2010年 06月 02日
キャサリン・ビグロー監督作 『ハートロッカー』
2004年、イラク・バグダッド。駐留米軍のブラボー中隊・爆弾処理班の作業中に爆発が起き、班長のトンプソン軍曹が爆死してしまう。代わりに派遣されてきたのは、ジェームズ二等軍曹。彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたエキスパートだが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。死を恐れない彼の指揮の下、中隊は残り40日の過酷な任務をこなす。
かなーり遅れての地元上映。しかも20時40分からの上映なのに10数名観客がいました。
戦争映画は観ない私が今年に入って2本も観ちゃいました。
ま、それほど強い意志であったわけではありませんが。
第82回アカデミー賞作品賞など6部門受賞作ですね。監督賞も受賞という完全高評価な映画ですが、ん~これが作品賞?という感想です。
戦場でのエピソードの積み重ねで主人公がやはり戦場に戻るという展開。
そうゆう戦場中毒となり果ててしまった男の話って目新しくもないですが。
いや、戦場といっても爆弾処理班なのでちょっと違うんですけどね。
帰郷してもどこか気もそぞろ。キッチンでマッシュルーム洗いながらも戦場の話しちゃうんですが、奥さん聞くともなしにせっせとニンジンなんか切っている。「これ切って」なんてさりげなく遮って。覚悟してるのか。可愛い盛りの赤ちゃんもいるのにねぇ。ここで言い争いや涙があったらそれこそありきたりな映画になってしまうところでしたが抑えられていました。
戦場に戻って来た時の輸送機から降りる時、颯爽としてしまっている。
表情も無表情なんですが明らかに口の端に笑みが在って。そこは凄くいいと思ったんですが、ラストカットはもうあとちょっと・・・ひとひねり欲しかったような・・・。
マカロニウエスタンみたいよ。
『グリーン・ゾーン』でもあった手持ちカメラによる報道カメラの撮影のような場面が何度もありました。
急なズームアップやパンも揺れまくり。ピントもわざとずらしてから合わせたり。
低予算を補うためとのことのようですが、戦場のリアルさ追求には効果的な手法ですね。
ジェームズやサンボーンが兵舎で呑んで騒ぐ場面のように同録場面もありました。
爆弾の爆発音はお腹にきました。凄い音。
銃声もズシン。さすが録音賞受賞作。
ジェレミー・レナーはいい役を得ましたね。
『SWAT』では仲間を裏切る隊員役。アカデミー主演男優賞候補になり、その時共演したコリン・ファレルが賛辞を贈っていましたが、確かに屈折した感じが巧くて印象的でした。
大好きなブロガーさんがレイフ・ファインズが出ていたと書かれていたのをすっかり忘れていたので、一瞬あらこの人は?・・・なんて直ぐに分かりませんでした。
ニヒヒと笑って「死体でも賞金出るんだった」ですって。
その方のブログで紹介されていたポスターの場面。導線を引っ張ったら放射線状に埋められた爆弾が引き出されてきた場面は一番ゾッとしました。
帰路お月さまなんて撮っていて、間違えて撮れてしまった夜道。