2011年 01月 27日
トニー・スコット監督作 『アンストッパブル』
ペンシルバニア州の操車場。ベテラン機関士のフランク・バーンズ(デンゼル・ワシントン)と若い車掌のウィル・コルソン(クリス・パイン)が初めて顔を合わせ機関車1206号へと乗り込む。やがて2人の耳に貨物列車777号がトラブルを起こしたという情報が飛び込んでくる。運転士の操作ミスにより、無人のままの777号が暴走を始めたというのだ。しかも、777号には大量の化学物質が搭載されていることが判明。操作不能に陥った777号は、一つの街を壊滅させるだけの威力を持った巨大ミサイルも同然だった・・・。
実際の事件が元になっているとのことでしたので、ほとんどCGなしの撮影ということ以外情報を入れずに見てよかったです。
凄い迫力で、まさに手に汗握る展開でした。
とにかく機関車や貨車が、でかい(笑)
普段見るしかもホームに立って見ている電車より、巨大。
これは暴走したら止められないでしょーと、その巨大な車両が並ぶ操車場の冒頭場面でもう既にドキドキ。
事故の発生は、慣れから来る油断と緩慢さが原因だなんて。
デンゼル・ワシントン演じるベテラン機関士フランクやクリス・パイン演じる新人機関士ウィルがそれぞれ家族の問題を抱えていたり、給料の高いベテランをリストラして安い給料の新人を使う経営者側とか、CEOがゴルフの最中に事故の知らせを受けてもプレー止めるつもり無さそうとか、周辺ドラマはありきたりとも言えます。
会社上層部対現場の軋轢などその最たるものですが、それだけ何処も同じだということなんでしょう。
それに、すべて暴走機関車の迫力に吹っ飛んでしまいます。
173ヶ所もある踏切の対応が随分早かったんですね。運行部長たちの危機対策も良かったのでしょうが。
溶接工のネッドが踏切封鎖していた警察に先導を頼んで、パトカーと共に走り出す場面のスピード感もよかったです。
対策室がニュースの情報の方が早いのかと怒るんですが、随分早くからヘリが追ってきているので警察かと思いきや、NEWSと機体に書かれていて唖然。
取材ヘリを並走させて運転席をズームで捉えて機関士アップに映して、画面には機関士の素性まで速攻出るって・・・。アメリカならやりそう。
このヘリが貨車の高さと同じくらいの低空で接近して飛ぶので、そちらにまでハラハラ。
近づき過ぎ!トランシーバーが聴こえないじゃん!なんて憤慨してしまいました。
それにしても、死者を出さなかったとは。奇跡。
D・ワシントンの巧さは安心して見ていられます。
精悍な顔立ちなので、辛い表情とか寂しげな表情をされると居た堪れなくなってしまう。
それが巧さというものなんでしょうね。
ラストの事故原因を起した機関士の転職先まで紹介しているのが傑作です。