2010年 05月 26日
荻上直子監督作 『めがね』 wowow 放映
冒頭20分くらい見られませんでした。
『かもめ食堂』のヒットで同じようなものをと上から要求されたに違いないであろう映画ですが、もしかしたら、こんな映画ばかり撮る監督がいてもいいじゃないという真情なのかも。
『かもめ』でシナモンロールと海苔のおむすびが無性に食べたくなったのは私だけではないでしょう。この映画ではさしずめ、梅干しや氷小豆でしょうか。
あ、確かに伊勢海老を一匹まるごと豪快に齧り付くのも、いってみたいでしょうけどね。
疲れちゃった女性が癒しを求めて旅に出た南の島で、仙人みたいな常連客サクラさんや、スローライフしてるユージさんと出会うんですね。
タエコさんの衣装、グリーンのブラウスやTシャツなどちゃんと着回ししてましたね。いったい何着持ってきてるの?ではイケマセンものね。
この民宿の造りが、ほんとうに素敵。
南の島独特の窓が大きく壁の少ない建物。お外との差があまりない開放的な、風が通り抜けるダイニングキッチン。
いつもクセのある役が多い光石研さんを、穏やかで余計なことは喋らない男にキャスティングしたのが面白いですね。きちんと生活している感じが失われていない、霞み食ってるような男にはしていないところがよかったです。このひともいろんなことあったんだろうなーって感じ。
加瀬亮さんは勿体ないような起用ですが、椅子に座ってビールを飲みながら遠い目で海を眺めているようすが、なんともよかったです。心にさまざまなことが過っているらしいのが伝わってきました。
それになにより海がきれい~。
『ザ・ビーチ』の入り江の何倍も感動的な息をのむ美しさ。