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トム・フーパー監督作 『リリーのすべて』

d0109373_1723439.jpgこの作品も3ヶ月遅れでようやく先週から地元公開が始まりました。

予告編で『ファンタスティックビースト~』。
古き佳きイギリスの風景がこれほど似合う若手俳優さんはいませんが、そのうちコパーフィールドとがドリアングレイなんかも演じちゃうんじゃないでしょうかね
ゲルダを演じるアリシア・ディカンダー(ディキャンベルって読み方のほうがいいな)はスウェーデン出身なんですね。アカデミー賞でのドレスは「ベル」みたいと称賛されていましたが、あれ、スウェーデンのナショナルカラーって意味ですよね?とEURO16見ててようやく気付きました次第です。


玩具箱のように同じ小さな窓が並ぶカラフルな外壁の建物。運河沿いの市場。整然とした可愛らしいコペンハーゲンの町並みに対して、アイナーとゲルダが住むアパート室内は、まだ若く裕福ではない夫婦の部屋としても殺風景でしたが、その分、変化してゆくふたりの姿が映えました。窓からの光りもやさしい。
衣裳合わせするダンサーをチュチュ越しに撮った画の美しいこと。

画家であることがゲルダという女性にとって大きな意味があるわけですね。
彼女の持つ画力が、無意識に夫の隠された部分までも描きだしてしまった。目の肥えた美術愛好家にはそれが感じとれてしまったんですね。モデルとなった女性の奥底にある何かを。
彼女の能力が、図らずも「リリー」もよって目覚めさせられた。それを彼女自身も少なからず驚きを持って知ることになるこれは、リベラリズムってことなんでしょうかね
苦しんでいる夫をこれ以上傷つけたくない。しかしこのまま進めば、自分は捨てられるのと同じ。浮気されるほうがまだましだわねぇこれじゃ。
開放されるや大胆になっていき、「リリー」として活き活きと外出されたりすると、利己的に見えてしまうんですよね。ただ、そのところをアイナー自身も分かっているのか、公園で冷やかされ殴られた後に向うのは妻の元ではなく、友人ハンスのところなんですね。
この夫婦にとっての救いが、この理解ある友人たちがいたことですね。つかず離れず支えてくれている。どれだけ救われることか。

手術を受けるために出発する駅の場面は、ゲルダにとっては夫との今生の別れ。
アイナーにとっては希望への旅立ちでも、妻にとっては、こんなに残酷な別れはないわけだし。
ゲルダの辛さが胸に迫りました。
列車の中で嬉しさを隠そうとしないのを見せられるとね、やっぱり身勝手に見えてしまうんですよね。
2回目の手術まで間を置かなくちゃいけないのに、生き急ぐように直ぐに2回目の手術受けるなんて言うし。その為に薬の用法容量守らないし。ったく

ゲルダは、支援するパートナーというより、母親のように見えてきました。

1回目の手術を乗り越えた後、デパートの香水売り場で働く「リリー」。
パリに住んでいたことを活かしなさいと上司に言われ、はにかんで俯くところが巧い。
「パリではパヒュームは身体につけません。空中に吹いて・・・潜ります」
・・・これは、お客さん買っちゃうね
この場面、香水瓶越しの画も美しい
遂に「Danish girl」になれて、女性同僚たちと談笑しながら退社するさまも、なんと幸せそうであることか。

簡単に整理のできない問題に悩み惑い続けるアリシア・ディカンダーが巧かった。
繊細なガラス細工のようなエディ・レッドメインに比べて、自ら人生を切り開いていこうとする逞しさが感じられました。

いつか夫から渡されたスカーフが風に飛ばされたのを掴もうとするハンスを停めて
「このまま飛ばさせてあげて」。
この時のアリシアの、感情が溢れ出た表情が素晴らしい。
ようやく彼は自由になれたのだという涙の中に、夫婦のままでいたかったという涙は混じっていなかったのかな

フィヨルドの上を舞う絹のスカーフは一瞬、かもめのように見えました。



映画
by august22moon | 2016-06-24 23:00 | 映画 | Comments(0)

堤幸彦監督作 『天空の蜂』 wowow放映

d0109373_15103495.jpg公開時に躊躇しているうちに見逃した作品です。
犯人の「痛みを伴わない想像力は、ただの甘い夢にすぎない。想像してみるがいい、ダイナマイトはいつも10本とは限らないことを」という予言は、20年前は想像すらしなかった現在に突き付けられると、単なるエンタテインメントと受け取らせないちからがありました
しかもその声明文が公にされずに葬られるというのも、「安全神話」という言葉が過ります。
CG技術に関して批判も多いようですが、邦画としてはあれ以上求めるのは酷だとね、思うんです。作り手側が見せたかったのはそこだけではないでしょうし。

三島の背景ですが、どうして親より先に消防のレスキューが到着していないんでしょう。学校側が警察沙汰を躊躇して通報が遅かったということかな?
まるで昼休み終わったんだから早く教室へ戻りなさーいみたいな教師の口調にはゾツとしました。あれが意図的演出だとしたら、なんともおぞましい。
三島が「新陽」の屋根で墜落するビッグBを両手を広げて向える想像の画を、息子を受け止めようとしたその瞬間と繋げたのは、彼の慟哭と絶望が見える、印象的なシーンとなっていました。

共犯者・雑賀も被爆しているという設定なんですかね?犯行以前に既に心身ともにぎりぎりの焦燥感があって、彼にとってはもう死に様しかないんですね。アパートから逃亡し車に飛び込むまでがよかったです。こうゆう刹那的な役が似合いますね。

刑事たちの地道な捜査のようすが丁寧に描かれています。聞き込みに回り、名簿の名前をひとつづつ当たり、そこにベテラン刑事の感が働くってところは、巨大ヘリや原発の近代的な描写と対照的。
アジトまで迫ったところで自衛隊の捜査員に阻まれるけれど、犯人確保に刑事の執念を見せるあたりも物語に奥行きが出ました。

共犯となってしまう三島の恋人の赤嶺淳子も悲劇的。
利用されているだけかもしれないとと気付いていても離れられなかった。汗を拭くことも乱れた髪を直す余裕も失せた陰鬱な表情。使われない航空チケット。乱暴に切った髪。哀しすぎる・・・

クライマックスの、自衛隊ヘリに2名も自衛隊員が同乗しているのに、コントローラーを向けるのがエンジニアである必要性は?訓練された空曹ならスキッドに立ってもっと身を乗り出すことも出来たでしょうに。
これも主役氏の見せ場を作るため?
主要登場人物が皆さん安定の演技であったのに、肝心の湯原に関する全てが浅く嘘っぽい。この俳優さんは体格も風貌も主役の華はあるけれど、臨場感が湧かないんですよね。
公開時に見るのを躊躇ったのはこのためですが、今回見て、やはりという印象です。


映画
by august22moon | 2016-06-23 23:00 | 映画 | Comments(2)

「で できている」

風にも最高気温31度の熱が混じって、海もすっかり夏色になった日。
営業最終日の『カフェ つきさむ』さんでランチ。
セットのコーヒーは、先に酸味が走って後から苦味とコクが来る。あれ?これなんだっけ?
一通り頂いたのにコーヒーそれぞれの特徴なんてもうワヤになっていて、あれこれ言い合った挙句、悉く外れてました。
オーナーさんにっこり笑顔で「違います~タンザニアです」。てへ

2杯目はモカをいただきました。
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それから、静岡市鷹匠の『PILOTEIS(ピロティ)』さんで開催の、グラフィックデザイナーちばえんさんの個展「 TODAY'S VIKING」を拝見に行きました。
入り口ドアにはお伊勢さんの注連縄。店内はお香が焚かれて、なんだか別世界です。

スタッフさんのご了解を得まして店内を撮らせていただきました。
右側のピンクの壁にはコラージュ。左側の黒い壁には、ヴァイキングの兜をモチーフに描かれた作品が豪奢な額縁で展示されていました。
ちばえんさんの作品にはアヴァンギャルドな筆もあるけれど、寺山や唐の時代を思わせるような作品ではなく、平熱を残されようとしているみたい。
ヴァイキングのモチーフは、テリー・リチャードソン作品にインスパイアされてとスタッフさんのご説明がありましたが、拝見した写真集は挑発的でストレートな見る者を弾き返すような強烈な描写。
ちばえんさんの作品は、少女のような肢体に不釣り合いな武装通商団の兜で表情も隠されて、そこはかとなく畏怖も漂ってきます。
さまざまに想像を掻き立てて、いつしかこの少女の背後に立っているような錯覚に陥りました。

ちばえんさんは、横に振れるだけではないメトロノーム「で できている」みたい。
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d0109373_14293663.jpg戻って再び『カフェ つきさむ』さんへ。
最終日とあって、皆さん駆けつけられたようで、てんてこまいであったであろう痕跡が(笑)
我々が居る間にもお友達や常連さんが次々と訪れてらしゃいました。
















クリームチーズロールケーキをブラジルで。シナモンガトーショコラをタンザニアでいただきました。
「もう何もなくなっちゃった」と、夏季休暇前に在庫一掃できちゃったもよう。
2杯目には、辛うじて残っていたオレンジジュースと、エチオピア。
美味しくいただきました。ごちそうさまでした。

山荘へ出発する日は、予報ではあまりお天気がよくないらしく、ちょっと困った表情のオーナーさん。
道中のご無事と、楽しいお山暮らしを願って、また秋にお逢いしましょう。
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d0109373_1603419.jpg今年の父の日ケーキは、ほんとうに久し振りに『TOPS』にしました。
相変わらずのいい飲み物っぷりです。















d0109373_16104183.jpgタイトル : ちばえんさんのコラージュ作品の中にあった言葉。
様々な素材を融合させた中に、断定の活字が目を射るのでありました。

by august22moon | 2016-06-20 22:00 | 出来事 | Comments(0)

ジョディ・フォスター監督作 『マネーモンスター』

d0109373_16434914.jpgちょっと疲れちゃって居眠りしちゃわないか心配だったんですが、スリリングでテンポもよく、面白かったです。

J・フォスター、もう映画監督4作目なんですね。
ジョージ・クルーニーが財テク番組司会者で、番組冒頭ではおねーさんたち従えて踊ったり、「さあ、リングに上がれ」なんてボクサースタイルで煽るクレイジーさは、まるで「ウルフオブ~」のようですが、軽薄なノリでエンタメ化させても、彼が演じると嫌らしさを感じない。スタッフも困惑するようなアドリブ満載っていうのも彼の洒脱さに似合ってる気がします。
電話で「アイアコッカだ」とふざけて応えていたので、ゲイツってだけでも人をくったようなのに、合成したんですね。

株で大損した青年カイルがねぇ、もう気の毒で気の毒で。妻に説得されるどころか罵倒されて人格否定までされて、愕然とするところなんて哀れで。
確かに遺産を使い果たしただけでなく、一生掛かっても返済しきれない巨額の借金を抱え込んでは逆上も仕方ないですけどね。
演じるジャック・オコンネルって多分初めて見たんですが、とてもよかったです。
根は普通の好青年って感じなので、尚更ラストが悲痛。
アメリカじゃ、撃たれちゃうか・・・

生放送中のスタジオに銃と爆弾を持った男が乱入して生放送どうなる!?ってだけでなく、ディレクターのパティがスタッフに情報を収集させて、個人が8億ドルもの損失出したのが「アルゴリズムのバグ」が原因ではなく、アイビスキャピタルのCEOキャンビーの画策によるものであることが判明していくまでがスリリングで面白かったです。
道路封鎖のロケも敢行してダイナミックな見応えも出ました。

パティは、イヤホン通して犯人を刺激しないようにリーにアドバイスし、カメラアングルを指揮して、生放送のアクシデントを乗り切る。
J・ロバーツは、さほど抜け目ないやり手な雰囲気は出してなかったですが、この前代未聞の事態に、視聴率と反響が念頭になかったとは言い切れない。

スタジオカメラマンも、爆弾の危険の中を最後までカメラを離さない。リーと同じようにどこまでカイルに同情的になっていたかは判らないんですが、居たたまれない様子で外へ出るけれどカメラは現場の床に置いていく。しかもONのまま。このカメラマンを追っているのが珍しい。
ぐったりと座りこんだところに、なぜ危険を顧みず映し続けることが出来たのかとインタビューされる。
ただ夢中だったと応えているけれど、報道する側がよく答えるこの使命感の裏には常に、最前線の優越と恍惚が見え隠れする。

声高に問題提起することも、はたまた情緒的になることもなく、無情にばさっとエンディング。
緊迫の実況に半分面白がってTVを見ていた視聴者も、その後に何をするでもなく、ただ茫然としているだけ。リアリティーショーを見ているような感覚だったんでしょうか
「来週の番組、どうする?」なんてパティの言葉は、元凶が自分たちでなかった安堵が感じられました。
それに応えるリーの笑顔には、複雑な心境も思惑も見えませんでした。

広報だか秘書だかのカトリーナ・バルフが美しいですこと。白いコートなびかせて颯爽。



d0109373_21443142.jpgこれはいつかのモカ。喫茶『リマ』さんにて。
アラビアのアネモネのカップにしてくれないか毎回期待しているのですが、出てこない(笑)
この時はロイヤルコペンハーゲンのトランクェーバー
軽快なドラムのジャズが流れて落ち着いた雰囲気の中、美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。

外に出ると小雨がパラつき始めていました。バス停に着くと、ベンチに小学生の姿がありました。
俯いてゲームをしているコに「傘、忘れちゃった?」と声をかけながら半分差しかけました。知らないひとに話しかけられてもスルーと親御さんの言いつけを守ってか、ゲーム進展に夢中だったか、俯いたまま。
ベンチは既に濡れていたので、バスが来るまでの数分間傍らに立っていました。










d0109373_14332716.jpgつまり、こんな状況。


映画

by august22moon | 2016-06-17 23:01 | 映画 | Comments(0)

瀬々敬久監督作 『64 ロクヨン 後編』

d0109373_15593419.jpg観客の期待するものがなんであれ、原作を越えた作品を創ろうとしたがるのは仕方のないことだとは思うんです。これはこれでアリだと迎えられる場合もあるし。
当初はラストが違うという情報だったので、確かに原作のラストは隠蔽の告発を含めた事件解決に向けて動き出したところで終わっているので、描く余地がありますしね。
しかし監督がインタビューで、「映画は主人公や登場人物の行動を追って見せるものだから、最後も主人公自らも行動させたかった」と発言しているのを読んで、ちょっと厭な予感はしたんですよね。

見てびっくり。ラストどころじゃないじゃん!まさかここまで勝手な行動をさせるとは。
あれでは逸脱行為。広報官が容疑者を誘き出し、直接対決って・・・ハリーキャラハンじゃないんだから。
これでは単に俳優の見せ場を作るためだけの変更に過ぎない。

唯一信頼している松岡が、犯人を昭和64年へ引きずり戻って宣言してるのに、なぜ待てない?
結果的に二渡に恩を売る結果になるのは三上には不本意のはず。報復人事も誤解ってことにするの?
・・・もう、「そんなことをしたらメチャクチャになります」、だわ。
秋川を河原まで追って来させたのも同様。
後編での秋川の見せ場は、記者会見場で彼なりのやり方で三上ら広報室に協力しようとするところなんですが、それだけじゃ勿体ないと思ったか。
幸田はショッピングセンターのトイレで電話してませんでした?なぜ車内じゃないことにしたの?

日吉が泣きながら部屋から出てきた時。母親に謝るだけで、前編の「きみのせいじゃない」のその先の、彼を14年の重荷から解放させた言葉が無い。
日吉にかける数々の言葉は、三上が日吉の向こう側に娘を見ていた言葉だったのに。
記者会見で二課長が捜査本部から情報を小出しにしか提供されず何十回も往復させられる場面は短縮すべきと思っていたのでそこはよかったんですが、何十回往復してるのか示してないので、美雲の心配も倒れて救急車と騒ぐのも大袈裟に見えてしまいませんかね。
いかにも頼りない感じは、流石に柄本さん巧いから面白かったですけど。
目崎に初めて会った時の松岡の表情もそう。ハンカチバサッはまあいいけど
捜査車両の追跡もなんだか短い気がしちゃった。凄い緊迫感出せる、それこそ映画的な息詰まる場面なのに。

殺された娘と同じ年の目崎の次女の誘拐を企ててもやり切れなかったという場面を作って、雨宮の葛藤を見せているところはいいと思いました。
復讐の一念で生きてきたとはいえ、実行は容易なことではなかったろうし。
そこで、幸田が動いたことや、誘拐しないで脅迫することにした理由が成立しました。
しかし、その後の次女の一連の行動は余計。

緒形直人さんは温和な役柄が多いところ、珍しい役柄で堪能しました。
思わず近道に入ってしまった後とか、メモを読んで被害者から真犯人へと豹変する表情は素晴らしい。
なぜあんなことが出来たのか自分でも判らない。犯行場面では追い詰められた男の異様さが見事。
渡辺真起子さん演じる目崎の妻の、警察への警戒感を感じる目つきが、通報の遅れた理由を表して巧い。身代金誘拐も妻の発案かもなんて背景も浮かびました。
外車ディーラー時代の裕福な暮らしぶりを横顔に残しているのもこの一家に深みが出ました。

綾野剛演じる諏訪が三上からの電話を受けて、移動します待ってくださいとさり気なく会見場を歩きだし、まだ廊下に出ないうちに急にダッシュして「どうぞ」と応えるのには、焦りや憤りが出ていました。
抑えた芝居を要求される地味な役どころでも光るのは、さすが。

永瀬さんは、侘しさと奥底に一念を燃やし続ける男の役ですが、その疲弊した表情は見事でした。「あなたは大丈夫ですか?」も、美那子に微かにする会釈もよかった。
でも、あのスタイリッシュさは滲みでちゃうもんですねぇ。居住まいもちょっとした動作も洗練されてる。

まるで火葬のようなどんど焼きの場面は、雨宮ひとりのほうがいいのに。
誰も彼を救うことなど出来ないんだから。
そうすればそれこそ「慟哭」なのに。
無念、無情、寂寥。そうゆうものだけで満たされた人間ドラマを見せてもいいと思うんです。生きるとは時にそうゆうものだから。
重厚感と緊迫感あるドラマなのに、ちょっと惜しいな、という印象でした。


土日はかなり混んでいたそうなので平日にしたのにチケットカウンターが長蛇の列でびっくり。
今作もかなりお客さんが入って(端っこの席しか空いてなかった・涙)いたのですが、図鑑行列もあったようです。



映画
by august22moon | 2016-06-14 23:00 | 映画 | Comments(0)

複合光源

数年前から急に見かけるようになったナガミヒナゲシは、今年は見かける機会もなかったのですが、代わりに道端や空き地で見かけたのが、濃い紫色の星のようなかたちのこの野草。
これも帰化植物らしいのですが、キキョウソウでいいのかな?
だとすると原産は北米だとか。遠い旅でしたねぇ
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さて。富士市におでかけの日。富士市で唯一知っているカフェ『キャトルエピス』さんでひとやすみ。
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駐車場は満車。お客さん続々の大盛況です。
カフェスペースには、電球色の仄かな照明に高窓からの自然光が混じる「ケンブリッジの森WORKS」のお店です。
グラスにも店名を施して可愛い。
コーヒーはフレンチプレスメーカーで供されるグァテマラと、モカとブラジルのオリジナルブレンド「キャトルエピスコーヒー」を頂きました。
「ホットはどちらですか」
・・・ふたりともホットです(笑)
「3分経ちましたら、こちらをゆっくり引いてください」
・・・ブランジャーを更に引けとな?オバサンそう言われたら一応引いてみちゃう質よ?いや、引きませんけどね。うふふ

美味しそうで美しいケーキやタルトがいっぱいでいつも迷ってしまうんですが、フルーツタルトと、間にオレンジムースが入った夏季限定ガトーショコラにしました。
チーズケーキが人気のようでオーダーされる方多数。次回は頂いてみましょ
ごちそうさまでした。
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by august22moon | 2016-06-14 21:02 | おいしいもの | Comments(0)

トム・マッカーシー監督作『スポットライト 世紀のスクープ』

d0109373_15572518.jpgようやく先週末から上映(こんなんばっかです)
待ちくたびれた観客で場内盛況で、最前列しか空いて無くて首が痛くなっちゃった。
こうゆうセリフ一語も見落としたくない作品は吹替版のほうがじっくり演技を堪能できますね。
字幕版しかないんで仕方ないですけど。

舞台は01年。この頃はまだ、紙媒体の資料を閲覧しに出掛けて行き、取材に奔走するところなど、『大統領の陰謀』の頃と基本的には変っていないですね。
お役所仕事に振り回され、ようやく閲覧すると既に手を回され廃棄されていたり。発見しても「コピー室は4時で終了」。
古いデータは、地下倉庫に保管された資料や以前の掲載記事の切り抜きなどを探さなくてはならない。
関係者への取材には録音ではなく、その場でメモしていく。
このメモ帳がですねぇ、スポットライト編集部が皆、A5サイズ位の縦型リングノートなんですね。
ウッド・スタインコンビは掌に収まるくらいのミニサイズでしたが、やはり縦型のリングメモ。
書き続け易いからなんでしょうね。
この、発言の全て書き漏らすまいとペンを動かし続け、しかも取材対象者の表情も見逃すまいとしてる。
この動作を見ているだけでも緊迫感が感じられました。

新任の局長バロン(リーブ・シュライバー)がいかにも、なんらしがらみもないという風貌。リーブ・シュライバーだとみんな同じになりそうなところ巧く造形されていました。ジャーナリストらしい中立性と、どんな小さな変化も見逃さない視線を持つ人物らしい。
スポットライトのメンバーもコントラストがよかった。常にあうんの呼吸で仕事しあっている雰囲気がその部屋にはありました。

被害件数と加害者神父の多さ、教会側にあまりにも都合のいい隠蔽同等の保護体制、弁護士の忠告どおりの妨害工作に、チームは愕然としていくんですが、リーダーであるロビー(マイケル・キートン)は、強大な敵に対して詰めの甘さがあってはならない失敗は許されないと、真の調査報道を冷静に考えている。
このあたりも、先走った特ダネ記事でフーバーを終身長官にしてしまったブラッドリー主幹の慎重さを彷彿とさせます。
と、見終わってから『大統領の陰謀』が過っていたんですが、後でロビーの上司に当たる部長のベンという人物のフルネーム確認したらなんと、ベン・ブラッドリー・jr なんですねぇ。あの主幹の息子。ああ、びっくり。
当初ロビーにこの取材を止めるよう忠告をしてくるし、レゼンデスの自宅へ取材の進捗状況を探りに来たりする。彼こそ既に10年前に告発があったにも関わらずロビーに小さな事件としてしか扱わせなかった人物。

で、早く掲載しなくては被害者が増えるばかりとレゼンデス(マーク・ラファロ)はさすがに抗議するんですが、これぐらいに抑えているところが良かった。
他のメンバーにしても、自宅の近所に教会の施設があることを知り、自分の子供たちにも危険が迫るかもしれないと不安に苛まれる記者もいれば、被害者たちの傷の深さを目の当たりにして、自らの教会への信頼との板挟みで悩む記者もいる。
しかしその苦悩や怒りを抑えて、忍びこむピアノの旋律が熱を冷ましていくようでした。

掲載もクリスマスは避けて年始にするんですが、スポットライトチームはどんな思いで聖夜を過ごしたのだろうと考えると暗澹たる気持ちになりました。

冒頭で、事件発覚後直ちに釈放され、まるで誤認逮捕のごとく平然と出て行く神父を警官が見送る場面があり、事件の闇の深さをさらりと静かに見せています。愕然とさせるイントロダクションです。
記事発表後も、教会側の反応は出さず、スポットライト編集部に、被害者からの電話が鳴り止まない中、マイケル・キートン演じるロビーがデスクの受話器を取って落ち着いた声で「This is SPOTLIGHT」と応えて幕。
カメラは俳優のアップに寄らず引きの映像で、劇的に終わらせない。
しかしその声は、宣言のように響きました。

全編、世界を震撼させるスクープを発表するまでの、記者たちの奮闘を、無闇に煽ったり、声高に提示することなく、抑制をきかせ、しかし真正面から見据えている。オスカーも納得の気骨ある作品でした。



映画
by august22moon | 2016-06-09 23:00 | 映画 | Comments(0)

南米勢

d0109373_15504476.jpgフェデラーは全仏休場するし、ディフェンディングチャンプのバブはジョコに敗れるし、マレーも叶わず生涯グランドスラム献上しちゃうし。男子バレーはオリンピック行けないしと、5月から6月初旬にかけてのスポーツシーンに於いては溜息ばかり。
そういえば、準決勝と決勝のローランギャロスにディカプリオ氏が観戦していたのが映りましたが、あれだけ顔中隠しても判っちゃうもんですね有名人って













さてさて。カフェ『つきさむ』さんで「6月のごはん」をいただきました。
今月のメインは揚げ春巻き。デザートはバニラアイスの乗った、きれい色のレモンゼリー。
セットのコーヒーもストレートコーヒーなのだそうで、恐る恐る、ブラジルですか?と尋ねてみましたら、当たりー!
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揚げ春巻きの具は、紫蘇を巻いたチキン。紫蘇が効いておいしー
タレがなくても美味しいんですが、軽く掛かっているカレーパウダーがいいアクセント。
他は、切干大根・高野豆腐・にんじんの煮物、ひじき・オニオン等のクスクスサラダ、グリーンサラダ、かぼちゃ・ナス・パプリカのマリネ。マリネが揚げものに合ってさっぱり美味しかったです。
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そして、買い物など済ませて再度訪問。
忘れ続けて1ヶ月、シャープペンの替え芯も遂に買いましたぞっ、と。

無性にロールケーキが食べたくなってオーダー。
シンプルですが、ふんわりだけどもちもちの歯応えも良くって美味しいんです。
季節ごとに変るトッピング。以前はハチミツ漬のクルミでしたが、この時はチェリーソース。
やったーチェリーソース大好きー

コーヒーは、エチオピアを頂きました。その後、タンザニア。
いつもは砂糖もミルクも入れるのですが、せっかくなのでブラックに挑戦。
本来の味が美味しく楽しめて、オバサンようやくオトナの仲間入りです。
好みのタイプを見つけようと、伺う度に違うのを飲んでみて、扱われる全種類(モカ・ブラジル・マンデリン・タンザニア・ケニア・エチオピア)を頂きました。
ん~ やっぱりブラジルが印象的だったかなぁ
必ずスイーツを一緒に頂くので、それとの相性もあるでしょうしね。
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by august22moon | 2016-06-08 23:00 | おいしいもの | Comments(0)

萩尾望都著 『ポーの一族 春の夢』

40年ぶりの続編が始まった『ポーの一族』を読むため、本当に久し振りにコミック雑誌を購入しました。こんなに分厚いのかこんなに活字大きかったかと、久し振りすぎて戸惑うこと多しでしたが、ザラザラした紙の感触は懐かしい。

舞台は1944年のウェールズ。テーマは、エドガーとアランが疎開してきた先で出会ったユダヤ系ドイツ人の苦悩。
34年にオービンがロンドンで遭遇して10年後。調査取材して回ってる頃。
旅行中のドン・マーシャルが列車内でふたりに遭遇する6年前。

この感想についてだいぶ悩んで整理する時間が必要でした。
正直なところここ2-3年、萩尾望都作品を読んでいませんでしたが、各作品の表紙絵を見る限り画風の変化は感じていませんでした。
本作に於いても女性の画を見る限りは違和感はありません。
しかし肝心の主役2人に著しい違和感がありました。
(高野文子氏の変化とはまた別の)
エドガーは、常に神経を研ぎ澄ませ警戒と注意を怠らない。人々が伝説を伝説として看過する時代になってさえも。セリフも極力少なく、アランに対してすら必要なことも黙っていたりする。
そうゆう人物画に必須なのは、読者にだけ心中を判読させる表情です。
傍観、注視、冷笑、哀れみ。萩尾氏の卓越した画力によって、その視線は常に雄弁でした。
しかし、今作にそれが感じられない画が多いのにまず驚きました。
画風の違いというよりも、表現全体に物足りなさを感じました。
計算しつくされた人物配置と動作、斬新なアングル、心象表現・・・卓越した画力がありました。
ファンタジーらしいデフォルメも効果的でしたのに。黒バックなんて、時代じゃないのかなぁ・・・今作では必要な場面も見当たらないけど

特に横顔が気になりました。
顎のラインを描く線が太くなりましたが、数コマを覗いて鋭角すぎるので顔が小さくなり、それが身体全体のバランスに影響している。
ブランカに年齢を尋ねられた後だけ、少年らしく頬がふっくらしたのも疑問です。
体格も、14歳の少年のそれではない。
特にブランカが窓の外に立っていたのに気付いて立ち上がった時に顕著。
確かに初期作品に比べて後期で既に体格は違います。しかしそれは表現力がさらに豊かになる過程と時代性を反映した画。少年らしい華奢な線は失われていなかった。

姿勢や態勢の堅さも随所に見られました。
貴族特有の優雅さ、気品、洗練、異形の者のただならぬ気配と透明感が全身に見られたのに。
登場コマと時計前のアランの姿勢もそう。アランについては、寝室と階下のようすを聞いている時以外の表情が随分とラフ。
ふたりが階段を上がる場面の態勢も、もうひとひねり出来たのでは。
ブランカがシューベルトを聞いて心を開放させ、思わず朗々と歌い上げる場面の、まるで舞台上のオペラ歌手のようなポーズは、唐突で芝居がかって見えました。寄り添うエドガーの姿も不自然。ミュージカルの1シーンみたい。

途中でマフラーの巻き方が変っている所も気になりました。同じページ上なのに。
馬車がオットマー邸へ着いた場面にはなぜかアランも居るんですね。
戻ってアランも誘ったということなのでしょうが、そつなく立ち回ることが出来るエドガーと違い、貴族のお坊ちゃんらしい気位の高さが抜けず、女の子以外、特に一般市民と関わりたがらないアランがなぜ来る気になったんでしょ?

技術的に熟練の域に入り久しい作家さんなのに。週刊や月刊誌連載ではないから時間は充分あるはずなのに、練り上げられた線に見えませんでした。
一分の隙もない繊細で的確な表現によって一人物を創りあげ、紙上を越えて生きていた。
あの蟲惑的な少年はいなかった、という印象です。

「ロンドンのゴミ捨て場」というのはなにかの比喩なんですかね?
大時計の登場は、のちの運命を考えると感慨深いものがあります。
そういえば、ウイッシュの館の暖炉の上にも時計がいくつも置いてありましたっけ。
ブランカたちの先祖に実は会っていたという流れになるのかな?
グレンスミスの子孫でドイツに渡ったエリザベスかその娘アンナと関係があるのかな?

戦時下のヨーロッパが舞台というのも面白い。既にロンドンで被災して屋敷も(どの屋敷なんでしょ?)失っている設定。激動の時代をどうすり抜けて来たのか興味がわきます。
ブランカやオットマー家の複雑な内情の回想場面の密度とテンポは真骨頂ともいえて、流石です。
彼女の抱える苦悩にも説得力がありました。
セリフも端的で詩的。そこから醸し出される世界観は変らぬものでした。
このキャラクターとこの時代でなければ描けないものが何であったのか。後編を見れば分かるかな?(次回発売が今冬ってのも随分と先ですね)

「わたしのことなぞ忘れたろうね」
「憶えてるよ 魔法使い」

夢の中でエドガーを悄然と見送る。読者をあの老いたオービンと同じ心境に陥らせるには最適の時期ではありますね。ほぼ同じ40年後だし。

by august22moon | 2016-06-06 23:00 | 読書 | Comments(0)

永井聡監督作 『世界から猫が消えたなら』

d0109373_112539.jpg撮影が始まったと聞いて早2年。なんでこんなに時間が掛かるのかと思いましたが、VFXシーンが多いからなんですかね。
原作の書名が映画的だなぁと思っていたんですが、原作の川村元気氏は映画プロデューサーだったんですね。映画好きの友人と、映画の名セリフのやりとりなんてちょっと楽しい。
「考えるな、感じろ」はもれなく出てきますねぇ。喋り方も特徴的でしたしね。フィ~~~ル
間違い電話で「あれ?今『メトロポリタン』見てます?」も面白い。

奥田瑛二さん演じる武骨な職人肌の父親。登場場面の少ない中にも流石の巧さが光りました。
父が撮ったピンボケの写真。嗚咽しながら手も震えて撮った1枚。そこに父親の全てが凝縮されているのは感動的でした。
出産の時も臨終の時も、妻が大切にしていたのであろう懐中時計を修理し続ける男。
妻の時間を進め続けようとしていたかのようです。
最後の「ありがとう」の声のトーンは、まだ若く新米パパらしい。その声の余韻が素晴らしかった。
直後の暗転に流れるテーマ曲も雰囲気に合ってました。

映画好きな友人役の濱田岳さんも、とぼけた可笑しみのある役どころが合ってました。
毎日DVDを渡し続けて、突然「忘れた」の表情もいい。どうしても思いつかなかったのかもしれない。
人生の最後に見せる映画なんてないと店の床にDVDを撒き散らす場面や、最後の日にどう向き合っていいか分からず、ただ涙することしかできない表情は絶品。
残されるものの辛さが感じられました。

余命幾許もない母に、楽しい人生だったのかと「僕」が悔やむ場面。
映画でもドラマでもよく目にする母子場面ですが、佐藤さんの泣き方が男の子らしくて自然でやり過ぎない感じでよかった。
自らも突然、末期と診断され、「シャンプーまとめ買いしたばかりなのに」なんて考えるのは、意外と現実的かもしれませんね。19-20歳の青年にとっては特に。

回想シーンと現在の妄想シーンを交互に出しているので、珍しいお話しに見えますが、ストーリーは平凡。
妄想で起こる事態が画期的な映像であるくらいですかね。
原作はどうなのかあらすじを調べてみましたが、こちらは最後の日へ向けて主人公はさまざまな事をしているんですね。その辺りがほとんど描かれない。

アルゼンチンの場面が設けられていますが、これがちょっと説明不足で唐突。
服装や内装が全体に暗いトーンなので、ブエノスアイレスの明るいカラフルな町並みが対照的です。
それにしてもなぜアルゼンチンへ行ったのか。ふたりとも映画好きだから『ブエノスアイレス』の舞台となった街を見たかったんですかね。それにしては舞台となった橋を教えられてる。
世界中を放浪する生命力溢れる男と出会い、別れた直後にあっけなく交通事故で亡くなってしまう。
幾たびも危険をくぐり抜けてきたであろう人間の生命が、いとも簡単に奪われてしまう残酷を表したかったのでしょうか。
宮崎あおいさん演じる女性はこの無情に抗うように「生きてやる」と叫ぶ。
感動的な場面ではありますが、彼女の死生観がいまひとつ掴めない。
第一、なぜイグアスの滝なのか。大自然の前では、人間なんてちっぽけなものだということ、かな?
ひとにとってひとの生命は、なにより重く大きいものであると、彼女はぶつけたのかもしれません。

主人公は学生で、郵便配達はバイト。郵便配達人であることが彼のストーリーになにか関係があるのかと思いましたが、まったくそうゆうこともなく。

キャベツごと買わなくても、空き箱を貰えなかったのかな?
しかもあんなにたくさんの大玉キャベツが入る箱かなぁ・・・まぁ、不器用さは出ていますが。


もし明日、自分や愛しいひとが消えても世界は変らず動いていく。
たとえ悪魔と契約しても、生命に代えられるものはない。
大切なかけがえのない思い出たちで人生は彩られている。
人生は、「生まれてくれてありがとう」と感謝で迎えられて始まり、生んでくれて「ありがとう」と感謝を返して終わる。

そんなことを、若い魂は知るのですね。


映画
by august22moon | 2016-06-03 23:23 | 映画 | Comments(0)


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