言いましたが今作は登場人物が比較的少ない。
個々の話がつまらないので余計にそう感じました。
店が寂れかけてる設定だからでしょうけど、なにかの偶然で多くのひとが訪れるとかすればいいのに。
回想シーンの劇場観客役にあれだけ沢山の異星人を出したのに。
エピソードをもう、ふたつみっつよっついつつ・・・詰め込まないと。
西田敏行さんも勿体ない起用。
段田さんも構想を練ってるだけで、もう少し店の存続の脅威とならないと、存在する意味がない。
大竹しのぶさんが叫んだところで決め手にはならないですわ。
エンドロールで再度見せるってことは、監督としては「大女優にここまで演らせた」思いがあるのでしょうけど。

結局、宣伝が最も面白かったですね。


映画
by august22moon | 2015-10-30 22:06 | 映画 | Comments(0)

マジックワード

d0109373_21312623.jpg三島の中央町大通りで、ハロウィンパレードが開催されました。
友人の子や職場の先輩のお子さんが参加するので出掛けてみたのですが・・・




















す、凄い人です。
参加応募者が2000人だったそうな。びっくり
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参加各店舗がお菓子を用意して子供たちを迎えています。
凝った扮装で、逆にお子さん号泣させてるオバケもいました(笑)
あちこちから「とりっくおーとりーとー」の元気な声が聞こえてきます。
中には言いだせなくてモジモジしてる子も。
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『ビアリッツカフェ』さんの前に人が集まっているので、マスターさんもしや扮装してる?と近づいたら、ご自由にお持ちください状態でした。な~んだ(笑)
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そこへ、仮装クオリティ高いファミリーが!
かっこいー!外人さんというだけでかっこいー(笑)
おもちゃの兵隊さんは銀紙で包んだ銃も担え筒姿勢でお持ちです。
リアル・エルザもおいでですよ。ちゃんと三つ編みもして完成度高し。
思わず「your majesty」。
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先日の三島バルで伺った『chigiri』さんは、それはそれは素敵なデコレーションでした。
ハリー君もラプンチェルちゃんも大喜び。
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暑さもあり追いかけ疲れて、パレードが始まるまでの時間を喫茶店で一服したり、NPO法人グラウンドワーク三島が出店している街中カフェ「せせらぎ源兵衛」さんでひとやすみしたり。
ちょっと塩の効いた皮に粒あん入り。揚げたてあつあつを頂きました。これ美味しい! 
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ベイダー卿が従えてるストームトルーパーの衣裳はほんものですよ。凄いわぁ。
なぜか引っ張り気味で先導してるのはハン・ソロ船長。
他にも茶色いマントで腰にはライトセーバーを下げたクワイ・ガン・ジンなのかオビワン師なのかがいらっしゃいました。
大人気のダースモールでしたが、同じくらいお子さんたちに大号泣されてました。
ルパン氏は主催者スタッフさんでパレード進行に大忙しです。
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この近辺で数少ない喫煙場所へ行ってみるも、申込み受付所になっていて利用できず。
ま、この日ばかりは仕方ないですね。
隅っこにスクリーム氏が写りこんでるってちょっとなんか・・・ナイスな感じ?(笑)
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私の子供時代は海の向こうの馴染みのないお祭りでしたが、こうして各地で恒例化してゆくのかな。
お子さんたちにとっては楽しい思い出がひとつ増えるわけですね。
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で、今宵は見事な満月。
みなさまも週末は楽しいハロウィンを~ってなにするのか・・・(笑)
カボチャでも煮ましょかね

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by august22moon | 2015-10-27 22:09 | 季節 | Comments(0)

d0109373_06575.jpg映画館マナーのCMがころせんせーでしたー。ぬるふふふ

途中で地震があってびっくり。病室へ亜豆ちゃんがお見舞いに持って来たお花を最高くんが受け取って脇へ置いた直後。震度2だったようですが、3はあったんじゃないかと。
セリフ聞き漏らしましたわよ、もー

原作もアニメも知りませんが、ジャンプ男子によると「最後に秋人が差しだした手を握手しないで叩いたのは、『スラムダンク』へのオマージュ」なんだってゆうんですが、ほんま?
他にもジャンプファンなら解るネタがいくつかあるのかもしれませんね。

2人の担当となる服部役の山田孝之さんの好感ぶりがとてもいい。
リリー・フランキー氏の海千山千ぶりもなかなかの巧さ。
甥と知ってから微妙に変わった視線もよかった。
病室でのようすも、同じようにこれ以上追い詰めてはいけないという心痛が感じられました。

久し振りの等身大の役どころと思いましたが、健くん、もう26歳だったんですね。
全員ワインなのにひとりだけオレンジジュース渡されて苦笑してたのがついこの前のことのよう・・・。
声も仕草も安定して、無垢なきょとん顔も種類が増えたし。
経験に勝る神木くんとも渡り合えていたのでは。
(『20世紀少年』で最後にお面を上げて見せたあの表情をまたなにかサイコパス役なんかで見せてくれなかしら)

作品が仕上がっていく状況をプロジェクションマッピングで表したり、ライバル作家への対向意識をイマジネーション映像で表したりと、机に向っているだけの絵に陥らないようにユニークなアイディアが施されていました。

染谷将太さん演じる作家の、人を食ったような個性が自然に表現できるのはさすがの巧さ。
「らじゃーでーす」なんて惚けてみせるふてぶてしい自信家の裏で、彼なりの闘争があることが分かりました。
編集会議のようすも面白い。
「あり」なんて素っ気ない言葉が運命の鐘なんだ。
周囲の大人たちに翻弄され「自分たちらしさ」を見失ったり、続けるべき理由への突っ走り方なんて、まさに青春映画。
若者たちの直情が、瑞々しい感性が、眩しいのでありました。
スタッフロールが凝っていて面白かったです。

作家氏たちが不満を訴える、「アンケート至上主義」ですが。
毎週毎週、切手代プラス投函の手間もかかるんですから、ネット投票になったところで読者の声は確かに判断材料としては重要。
しかし、いったい販売部数の何パーセントが送られてくるんでしょうね?
当の作家にしてみたら、腑に落ちないところもあるのは当然。
編集部がそれで判断する以上、その勝負に「諦めたらそこで・・・」と挑み続ける作家たちの姿が描かれます。
敵は「少年ジャンプ」自体であるとしていても、その闘いに少年ジャンプのテーマ「友情・努力・勝利」と謳い、病身を押して作品を仕上げようとする最高を助ける作家たち。
少年マンガ雑誌はこうしてまた若者をそのテーマの下に育てたわけですね。


映画
by august22moon | 2015-10-26 21:24 | 映画 | Comments(0)

♪ 花の名前をすべて

これは先日撮ったんですけどね。雪、溶けちゃってます。
昼間は陽射しが強いですもの。
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でも確実に秋ではあります。
着るものに困る秋であります。
朝晩は肌寒いのに昼間は25度前後まで上がるので、まだ綿のカーディガンにインナーはTシャツかタンクトップという状態です。
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d0109373_21112136.jpgさてさて。
そんな服装で出掛けたら、ちょっと肌寒かった日。
用事を済ませまして。




















d0109373_21173039.jpg『ロバギター』さんです。






















d0109373_21192098.jpg温かいホットスパイスミルクティーの美味しさが際立つ季節です~

宵闇の降りる速度も上がる季節。
外はあっと言う間に暗くなってしまいました。
静かに過ごすお客さんたちの間を愉しく力強い歌詞の曲が、ゆうるりとすり抜けていきます。
















本日のスイーツから
「ブルーベリークランブル バターケーキ」もいただきました。
たいがいメニューは即効で決まる私には珍しく、ワッフルと迷ってしまったのですが、これとっても美味しかったです。
さくさくクランブルの食感が楽しいケーキでした。ごちそうさまでした。
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あ~気持ちよかった。

タイトル : 『ロバ』さんで流れていた歌に、確かこんな歌詞が・・・
by august22moon | 2015-10-25 21:30 | おいしいもの | Comments(0)

d0109373_21522265.jpg「左手に告げてはならない」

『桐島、部活やめるってよ』の吉田監督作品。
(角田光代氏作品はほんとうにタイトルが秀逸)
主人公梨花を演じる宮沢りえさんの、罪悪感と緊張感で疲弊してゆく表情や怯え戸惑う時のセリフが印象的でした。

我に返って買い物の山の前で佇んだり、会計の際に予想外の高額で驚いたりしてるのに、それを光太の笑顔に紛らわしてしまう。(池松くんの無垢な笑顔では納得ですけど)
犯罪を犯す土壌がまた脆いものだから、箍が外れたように大胆になっていき、金額は膨らみ続ける。
時計、服、バッグ、車、マンション、大型ワインクーラーに入りきらないワイン・・・なんでそんな嬉しそうな顔ができるのか。見ているこっちが苦しくなってくる。
彼女の過去がまた問題。
海外の水害被災地への寄付に、「与えるほうが幸いである」の喜びに、親の財布からお金を盗んでまで寄付するようになる。
シスター(お声が素晴らしい!)の訓戒にも、それのなにがいけないのか納得できる答えを与えられないまま大人になってしまった。
そして彼女の宗教が出来上がってしまった。
最初に光太にお金を渡して喜ばれた後、あの日の讃美歌が甦ってくる。

光太の変化がいかにもという感じで巧い。
態度が不遜になってくる。言葉遣いもぞんざいになって遠慮がなくなる・・・。
テラス席で陽避けパラソルを移動させる。こっちへ寄れば?と梨花が言っても近づこうとしない。
会計の時には寄りそっていたのに、離れてタバコなんて吸っている。
封筒に入れて返してきたお金も、角の折れた札を無造作に置くようになる。
予兆はあったし覚悟もしていたけれど目をつぶってしまう。
で、崩壊は遂にやってくるわけですね。
赤い靴っていうのがベタすぎますが。

茫然自失になっているところへ、先輩社員にあたる隅より子が掛ける言葉がまたぞっとさせる。
「渡るの?渡らないの?」
横断歩道を渡らずに立ち止まっているのを訝しんだだけにはもう聞こえない。
すべての言葉すべての視線が今や、千のナイフ。

雨の電話ボックスで消費者金融に電話する場面。
200万と言ってから、絞り出すように出した「いえ・・・3千万・・・」が辛い。
また応対の声が妙に明るく軽くて事務的で。それが残酷。

憐れみはいらないと突き放す梨花に
「あなた惨めなの?」「そこに座って、惨めな人間だって思うのはあなたのほうなんじゃないの?」
このより子のセリフがすごかった。いい思いをしてきたんじゃないか、と。
20年以上の勤務実績すら評価されずでも生真面目に誠実に生きてきた女性の孤独を表現して小林聡美さん巧い。
お金で転落してゆくひとをごまんと見てきた人だから言える言葉かもしれない。
「お金じゃ自由になれない」
「あなたが行けるのはここまで」

梨花が打ち明ける真情がどうにもすっきり理解できない。
偽物なんだから壊れてもいいどうなってもいい。初めて自由になれた、とは。
罪を犯して得た自由ってなんだろう・・・
崩壊してゆく震動を感じながら幸福に浸れるのかしら。

「一緒に行きますか?」
彼女の宗教はまだその胸に灯っていたのだ。
銀行の2階から脱出し、走る梨花の姿は逃げているのではなく、追いかけているよう。
「行くべきところへ」と。
梨花の横領はもみ消されたことを表して窓ガラスは修復され、何事もなかったかのように日常業務が戻っている。

あの日の少年は娘もいる青年となって市場で果物を売っている。
転がり落ちた青いリンゴを拾って両腕いっぱいに抱える少女に、残りの1個を差し出す。
持ちきれない少女は受け取らない。
青年も受け取らず、どうぞと言ったようだ。あの日のお礼のように。
充分とはいえない寄付や援助だったかもしれない。
それでも青年は自分の足で立って、自分の持てる物の中から「与える」ことができるようになっている。

禁断の実を頬張る梨花は、大きな赤い花柄のリゾート服で、逃亡犯にはとても見えない。

梨花がどうなったか、どうするつもりなのか観客に委ねるエンディング。
でも「行くべきところ」は十分想像がつく。


映画
by august22moon | 2015-10-22 21:30 | 映画 | Comments(0)

65年作品。
昭和28年(1953年)に徳島で起きた殺人事件。所謂「徳島ラジオ商殺人事件」を基に再審支援に名を連ねた開高健氏の小説『片隅の迷路』の映画化。
85年に無罪判決が下された時、支援者のひとりであった瀬戸内寂聴さんの「無実」の文字が、怒りの炎のように見えたのを今でも鮮烈に記憶しています。

原作が発行されたのは66年に冨士さんが仮出所する前、まだ戦いの真っ只中の62年。
ラストは冨士さんにあたる山田洋子が独居房で闘い続ける覚悟の言葉で終わります。
それから32年間という気の遠くなるような長い長い闘争があるわけですが、その闘いが報われる日が来るのかも分からない頃に制作されています。
冤罪告発に映画人も立ち上がったのです。

犯人として冤罪で逮捕され13年の実刑を受けた被害者の内縁の妻・洋子の無実を証明するために奔走する甥・流二(福田豊土)の姿を中心に描かれています。
洋子役には冨士茂子さんの支援者のひとり奈良岡朋子さん。
最初に内部犯行説を説いた山口検事役は新田昌玄氏。
新田氏は徳島出身で、冨士さんの追悼講演会の司会を務めたそうです。

どの冤罪事件の作品でもそうですが見ていてただただ暗澹たる気分にさせられます。
(特にこの事件は、再審請求が冨士さんの存命中に間に合わなかったという事実も含んで)
理不尽と虚偽に怒れば「気の強い女だ」「亭主殺しもさもありなん」と疑惑の目を向けられる。
DNA検査も科学捜査もない時代。
当たり前の現場検証もおざなり。
出世に逸る若い検事の推論だけで事件の真実が形成される恐ろしさ。
この時代特有の演出もあったでしょうが、若い検事山口が持論を展開する時は能面のようなしかし強固な意志と熱意を持った無表情がクローズアップで映されます。
それを聞いている他の検事の中には、冷静にそしてやや訝しげに耳を傾ける者もいる。
そのひとりが大滝秀治氏なんですが、後に自白強要の疑いが報道されると、「大丈夫かね?君。」と冷やかに立ち去る姿に、決して「検察一体」ではない奇々怪々さが見て取れました。
しかも形勢不利とみるや人権擁護局員だけでなく、当の山口検事までが地方に飛ばされてしまう伏魔殿ぶりたるや。

勝手な推測と偏見であることは自明の理なのに、なぜそれが裁判で覆らなかったのか。
まだ「疑わしきは被告の有利に」などという人権擁護の時代ではなく。
強要と暴力でもって罪のないしかも被害者を、強引に犯罪者にしてきた暗黒の時代であったことが、被害者一家のみならず関係者一同の悲劇。
まるで、誰でもいいから早く事件を終わらせたいだけかのよう。

洋子の甥である浜田流二が、一族の中から立ち上がります。
検察に気押されて脂汗を拭うようすは頼りなげですが、帰宅してから心配する竜子(殺された山田徳三の先妻の娘)らには、なにも悪いことはしてないのだから安心しろ検事には適当に交わしておいたと笑顔を向けながら、竜子たちに見えぬように沈鬱な表情となりながら両腕にしっかり幼いわが子を抱きしめていたところに、この男の決意が表れていました。

流二は、重要参考人となったふたりの店員を探して飛びまわり、時には和歌山のダム工事現場にまで向います。
それだけでなく沼津署に犯人と名乗る男が出頭したと聞けば沼津へ飛び、その足で東京の新しい弁護士へ報告に行くなど東奔西走。
悪評から店の経営も危うくなったためか、貨物の荷降ろしの仕事で家計を支えながら。
焦って証言を引き出せば、逆に自白強要をとられるのも警戒してるとはいえ、穏やかなその風貌と笑顔で宥めすかし焦らず説得し懇願する姿に、頑なだったふたりも遂に心を開いていく。
福田豊土氏の人のよさそうな笑顔は、不信感と恐怖と後悔に苛まれ傷ついたふたりを温かく許す包容力がありました。
「ぼくもう転ばんさかい」。
ようやく別人のように晴れ晴れとした笑顔を見せた坂根に、肩の荷が少し降りて「いっちょ、踊るか」と列車内で冗談を言って坂根をさらに笑顔にさせるのも、それからのさらに続く暗黒の日々を知っている側としては、辛いところです。

瀬戸物屋を営んで来た平凡で真面目な男が、一夜の内に殺人事件に巻き込まれた一族の存亡を賭け、「軍隊のような検察」を相手に、徒手空拳で偽証した証人を再び証人の椅子へ導いてゆく、その艱難辛苦の道程を映し取ることで、被害者一族の名誉回復の執念を描いています。

映画
by august22moon | 2015-10-19 22:25 | 映画 | Comments(0)

冬を少々

昨日、初冠雪だったもよう。
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朝晩冷え込みますものね。
でも昼間はちょっと動くと汗ばむような陽射し。
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パウダーシュガーをまぶしたようですね
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by august22moon | 2015-10-12 23:23 | 季節 | Comments(0)

第7回三島バル

d0109373_10301559.jpg今回は93軒の店舗が参加。商工会議所で開催されるバル村では11の店舗ブースが参加しての開催でした。今年は土日の2日間開催されるうちの土曜日に行きました。
曇りで涼しかったのですがブラウスでちょうどいい陽気。
















d0109373_10365487.jpgバルを周る前に、お昼間営業だけの『蕎麦 宗』さんへ。
裏バルですね。



















カウンター向いの厨房の壁には全紙版3倍はあろうかという地図が貼られて、Giro di Minami-Alps の文字。ロードバイクライダーでらっしゃるご主人が主催されたツーリングmapでした。

清水町の卸売団地道路を公道コースとして「クリテリウム大会」が開催されていて、ご主人も参加されているのだとか。走行中のお写真も見せてくださいました。
コーナリングのかっこいいお姿!黄色のジャージがマイヨジョーヌみたいと思っていたところ、意図せず黄色を選んでしまったら「これは優勝しなきゃ」と周囲に言われてしまったとか。
楽しいお話しを伺いながら新蕎麦を美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。
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d0109373_11273724.jpgさて、バル1軒目は『ビアリッツカフェ』さんへ伺おうと決まったのですが、まだ開店まで少し時間があるので、『cafe リマ』さんへ。
2軒目以降もまだ決めてなかったので作戦会議。



















予定時間より30分近く遅れて開店です。開店待ちの行列ができていたので、あっと言う間に満席。
今回はチケット2枚分のプレミアムバルメニューのみ。
ラクレットグリルが用意され、溶けたラクレットチーズを乗せて、お好みでブラックペッパーをミルで挽いて頂きます。
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じゃがいもはほっこり。そのまま頂いても充分美味しい。
赤と白のワインも美味しくいただきました。ごちそうさまでした。
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近くの蓮馨寺さん境内ではライブステージや店舗ブースも設けられていました。
すっかりハロウィン仕立ての結婚式場送迎用オースチン。
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さて、2軒目はプラザホテルの近く、文盛堂書店さん隣りの『chigiri』さん。初参加店。
今年2月にオープンした「器と暮らしの雑貨」のお店。
店名のchigiriは契りではなく、「木と木の接合箇所の補強やテーブルの天板の割れ止めなどをする、日本古来より匠の技とされている千切り止め」という手法からきているそうです。
今回はバル特別企画で限定カフェとなったそうです。
石畳の両脇は芝と草で覆われて大通り沿いとは思えぬ心和むアプローチです。
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店内のデザインがあまりに素敵でうっとり。奥の中庭へ通じる扉は開け放たれて、その高さが1m2-30cmの低さ。天井はかなり高いのに。
中庭のさらに奥に天幕で仕切って厨房を設え、その低い扉を潜って出入りされるのです。
芝の緑が美しい。路地側は高い黒塀。
通常はカフェではないのでそこを行き来することはないのでしょうが、茶室の躙口か能楽舞台の切り戸口のようで趣を醸し出しています。
なんて素敵な空間!

バルメニューのドリンクはダージリンとシードルをチョイス。
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和栗のスコーン、クルミのキャラメリゼ、りんごのコンポート。
添えられた生クリームにはジンジャーシロップという凝ったもの。
とっても美味しかったです。このままカフェでもいいのになぁ・・・でも17時までだからなかなか伺えないけど。
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三嶋大社前にある「大社の杜」へ。
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15軒の店舗が集合するこの施設内でも5軒が参加しているので、その中から『イタリアンダイニングtsujimaru』さんへ。
初めて伺いましたが、おしゃれなテラスです。冬や雨の日はどうするのかしら。
すでに陽は落ちていましたが、風もなく寒くはなかったです。
バルメニューは砂肝・チーズ・生ハム・チキンと・・・イカのなんとか
とっても美味しかったです。
まだビールを飲んでいなかった!と生ビールで。
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最後の1軒は、初参加のバル『otro』さんへ。
ビルの2階が店舗ですが、1階入り口から行列。階段を1段1段進みながら結局50分ほどで入店。
初参加のお店は大概が大行列ですが、だいぶお腹いっぱいになっていたので待ち時間があってちょうど良かったです。
バルメニューは2種。豚バラのオーブン焼きはとろける柔らかさで焼き目も芳ばしくてとっても美味しかったです。
もう一皿はニンジンとパプリカのピクルス・スペイン産生ハム・サーディンとオリーブのおつまみ。
赤と白のワインでいただきました。とっても美味しかったです。
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蓮馨寺さん境内でインディーズバンド「ミシマ」のライブもあったのですが、既に終わった後でした。
残念。ファンに囲まれているメンバーを発見。
昨年よりもカッチョよくなってる!さらにあかぬけた感じになってるじょーと離れたとこからニマニマ。
メジャーでも通用する歌とビジュアルですから、メジャーデビューできるといいねぇ
と、ぽんぽこのお腹を抱えて帰宅。
その後、雨が降ってきて昼まで降り続きました。

by august22moon | 2015-10-11 23:50 | おいしいもの | Comments(0)