2012年 02月 29日
D・フィンチャー監督作 『ドラゴンタトゥーの女』
オープニングのクレジット映像が凄い。素晴らしい。
さすが数多くのPV撮って来た監督だけのことはあります。
(セントルイス映画批評家協会賞の好きな映画のシーンなどから選ばれる「スペシャルメリット部門」受賞したようです。こうゆう賞があるって知らなかった)
これ、リスベットの心象風景なのかな?見終わって振り返ると救いの無い悪夢と見えます。
ツェッペリンの「移民の歌」も本作にぴったり。
なんといっても北国なんで、映像が寒い、冷たい。
室内禁煙と外でタバコ吸うんですが、寒そうで寒そうで。
冬であるというのが島の閉鎖的な状況をより強調しているんですが、そらボールペンも固まるでしょな寒さ。
頻繁に聞こえてくる、ひゅーひゅーという風音がまた効果絶大。
ロンドンに戻っただけで映像がほっと温まる感じ。
気のせいか映画館内もいつもより暖房が効いてないみたいで、改めてコート着てしまいました。
また、観に行った日が寒かったので余計に寒さが伝わってきました。
リメイクですが設定を変えてないんですね。
カナダ辺りに変えるかと思っていました。
原作ベストセラーもあってスウェーデン映画でCMまで流すというのはかなり面白いに違いないと思ったんですが、リスベット役の顔にちょっと魅力を感じなくて。
リメイク版はD・フィンチャーだし、予告編で「移民の歌」聴いちゃったし、前宣伝で素顔とのギャップを紹介されたし、またルーニー自身が女優とは思えぬほどシャイなのも可愛らしくて、彼女の演技自体にも惹き付けられて、俄然観る気になってしまいました。
whodunitモノで判明部分は驚くことはなかったんですが、whydunit 部分は意外性がありました。
先ずリスベットというキャラクターの魅力ありきという前評判の意味が分かりました。
原作サブタイトルにもなっていますし、作者も推理よりもこの女性を描きたかったようです。
映画ではこれをメインタイトルにした通り、かなりこのキャラがしっかり(長く)描かれています。
ピアスやメイクであれだけ武装してもキュートな顔立ちは隠せないので、悲運に同情も湧き易い。
攻撃的な風貌とスピーディーで完璧な仕事振りに反して、正面向いて座らないとか小幅で早足で歩くとか内向的で感情表現が巧く出来ない女の子であるところがまた共感呼び易いのでしょうね。
後見人へプレゼント渡しに行くのにカフェでワンクッション置くところが不器用さを巧く表しています。
またこのプレゼントが、後見人が趣味のチェス本っていうのが、不器用過ぎて可愛い。
それにしてもなんて薄幸な。
ラストも切ないねぇ。
さて本題の犯人探しは、写真を発見したってところがクライマックス。
連続再生する場面にドキッ。
でまた相手が写っていてドキッとします。
リスベットがガンガンハッキングして情報得るのも昨今のドラマ・映画では珍しくないのですが、それでもやっぱり痛快なような戦慄なような。
ダニエル・クレイグは『トゥームレイダー』以来で(笑)。瞳の色が薄いからと勝手に思っているんですが、目の表情が捉え難くい。それが功を奏しているような、もっとはっきり出して欲しいような・・・。
ところで、冷蔵庫の上に置いた酒瓶が転げたのを、落ちてから受けとめるっていうスマートなことやってるの、あれはアドリブ?
依頼人役のクリストファー・プラマーはコンスタントな活躍をしていましたが、ここ数年特に印象的な役柄が多い。
助演男優賞受賞(「人生はビギナーズ」)も頷ける存在感でした。
予告編では、『BATMAN The Dark Knight Rises』。
ジョセフ・ゴードン=レビット出るのね。楽しみ。
『スターウォーズ』も3Dならまた観ちゃおうかな?
ダースモールがダブルブレイデッドライトセーバーを構えるとこ、かっこいいんですもの。
リスベットのチェスをしながらの一人語りがすき。リスベットも観ている私も緊張がとけたからかしら?「この娘可愛いなぁ」って、ぬるくなったコーヒーで飲みながら思いました。
鑑賞後、温泉に入りたくなったのは私だけでしょうかね?
オープニングの解釈になるほどと思いました。
元後見人に「友だちができた」って話すところ?
ミカエルには片思いなわけだし、唯一心の交流できる相手ですもんね。
リスベットのためにも快復して欲しいなぁと心底思ってしまいました。
温泉に入りたい気持ち分かるわぁ(笑)
某南極ドラマより寒さを感じましたもん。
オープニング映像は、面白いけど随分おどろおどろしい画でしたね。
あれだけで充分、一作品として成り立ってますよね。
そうそう、そのシーンです。ここで可愛いと感じたことでラストが一層切なくなる気がしました。
スェーデン版だと、このシーンが“可愛い”じゃなくて“可哀想”なんです(私的には)。どちらが原作に近いかわからないけど、ハリウッド版の方がすき。