2012年 06月 15日
J・J・エイブラムス監督作 『スーパー8』 WOWOW放映
完全にスピルバーグ作品で、オマージュなのかと思えるほど。
『ET』や『未知との遭遇』をTVサイズでしか知らない世代へ向けて作られたのかなとも思ったんですが、突然現れたスピルバーグ・ルーカスのSF超大作の衝撃は今の子たちには味わえないでしょうねぇ。
『ET』で自転車が浮き上がる瞬間はほんっとに感動的だったんだぜぇ~
「宇宙にいるのは我々だけではない」のコピーにはほんっとに戦慄したんだぜぇ~
スピルバーグ作品ではよく描かれる、父と子の関係がここでも描かれているんですね。
『宇宙戦争』でも、トム・クルーズ演じる父親を逃げてばかりと蔑む長男が、遂に「見届けたい」と軍隊と共に進んで行こうとする場面がありました。
軍隊のいる丘の上へ這いあがって行く息子を引き止める手を緩め、成長と最後かもしれない感触を確かめその身体に触れ続ける両手のショットは、この映画の中で唯一感動的でした。
ラストの場面でポケットに入れた母親の写真が入ったロケットペンダントが、宇宙船着地タワーみたいなのの磁場に吸い寄せられていくのをジョーが掴む、その身体を父親が支えているシーンはとても美しかったです。
タワーを完成させてあげるがごとく、結局離すというのもよかった。
大事なのは物ではなく心に残る思い出なのだと。
少年が成長した瞬間です。
70年代後半の時代背景も良かったですが、チャールズ君の家の混沌ぶりが凄過ぎて笑えました~。
なにがこんなに撒き散らかされているのか、足の踏み場もない。
何人子供いるのかそれぞれの怪獣っぷりが凄まじい。朝食の並んだテーブルをおもちゃのバットで叩く子がいるかと思えば、ソファで双子ちゃんがなんか振り回して好き勝手やってるし。
長女はおへそ出した服着て出掛けたがるし。
こっちこそ戦争だー。
ジョーの仲間たちのキャラもとても楽しい。
男の子の友だちグループというとこれらを揃えるという定番すぎるほどのキャラ。
太って食いしん坊のチャールズ。
ちびっこでも頭の回転の早いケイリー。
知的な風貌なのに直ぐビビって吐いちゃうマーティン。
そしてマドンナ。
少年の夢って、宇宙でもロックスターでもなく、こうゆう愉快な仲間たちと過ごしたいってことなんじゃないでしょうか。
で、なんで地下生物って分かったの?
日曜深夜でしたか放映した『サド侯爵夫人』。
後半1時間半ほどしか見てないのですが、
(前半ではなくなぜか後半)
さすがに白石加代子さんは長台詞でも一語一語クリアに届いてきました。
この世代では飛び抜けて実力者の蒼井さんのセリフが大変受け取りづらかった。
長台詞になればなるほどそれは強く感じました。
(演出家氏の感情表現自体掴み難い私故)
その言葉を選んだ役本人の感情を表すのではなく、その状況を見せている・・・感じ?
だから表情や仕草はぴったり当て嵌まってはいるんですが、言葉が届いてこない。さらさらつるつる流れちゃう。音楽のように。
「あまね」で微かに感じていて、「静子」でもさらに・・・。
高音だからかしら。語尾も消えちゃうし。遠投なのかな、松たか子さんより更に高く上がる。
でも表情は抜群。