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幸福な光景

三島で開催される『花のまちフェア』へ。5月らしい気持のいい風が吹いていましたが汗ばむほどの陽射し。
三嶋大社から広小路駅までの参道で、パレードが行われることはあちこちに設置された立て看板で知っていましたが、『ビアリッツカフェ』さんや『ディチョット』さんのブースでランチするのが目的でパレードは見ないつもりでした。
ところが友人から、「三島、ディズニーシーパレード来るってよ」。
シー開園15周年の記念イベントで全国15都市のお祭りに参加しているそうで、俄かには信じられず、当初は「ホンモノが来るのか?」。
しかもHP上では「海や港にゆかりのある15都市を」。三島、海ないのに・・・だ、だいじょぶなの?
沼津でも静岡でも浜松でもなく、三島市がプレゼンに勝利したということでしょうか

10時開始の30分前に着くと既にどの路地にも人、人、人・・・みなさん沿道に向かっているようす。
早朝に場所取りしていた方も多かったようで、沿道は物凄い人。交差道路の歩道にまで人だかりで、身動きもとれないほど。
パレードは時間通りに始まって、まず市民吹奏楽団や地元高校の吹奏楽部が通って、30分ほどしてパレードの来る方角から、歓声ともどよめきともつかぬ声があがって、みっきーさんたちの乗ったドリームクルーザー登場です。
目の前の男性が今まで抱っこしていた赤ちゃんを肩車されたので視界が半分になっちゃいましたけど、なんとか見えました。
ランドの方へは昔、社員旅行と招待で2度行ってますが、三島で見られるなんて信じられない思いで、わ~みっきーだぁ~と見送ってしまい慌てて撮ったお背中。
ディズニーファンというわけではないんですが、それでもみっきーのあの笑顔。ものすごいパワーですわ
その昔、思わずみっきーさんの腕に触れてしまうという大失態を思い出し、夢の国の住人さんたちはこうして見上げるほうがいいと再認識。
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沿道周辺に万遍なく応えて、立ち位置を替える。絶妙なそのタイミング。
どんな瞬間を切り取っても隙のないポージング。
プロフェッショナルなお仕事ぶりです。

見ているだけで幸せな気持ちになれるって凄いことですね。
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d0109373_15375988.jpg目の前の赤ちゃんのむにむにした腕が可愛い~(笑)





















d0109373_1723949.jpgこれは友人のスマホショット。
おわかりいただけるだろうか この人だかりを。
そしてその中から振られるお子たちのちいさい手を。これが平和というものなのかもしれません。

夜の地元ニュースでは、6万人の人出があったとか。
俯瞰で撮った報道写真を見ると、こんなに歩道広かった?と驚くほどの大観衆。
前日と翌日は雨が降って、パレード当日だけ皐月晴れでなにより。
因みに赤信号の下に辛うじて見えるのがみっきーさん。









d0109373_11321843.jpgこちらも小さいですが
みっきーさんのタイタニックポーズ
まさにking of the world
















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さてさて。その後は商工会議所ホールで開催の「美食の広場」へ。
向う途中で、消防車出動(結局は誤通報)があって、まだ人混みでごった返す路地はちょっと騒然。

クーラーの涼風の下、『ビアリッツカフェ』さんの牡蠣やアサリたっぷりのクラムチャウダー、イベリコ豚の生ハム。『ディチョット』さんのミートソースペンネを頂きました。ひゃ~美味しいよぉん
汗だくになったのでビールが美味しいですこと
昨年はこの富士の雪解け水の湧水流れる白滝公園の桜川に川床が設けられていたのですが・・・予算がパレードに回ってしまったのか(笑)
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それから芦ノ湖へちょいとドライブ。涼しい風に吹かれてきました。
芦ノ湖湖畔に、ルリビタイジョウビタキかっ!?と慌てて撮りましたが、イソヒヨドリですかね?
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by august22moon | 2016-05-30 23:14 | 出来事 | Comments(0)

レニー・エイブラハムソン監督作 『ルーム』

d0109373_196552.jpgカナダの制作会社の作品だったんですね。
ようやくの地元公開で場内盛況。予想以上に心に残る作品でした。
「The Room」ではなく四角で囲って記号のようにしたのが、この部屋の持つ意味を表しているようです。

被害者にとって、犯人が逮捕されて終わりなのではなく、それから更に長く辛い再生のための生活が始まるのだという観点で作られた作品です。
監禁生活と救出されてからの生活の、描き方のバランスがとてもよかった。

それにしてもあまりにあっさりと、犯人がジャックの死を受け入れたのは意外でした。よかったけど。
利発な子とはいえ、動かないでいられるか、HELPと書いたメモを通りかかった人に渡せるか。緊迫の場面。
初めて見る広く大きい空を愕然と見上げるショットは、ほんとうに印象的です。
トラックの荷台からのジャック目線のカメラワークがよかった。
動体視力が未発達だから走り去る風景も人も捉えられない。
(そんなに荷台から乗り出したらミラーに映っちゃうって!)
母親と犯人以外の人間と接触したことのないジャックが思うように動けないのがもどかしいのですが、この場面は手持ちカメラなのか、ジャックや通行人の目線で撮られ、緊迫感がありました。
せっかく荷台から降りられて通行人に助けを求めたくても、初めて見る他人に近づけない。
(ヘルプが言えない!)
しかしこの通行人の機転が救い。ただ事ではないと察して声をかける勇気のある人だった。しかもジャックが差し出したメモにも気付いた。「その紙はなんだ!?」
(よくメモを差し出せた!えらいぞジャック!)
警察が来るまで、かけてくれたコートの下で縮こまっているジャック。
初めての雨に濡れながら、目の前にはママが教えてくれた「木から落ちた葉っぱ」。あの天窓に貼りついていたのとは形の違う「落ち葉」。それが初めて触れる「ほんものの世界」。

救いとなる人が多く登場するのもこの作品の特徴。そこがとてもいいと思いました。
世界は広くて恐いこともあるし悪いおとなもいるけれど、それ以上に世界は美しく喜びに満ちて、温かく優しい人も多いんだよと、この子供に示しているようでした。

ひとまず署へと言う相棒を制して、子供から少しずつ情報を導き出して、(しかもジャックの記憶力が正確!)監禁場所の地域を特定し直ちに急行させた女性警官。(お手柄!昇進間違いない!)
どれくらい経った頃か、普段通りに声をかけてくれる隣人。
その息子なのか、遊んであげるように言われてなのか、アラン君も遊びに誘ってくれて。
(ボール蹴ったらシューズが飛んでっちゃうのも可愛い)
退院してきた母親に抱きつくその後ろで、ボール持って小首傾げて見ているアラン君をピントぼかしてフレーム内に入れてる演出も細かい。
母親の再婚相手のレオ(トム・マッカムス)も素晴らしい。レオ、いいひとで良かった。
子供の扱いにも慣れている。ジョイと母親の諍いにも口は出さない。
多分、犬が切っ掛けで誘拐されたジョイのために他所へ預けたであろう愛犬も、興味がありそうと知るやこうゆう犬を飼っていると先に情報を与えておいて、頃合いを見計らって連れてきて、「飼ってくれる?」。
なんていいひとなのー

子供は吸収が早く柔軟だと言った医師の言葉どおり、見る側も驚くほどの変化と成長。
階段もスムースに降りられず、狭い空間やクローゼットの中に居たがり、他人とコミュニケーションがとれなかった子が、表情もすっかり明るくなって走り回り、お隣りさんに「ばぁばとパンケーキ作るのー」と大声で言えるようになる。ここはちょっとびっくり。
遂には、おばあちゃんに感謝を込めて「アイラブユー」と言えるまでになったのにはさらにびっくり。
この言葉の、なんと大きいことか。心打たれる感動。
カメラも廊下からの引きで撮って、扉のわくが額縁のよう。名場面でした。

ジョイの自室の壁に、若き日のディカプリオのポスターが貼ってあるんですね。レオのファンだったからジャックと名付けたのかな?

ジョイを演じるブリー・ラーソンも、絶望と子供の成長による安らぎの間で揺れ動く心情が見える、オスカー納得の見事な演技。
父親である犯人に子供の誕生日は教えない。ケーキに気付いて後日買って来たプレゼントに苦々しい思いを隠せない。「犯人は父親ではない。私だけの子供」と母やインタビュアーに答える。子供に罪は無いと心に刻みつけるまでの長く遥かな時間をいかに苦しんだか。
この最も難しい部分を、ラーソンは全身に沁み込ませて表現して説得力をもたせていたと思います。

ジョイは「部屋」の中で、子供が心身ともに健全に暮らせるように細心の注意を払い続けるんですが、それは彼女にとって外の世界をさらに遠いものにしている。きっと何度も脱出を試みたであろう天窓を、呪わしく見上げる疲れ切った表情が巧い。
洗脳もされなければストックホルム症候群にも侵されなかった。恐怖と屈辱の日々の中で必死に自我を支えて闘い抜いた。それなのに、心無い言葉に傷つけられ、子供とは逆に、奪われた日々を取り戻すどころか、あの「部屋」に囚われ、追われ続ける。
そんな母親に向けてジャックは、念が籠っているからと切らせなかった髪を切って、お守りがわりにと贈る。
早く帰ってきてと駄々をこねていた子が、母をその苦しみから救おうとする。
帰りたがっていたあの「部屋」へ、行こうと望む。
彼にとっては生まれ育った場所。習慣だった部屋中のものへの朝の挨拶を、別れの挨拶に変えてなぞっていき、母親にバイバイしてと促す。
(卵の殻は破壊しないと外の世界へは出られない。『デミアン』のように)
ちゃんと男の子に育ってる。
きっとこの先、父親のことを考える日が来ても、彼なら乗り越えていけるだろうと思わせました。

ラストシーンで、この納屋を後にする母子の上に雪が降ってくるんですが、予算不足で人工雪を使えず諦めていたところ、本当に雪が降って来たのだとか。
「誰かが開けてくれるのをドアの前で待つ」ことをせず、自らドアを開け、取り戻すために闘うすべてのひとびとへ、贈られているようでした。


映画
by august22moon | 2016-05-27 23:00 | 映画 | Comments(0)

吉村昭著作 『高熱隧道』 新潮社刊

高熱隧道

吉村昭 / 新潮社



先日読んだ本にちらっと出てきて、だいぶ昔に途中脱落のままになっていたのを思い出しました。

映画『黒部の太陽』は、通称くろよんの黒部第四ダム建設の為の隧道掘削が舞台。
こちらはさらに下流の第三発電所建設のための軌道トンネルと水路トンネルの掘削におけるドラマです。
あちらは熊谷組の破砕帯の出水との格闘が描かれますが、こちらは佐藤組がモデル。温泉湧出地帯による摂氏160度台にまで上がった熱水との死闘が描かれます。
大型掘削機もない時代。資材ひとつ怪我人ひとり運ぶにしても人力。
何百人もの死傷者を出しても、国策事業であるがゆえに止めるわけにはいかない。
事故の連発に当初は警察から事情聴取も受けるんですが、そうのち被害者へ御下賜金が下附されるとなってはもう誰もこの死の代償をはらう工事を停められなくなってしまう。
昭和11年当時では国策というより軍事ですね。黒部の谷は地獄の戦場だったわけです。

工事の遅れを取り戻すのに越冬してまで挑んでいるために、数百年に1度しか起きないであろうといわれるほど稀な、泡(ほう)雪崩に2度も襲われるんですが、この雪崩のメカニズムが恐ろしい。ほぼ爆発。
専門家の判断を元に建てられたコンクリート5階建ての宿舎が一山越えて飛ばされ崖の岩棚に叩きつけられていたほど。
しかも2度目は地形的にも雪崩は起きていない。その証拠に樹齢300年余の巨木も背後にあったのに。木造であったために火災も起きて、遺体の判別がつかないほどの大惨事。

作業員はただただ高額の賃金のために耐え忍んでいる。
物語は作業指揮に当たる佐藤組の責任者の目を通して描かれるので、この過酷極まりない現場で人夫たちの声は聞こえてこない。
事故は自然の猛威によるものであるから、皆ただただ堪えている。これが痛切。

2度目の泡雪崩の後しばらく経って、ほとんど損傷のない遺体が発見される。
バラバラの遺体を行方不明の人数分揃えたはずだったのに!
この‘ひとり多い’遺体の処理について、作業員たちが自分たちの行く末を突き付けられたようにみるのは必定。
先の事故で、本人判別不能と受け取りを拒否したために保険金が支払われなかった事例から、炭化して誰なのかも分からない遺体の一部ですら引き取っている。いまさら誤認があったとはいえないので、仕方なくこの遺体を山中に遺棄する。
この無情な措置の後、佐藤組の技師たちは、作業員たちの目に初めて遺恨を見るんですね。

遂に水路トンネルも貫通しそうというところで、ダイナマイト紛失事件。
それまで反乱も事件もなかった現場に、ここで初めて戦慄が走る。
否、それまでにも偶然を装ってハンマーやノミが身体を掠めて落ちて来たこともあった。
トンネル貫通の歓びも束の間、人夫頭に「現場を離れたほうがいい」と進言され、立ち去ることにするんですが、坑口に向かうまでが衝撃的でした。
累々たる遺体や泣き叫ぶ遺族たちの姿が蘇り、背後から作業員たちが追ってきそうな恐怖の中を坑口へ逃げるように歩いて行く。
熱水や熱風の対策に奔走したり、ダイナマイト自然発火でばらばらになった遺体を黙って揃え繋ぎ合わせ遺族対面のためにと白布を巻く処置までし、自然発火対策に竹や氷を使うよう研究し、自ら灼熱の切端に進み出て安全性を訴えたりと、この地獄の戦場で共に戦った兵士なのに。
背後に迫る呪詛を感じながら逃げるように下山せざるをえないとは。

ただ賃金の為に闘い続ける人夫たちと違い、建設会社の技師たちは隧道貫通の先になにがあるんだろう。達成感だけなのか。完成した発電所やダムを見上げて何を思うんだろう。

事故で破損した遺体や熱水による作業員たちの熱傷など、目を背けたくなるような描写も、吉村氏独特の詳細ながらも冷静な視線で残酷さを煽ることなく描写されています。
そのフィルターを通しているからこそ、4年にも及ぶ死闘が尚一層迫ってくるようでした。

d0109373_17183362.jpg詳しい周辺地図が見たいなぁと思っていたところ、『つきさむ』さんにありましたー。ヤマケイの山岳地図。
くろよんダムから仙人谷ダムまでの距離や、地図上に残る「高熱隧道」やこの隧道建設のために開設された「旧日電歩道」など確認できました。
画像も検索してみましたが、「岸壁をコの字型に掘られただけ」なんて恐ろしい山道もありました。ここを数十キロの資材を運んで歩いたなんて信じられない幅員。
現在は登山ルートとなっているその断崖絶壁の道を歩いてらっしゃる方もいて、愕然。

この過酷な物語の感想に、ガトーショコラとコーヒーの画像というのも如何かと思いますが・・・
因みにブラジル。男子バレー行くぞリオ!みたいなね。きりりと美味しゅうございました


本・読書
by august22moon | 2016-05-25 23:00 | 読書 | Comments(0)

「Weekend Song」

あちこちで紫陽花が咲き始めました。
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半日仕事や所用で午後も遅い時間になってしまいましたが、『ロバギター』さんへお茶しに。
なんか離れて置いてありますが、いつものバターリーミルクティーとホットスパイスミルクティーをいただきました。
それから、いつものようにウトウトしてきたので、おかわりでコーヒーとラズベリーカフェオレ。
今度は寄せてパシャリ。
ラズベリーカフェオレって、時折ふいに甦ってきて飲みたいなぁ~となるお味です。ごちそうさまでした!
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d0109373_0133891.jpg窓際には、音楽好きのオーナーさんらしいLPレコードのプレーヤーが置かれています。
先日の「古本市」で私も見かけたのですが、オーナーさんもその時に見たのが切っ掛けのご購入だそうで。
これなら、保存してあるLPアルバムが聴けるなぁ。クイーンとかウイングスとか、友人がなぜか譲ってくれたアイアンメイデンもあるんですよ。

この時かかっていたのは、ビリー・ジョエル74年のアルバム「ストリートライフセレナーデ」。
「ピアノマン」の翌年の作品ですが、まだ声が若い。

他にもエルモア・ジェイムスなんてあって、かっこいいー












d0109373_0201631.jpg『ロバ』さんで出会ったアーティスト「ちばえん」さんの個展が静岡市鷹匠の「PILOTIS」で開催されるそうで、ご案内を頂いちゃいました。




















d0109373_19251769.jpgスイーツ食べると夕飯食べられなくなっちゃうからと我慢したにも関わらずやっぱり無性にケーキが食べたくなって、確かこの辺りにあったはず・・・あったー! で、「Endroit Palais(アンドロワパレ)」さんです。

人気店のようで、店内お客さんいっぱい。早く頂きたくてぞんざいな写し方。
しかし、女子バレーに夢中でいつの間にか飲むように食べ終わってしまうという最悪な結末。

by august22moon | 2016-05-23 23:33 | おいしいもの | Comments(0)

ガス・ヴァン・サント監督作 『追憶の森』

d0109373_12222593.jpgカンヌでの低評価やアメリカでの公開未定という情報から、いったいどうゆうところが問題なんだろうかと、先に感想を読みました。しかしこれがまた様々で、余計にどんな作品なのか予想がつかないまま見ました。

冒頭から、M・マコノフィーの虚ろな表情がアップにされますが、作品中、どアップが非常に多い。シルエット気味になってもどアップ。
バニシングポイントを見つめる遠い目で、虚ろに透き通った男の佇まいが抜群に巧くて惹き込まれました。
空港を東京の喧騒を茫然と歩く姿勢、向い席の乗客にもただならぬようすが分かる、ぬけがらの姿。
場所を決めて森の木々を見渡して、満足気に小さく頷く。
このマコノフィーの演技を見ているだけで満足できる作品でした。

新幹線の車窓から見える富士山が、ぼんやりとそこに在るのかも判然とさせないのは良かったと思いました。

渡辺謙さんの役どころについては、徐々に判明していく形なんですが、マコノフィー演じるアーサーは最後まで気付かない。
外国人同士という距離がそれを気付き難くしているんですね。
妻の名前が「キイロ」なんて言われても、そんな名前なんてキラキラネームでも存在しな・・・するか?
(だからオムレツ選んだの?)
タクミの発言はそれ以外にも悉く正体を示す伏線となっているのに、霊魂や煉獄を説いても「私は科学者だ」と一蹴するし、妻と子供の名前を教える時の表情は完全に意図を持っているんですがアーサー見てないし。
時には「ヘンデルとグレーテル」のヘンデルをハンサムと発音ミスのほうに気を取られさせている。
妻がタクミの姿を借りてアーサーに接しているのに、妻とはかけ離れた風貌の男にして、正体をぼやかしているんですね。
謙さん、日本人としては体格いいほうだし。華奢な男とか女性にしないんですね。ガス・ヴァン・サントだから?

アーサーは既に薬も飲んでいるのに、他者に邪魔されるのを避けて移動しないどころが声をかける。
ついさっき通って来た道が閉ざされていて愕然とする。望んでいたことなのに。
森から出ようとする過程で、寒さを避けるため他の自殺者の服を脱がせたり焚き火をする。
夜の寒さ。洞窟に流される。崖からの落下。チャンスはいくらでもあったのに。とりあえずこの男を脱出させようとではなく、もう生きることしか考えてない。
亡き妻が彼を、生へと導いて救っていたということなんですね。あなたは病室のベッドで死なないでとは言ったけど、ここじゃないし今じゃないし!とね。
また、彼の中にも生への未練がまだ残っていたのかもしれない。
その変化が自然に受け止められて、そこはマコノフィーの巧さなんでしょうね。矛盾には映らない。
テントに映るタクミのシルエットを、一瞬妻に見えてもいいのではと思ったんですが、ずっとタクミでしたよね?

日本人として見ると、様々「日本じゃない」感が必ず出てリズムを狂わせられるのですが。
ハイキングの服装でもない男が樹海の入り口らしき、鳥居のある駐車場前でタクシーを降りた時点で、運転手さんが通報しないのかな?バスは使えなかったか
遠景はロケされたようですが、タクシーの後部ドアが自動開閉でないので、もう日本じゃないと気付いちゃう。
ケン・ワタナベの助言も振り切ったのか、レンジャーの監視塔?に風鈴なんて下げてたのも見落としませんよぉ日本人はぁ

自殺に相応しい場所としてネット検索してすぐに青木ヶ原の樹海が出る。
日本人には名所として刷り込まれていますが、日本との関わりもないアメリカ人が、なぜそこに惹かれ選んだのか。そこがいまひとつ説明不足。その海原のような原生林の画像に惹きつけられたところは、その演技の巧さで理解できました。
でもそれだけでは、ずいぶんと短絡的決断に映ってしまいます。
肝心の切っ掛けをもう少し描いてもよかったのではないでしょうか。

樹海の中は携帯の電波もけっこう届くそうですし、コンパスも使えるそうです。
深部に入ると、昼なお暗い原生林というのがよく知られています。溶岩の上の森なので木の根が盛り上がっているし、倒木や折れ枝が多く、そこに苔がいたるところに生えている。
広大な森ですから、国道沿いや自然歩道周辺のように明るい場所もありますが、霊魂の漂う怪しさが削がれてしまったことは事実です。
しかし、誠実な演技がそれらを越えている部分は、確かにありました。

成仏するとそこに花が咲くって、漱石の「夢十夜」のようで、その表現は美しさが在りました。
可愛らしい蘭のような花も、安堵の頬笑みをもって迎えられそうではあります。



映画
by august22moon | 2016-05-20 23:51 | 映画 | Comments(0)

目印

さすがに耐用年数の限界がきたのか、最近PCの漢字変換が妙チクリンです。
胃の血(命)也才(野菜)雪や間(雪山)・・・はああ?です。
以前は度々、「好み」が木の実となって手こずりましたっけ。

さて、これは先週伺った『つきさむ』さんの5月のごはん。
メインはおからハンバーグ。野菜たっぷりのカレー風味のソースが美味しゅうございました。
デザートはオレンジとキウイオンザロールケーキ
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ダイコン・茗荷・紫蘇の浅漬け・グリーンサラダ・ブロッコリときゅうりの胡麻和え。
ゆで卵で喜ぶおばさんです。
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d0109373_193529.jpgこの日は蕾のあじさいが飾られていました。
このお店らしい控えめな花あしらいです。ケメックスに活けちゃうところがいいですねぇ

遂にこのお知らせが出てしまいましたよ。
6月16日から10月まで夏季休業。
オーナーさんがお山へ行く時期が近付いて来ました。
1年があっと言う間。早いですね~としみじみ。
長期間閉めておく為の準備がまた大変なのだそうです。














これはまた別の日。
この日は母の祥月命日にちなんで、母の好きだったモカを頂きました。
最近『つきさむ』さんでは、豆の焙煎から始められて、ストレートコーヒーも数種類始められていました。
当日午前中に挽いたので明日になるともう少し落ち着くんですが、と仰っていました。
酸味も苦味もほどよく、甘党の私がブラックで楽しめました。
「落ち着いた」珈琲も頂いてみたいな。
用事を済ませてから行ったので遅いランチのような早目のお夕飯のようなポテトサラダサンドとピザトースト。おいしー

コーヒーの横に少し見えているのは、槍が岳付近の折り畳み地図。
先日読了した、「いまだ下山せず」のルートを改めて見たり、NHKの「日本百名山」の再放送で見た山小屋の位置なんて見ていました。行かないのに。
オーナーさんの使われた地図なのか、山小屋の出発時間や山頂到着予定時間が書き込まれていました。
TVに映ったのこの山小屋だーとか、ここからここまで4時間もかかるんだーとかね。結構楽しい。行かないのにね。
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d0109373_1443993.jpgお店の前に置いてある植木の枝には赤い細布が縛ってあります。帆布のようなしっかりした素材です。
先の本の中にも、救助に向かう仲間たちが、雪山でルートを見失わないように、枝に目印として「赤布」を縛っておく描写があって、この布の意味が分かりました。
「あかふ、って言います」とオーナーさんに教えていただきました。
また来てね、ってことかな?

by august22moon | 2016-05-20 22:34 | おいしいもの | Comments(0)

佐藤信介監督作 『アイ アム ア ヒーロー』

d0109373_2259020.jpg97年位から『どうでしょう』を見ている、多少「藩士」な私には、おーいずみさんが主役を演じるだけでまだまだ感慨深いものがありますわ。

漫画雑誌編集者役で高橋洋さん登場。ふたりの洋さんついに共演です。
ブログで高橋洋さんがこの共演について言及されていますが、おーいずみさんのことを、「いつも自然体」で、「役と自分」の「境目のようなものがなさすぎて感心してしまった」と。
ほんと、どんな役でも後部座席で愚痴ってた頃のままなのだー。

原作は未読ですが、顔立ちを似せるために眉毛太く書いてるのね。
夢の実現のために何も出来ずにくすぶっていて甲斐性もない。彼女に「それは夢じゃなくて妄想」と罵倒されて返す言葉もない。図星だから。
「世界がひっくり返っても」ふがいないままの男が、どう立ち上がりどう闘うかというお話し。
最後の陸上部員は3発だっけ?とすると地下通路に来たゾンビは93人?弾が足りてよかったよかった。
なぜこの男が散弾銃所持するほどクレー射撃が趣味となったのか、どれくらいの使用歴があるのかの説明があったほうが良かったんじゃないでしょうかね。銃の扱いに慣れていることがご都合主義的にならないように。・・・原作にはあるのかな?
今だ射撃場で1発も撃ったことないのか、クレーの最中だけが強い男でいられ腕前はいいのか。
それになぜ職場に戻ったのかも、説明が欲しい。警戒はしてるけど。

奇態描写や黒い血の色を見て、何かに似てるなぁどこかで見たなぁと思いながら見ていました。
エンドロールで監督の名前を見て(忘れてた)、ああ、『GANTZ』か!と気付きました次第です。
あの星人たちの描写と似てますね。ラスボス的不死身の陸上部員なんて特に。
アップになるゾンビの造形がそれぞれ違って、瞳だけでなく、皮膚までも凝ってますこと。ウイルス感染だからなの?従来のゾンビのようにシンプルメイクじゃない。撃たれた時の頭部の破壊されかたも細かい。これはマニア受けするでしょうね。

気弱な部分を残して「どいて下さい!」「どいてー!」はよかったな。命令口調にならないところが。
叫ばず、小田の持つトランシーバーから声が聴こえるのもよかった。
終わってみるとバンデミックホラーばかり記憶に残るんですが、そんな中でも笑わせどころがあるのは珍しいですね。
ゾンビ目の前にして、「ひろみちゃん、出番」と小声で起こすのと、ロレックスは笑えたー
高橋洋さんがおべっかで売れっ子作家のロレックスを褒めたのを憶えてたわけだね。それが命を救ったのだけれども、取りすぎよー

守ると立ち上がった瞬間はふたりにとってのヒーローとなったけれど、殺し終わってみればそれは雄姿ではなく、カタルシスもない。ラストマン・スタンディングはただ殺人者の姿。
だから後部座席であの表情。

半覚醒のレプリカントみたいな制服姿の女子高生が森の中で座ってるという画はシュールだけど、生々しくないこの女優さんがやると可愛らしい風景。
アイドル女優の枠に入るひとですが、よくいえば安定感があると言うか、わるくいえば初々しさがないと言うか危うい魅力がないというか。毎朝のように見ていたせいで見慣れてしまったってことかしら。
長澤まさみさんは、闇を抱えている雰囲気が巧く出ていて、大人のかっこいい女風。
複雑な過去を持っていそうな看護師さんて、それだけでドラマ性があります。
喫煙場面があるのは珍しいですが、一段落してほっとしたところを表すには最適の小道具。臆せず使っていいのでは?

・・・とりあえず弾丸の補充しないと、だね。


予告編で、なんか尻尾がやたら長い『シン・ゴジラ』。
悔しさ押し殺しているかのような横顔の、高橋一生さんがちらっと見えました


映画
by august22moon | 2016-05-19 23:00 | 映画 | Comments(0)

「希望なんか語らないよ」

d0109373_1214276.jpg今年2月の『ハムレット』が最後に観た蜷川作品になってしまいました。
初めて蜷川作品を体験したのは04年の『タイタス』初演。
当時の私にとっては与野本町は遠く、知人に強く薦められてようやく重い腰を挙げたのでした。
観劇した日は楽日2日前。上演中に購入したのに座席は運良く2列目の通路側。
終演後の駅への道で、真冬の風が頬に当たって初めて、頬が紅潮しているのに気付きました。
その前にジョナサン ケント氏演出の『ハムレット』を2回観ただけで、まだ観劇も3度目という頃でした。
血で血を洗う復讐劇という激しい内容であったこともあるのですが、舞台上の隅々にまで張りつめて迸り投げつけられる激情を、全身に浴びたようで、ただただ打ちのめされてしまったのでした。
そして、再演『タイタス』の千秋楽のあの大歓声。
あの日の感動は忘れられません。あの場にいられたことがまだ夢のようです。

「終電なんか」。どこかでそんな発言を聞きました。
終演時間を気遣った演出などしないと。
チケットを購入してから、上演時間を知って愕然としたことが何度もありました。
うっかりソワレなど購入してしまって、終演後には駅まで全力疾走。東京駅に着いて尚全力疾走。
『リア王』『真田風雲録』ではやむなく途中で席を立たなくてはなりませんでした。
くそぉーせめて開演時間早くしてよー明日の仕事は休めないんだよーと心の中で悪態をつきながら。
マチネでも、急用で電車に乗り遅れ与野本町の駅から劇場までの坂道を走ったこともありました。
開演時間に遅れると通路演出が終わるまで客席に入れないので、必死。なんとか間に合って席についてもしばらくは汗だくでお芝居に集中できない始末。
蜷川作品は観客にも、容赦ないのでした。

蜷川さんの葬儀にあたって、愛弟子ともいわれ「生んでくれた」と感謝する藤原さんですら「憎しみ」という言葉を使ったのを聞いて、その激烈な闘いが具象以前に存在したことを改めて知りました。
いったい、デビューを飾り、自分の出演していない舞台さえ必ず観劇し、師弟関係といわれる役者と演出家にどれだけの鬩ぎあいがあったのか。
命を賭して幕を開けていたような舞台を多少なりとも目撃してきたことは幸運でした。

なんの舞台後だったか、トレードマークの黒いシャツ姿で、颯爽とガレリアを歩いていく姿が思い出されます。
まだ興奮冷めやらぬ観客の間を縫って、一瞬見えたその横顔には、ほくそ笑んだような笑みが見えた気がしました。

通路の途中で芝居をしたり、舞台奥の扉を開けたり、二階席からアジビラよろしく世界各国の国旗をプリントした紙を撒いたり、舞台上で稽古風景を演じさせたり、ホワイエにまで役者さんたちが練り歩いたり、水や泥の上で芝居をさせ観客にもその飛沫を浴びせたり。
第四の壁どころか、共犯関係にされたよう。
民主党の街頭演説やヘリにかき消される三島の演説や救急車のサイレンを流して、古典の中にある普遍性を強調したお馴染みの演出は、劇場から発信される叫びや怒号が街を駆け抜け社会を震わせた時代を、失うまいと蘇らせようとしているようでした。
あの時代の、湿度を持った熱と暗い寂寥と冷徹な攻撃性を、若い世代に突き付けようと、檄を飛ばし挑発していた舞台ばかりでした。

そこに私は、ほんのひとしずくの、希望と名付けられるものを、観ていた気がしました。

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by august22moon | 2016-05-18 23:00 | 観劇 | Comments(0)

ルベツキアングル

こう撮ってみたくなるのは、
心に刻まれていたということなのでしょうね

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by august22moon | 2016-05-17 23:30 | 出来事 | Comments(0)

ウェス・ボール監督作 『メイズランナー』 wowow放映

最近はテニスのグランドスラムのみならずATP全ツアー中継を欠かさず見ています。妹が特に錦織ファンだからなんですが、私もフェデラーやバブの試合は見たいからなんですけどね。
週末には準々決勝以上の試合があるので、リアルタイムや当日再放送で見たい妹は週末に呑みに行けなくなってしまいました。
わたくしとしましては、その間のドラマも放映映画もツアーの合間にちゃちゃっと見てしまわないといけません。試合によっては決勝の2日後に次の大会が始まることもあるのでタイヘンです。

d0109373_15261139.jpgさて。映画館で予告編を見た時は面白そうだと思っていながらの未見作品。
もっと迷路を駆け抜ける場面があるのかと思ったのですが、巨大迷路が主たるテーマではないのですね。
迷路というのは国策の比喩なの?
こうゆうSF設定はたいていツッコミどころ満載で、今作もご多分に漏れず、なんですが。
ともかくニュート役のトーマス君があのアニメキャラのような可愛さを失うことなく成長していて、一安心。
大概の外国人子役くんは、大人になるにつれ顔つきが逞しく変ってしまうので。よかったよかった
『レヴェナント』にも出演していましたが、『ナルニア』のユースチフ役ウィル・ポールター君も、彼もそのまま変らず成長した感じ。

ざっと感想を書いておいて、あとでじっくり書くことが多いんですが

特にこれ以上はございませんね

by august22moon | 2016-05-16 23:00 | 映画 | Comments(0)


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