2011年 09月 24日
J・リーベスマン監督作 『世界侵略:ロサンゼルス決戦』
半年ほど変更になっての公開です。
タイトルが直球すぎると思っていたら原題も『World Invasion: Battle LA』でしたのね。
地球に侵略してきた宇宙人と対決するお噺、いやお話しですが、
『インディペンデンスデイ』ほど気恥ずかしい場面もありませんでしたし、
『第9地区』ほどグロテスクじゃないし政治的比喩も連想させません。
【 take it back 】
なんとなくそんな気がして最後列の席にして正解でした。
『グリーンゾーン』や『第9地区』のように手持ちカメラで兵士たちと一緒に走り回るモキュメンタリー仕上げ。雨霰と降ってくる攻撃波や飛び散る破片舞い上がる砂煙が迫力満点・・・というか映像情報量が多いので近くで見ていたら目チカチカ酔っちゃうところでした。
敵のエイリアンはあまりはっきり映さず引きで撮ってウジャウジャ居るところを強調。
マザーシップや無人機のデザインが面白かったです。
海兵隊の1小隊が主役なんですが、一応彼らの人間ドラマ部分も描かれています。
過去に部下を失った心の傷が癒えて無い引退間近の二等軍曹ナンツ、その亡くなった兵士の弟、エリートだけど若くて実戦経験のない隊長マルティネス少尉・・・。
このエコー中隊第1小隊に、ロスに襲ってきたエイリアン軍をせん滅するための総攻撃開始までに逃げ遅れた民間人を救助する任務が与えられます。
相手がなんであろうと経験に勝るものは無くて、敵に囲まれて集中砲火浴びてすっかり動転してしまった隊長マルティネスにナンツが隅の方で「どんな命令でもきく。迷うな。決断してくれ。」とリーダーの在るべき姿を諭したりします。
その隊長も亡くなって、最初は温度差のあった兵士たちと軍曹の関係も、冷静で素早く的確な判断と怯まない姿勢の指導者振りに瞬く間に部下は支持してゆき、鬨の声を上げて従うまでになります。
で、そんな素晴らしいリーダーの下、見事に動く兵器のエイリアン軍を殲滅し、マザーシップを撃墜します。
あ、殲滅と言ってもロサンゼルスのサンタモニカ地域だけです。
彼らは休む間もなく別の戦場に向かって行きます。エイリアン、世界中に襲来してますんでね。
『SWAT』でも可愛いのにいい面構えの隊員役ミッシェル・ロドリゲスが、航空機関士なのに戦闘に加わってて、最後にAT4対戦車ロケットランチャー担いで無人機撃墜させちゃったりして逞しいとこ魅せてます。
派手な戦闘シーンの連続は、相手がリビアでもイラクでも、人間ですらないので、カービン銃撃ち切ってベレッタ撃ちまくろうがM203撃ちまくろうが、戦争の悲惨さ後味の悪さみたいなものが皆無のジハードです。
もう完全にプロパガンダ映画と言っても過言ではないって演出ですが、単なるアクションSFとして楽しめました。憂さ晴らしには最適なんじゃないでしょうか。
ラストテーマも力強い。