2011年 07月 23日
シアタートラム 阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』22日ソワレ観劇
2回目の観劇です。
昨日同様涼しかったため、
冒頭の上野先生の科白は、「昨日今日と涼しいですね」になりました。
今回は役者さんのほうに気を取られて、スクリーンのト書きを見落とさにようにしました。
中村ゆりさんと黒木華さんの無垢で純真な女学生が可愛い。
教師は教室の中で唯一過去を持つオトナであるわけですね。
思えば、朝緒の旅にクロスするこの教師の旅は壮絶。
冒頭のセリフにあるようにこの教師は青臭い理想論だけで教壇に立っていて、それが実は本人も解らない仮面であったわけで。
彼の知られざる過去は無垢な少年の残酷さから起きたもので、驚くべきことに彼の内で今だ懺悔もない。
懺悔どころかそれを終結させようとする。
ようやく進めるようになったと浅瀬を進んで行く。
武器を手に入れて。
殴る時の目つきが素晴らしい。
空洞だ。
卓越した描写力が芝居を越えて突き付けられて恐怖。
これが長塚さんだったらさらりとホラーになったでしょうに。
彼の「目玉」は浅瀬の向こうに在るのかしら?
七叉路で迷った彼は教室に戻れるのかしら?
朝緒の救いのない転落にまた泣けて。
彼女の救いは施設の中にあるのかしら?
佐藤が救いなのかしら?
茶の間の場面は見ていてほんとうに辛い。
「もう座りたくないの」は聞いててほんとうに辛い。
最近は節約のつもりで鈍行で帰るようにしていたんですが、なぜか乗り損なってしまって。
最終新幹線に飛び乗りました。