2012年 08月 31日
リドリー・スコット監督作 『プロメテウス』
冒頭の地球創世記の画などは3Dで見るとさぞ凄い迫力だったんでしょうね。
あそこでエンジニアは何を飲んでたの?
厳かに始まったのでなにか重要な儀式みたいでしたけど。
つまりはこれが人類創生なんでしょう。DNA単位まで分解してゆく様が映像で表されていますから。
でも彼が選ばれた過程は出てこない。
もちろん、人類創造の理由も。
ジェームス・キャメロンの『エイリアン』第一作の前日譚。
ギーガーの鮮烈で奇怪なデザインを、現代のVFXで充分活かせた壮大な作品でした。
あのスペースジョッキーはなんだったのかが判明するんです。
VFX・CGもほんとうに凝っていて、過去の映像の劣化具合とかノイズが面白かったです。
プロメテウス操縦席の計器類のデザインや、機器類もユニーク。
完全自動の手術台カプセルとか3Dマップとか。こうゆうのがいつか実現していったりするんでしょうね。
やっぱり、というかシリーズ作品以上にグロテスクで、見終わった後ですぐにお食事は無理な感じで。
オペシーンなんてその最たるものですが、あのホチキスみたいな縫合機っていうんですか?
ぱんぱんぱんっと付いて、すごい。
アンドロイドのデヴィッドが言語学習用に『アラビアのロレンス』見てるっていうのが面白い。
ピーター・オトゥールのイギリス英語の発音を真似たり。
今作のアンドロイドも企業側の立場なんですが、クルーではなく完全にバトゥラー。
シャーリーズ・セロンは、探索ミッションの出資会社の重役として同乗していて、ミッション成功のためには手段を選ばない厳格でクールな役。
あまりに無表情なんで船長ならずともアンドロイドかと思っちゃいました。
巨大な火炎放射機抱えて、もの凄い炎出して試し打ちするところなんてかっこいいです。
主役のエリザベス役でもよかったのに。
エリザベス役の女優さんがですねぇ・・・なんか魅力的に感じなくて、シガーニー・ウィーバーっぽい顔立ちで選ばれたのかなぁ・・・。後で調べたら、あのオリジナル版のリスベットを演じたひとだったんですね。
逞しさは在って、「die!」なんて叫んで一撃するに相応しい力強さはありました。
ラストも謎のままにしてあるのはいいと思います。
そこはやはり、解明できないものなのでしょうし。
(阿修羅王だって解明できなかったんだもん)
ラストのドンッて音は、胸に響いてきました。びっくり。
ショパンのプレリュード「雨だれ」も、壮大なあまりに壮大な物語の始まりを、やさしくもの悲しく包み込んで余韻を増幅。