2011年 01月 19日
D・フィンチャー監督作 『ソーシャル・ネットワーク』
新たな機能を思いつくと部屋を飛び出して行ってPCに飛び付く‘発明家’の高揚する様と、一心不乱にキーを叩く様子は、説明されても分かんないけどなんかエキサイティングと感じて、面白かったです。
『ER』を見ている時と同じですね。
大学在学中からシステムを開発し世界で最も若い億万長者の一人にまで成ったというだけで充分ドラマチックなんですが、急成長に追いつかなくなる部分というのはどうしても発生してしまうもので。
そもそも創設者が人付き合いが上手くない。
fasebookに改良前のフェイスマッシュ開設の切っ掛けとなった恋人との言い争いも、相手の立場に立って考えたり譲るということが出来ない故の出来事だし。
頭の切れるコにありがちなんですけど。
冒頭のデート場面でマークの性格が現れてます。容赦なく話しが前後するマシンガントーク(笑)
これは女の子には好かれないわ、と。
ザッカーバーグ氏に全く取材してないので、特にこの辺りはフィクションらしいんですが、やがてマークが孤立してしまうのも頷ける場面になっています。
心から繋がりあうって難しいことだけど。
面と向かって、声に出して、声を聞いて、育ててゆくコミュニケーションが苦手な人間がコミュニケーションツールを開発するという皮肉。
ザッカーバーグ氏本人は隙の無い知的な風貌と感じましたが、演じるジェシー・アイゼンバーグは無邪気な表情も垣間見えるので、純粋なコだったんじゃないのかなと同情もできます。
開発当初からのパートナーであったのに後に離反するエドゥアルド役のアンドリュー・ガーフィールドは人の良さそうな顔立ちなので、やり手起業家パーカーにはいかにも太刀打ち出来なさそう。
若くして短期間で多くのものを得てしまえば、試練が襲ってくるのは道理。
苦い青春のものがたりですね。いやご本人、真っ最中か。
これがGG賞ばかりかオスカーまで獲ったら、ザッカーバーグ氏は心中複雑じゃないのかしら。