2012年 11月 11日
三池崇史監督作 『悪の教典』
全文消去してしまって、がっくりこの上ない気分でございます。
さて。公開初日に見て来ました。お客さん多かったです。
いかにも三池監督がメガホン取りそうな原作。
盛大に飛ぶ血飛沫、撃たれた衝撃で身体が吹っ飛んでしまったり、階段から生徒投げ落したり(しかも片手で!)、猟銃の銃声も爆音で迫力満点でした。
血で染まった避難降下袋が破れて頭が出て来るとか、狂乱した女子の叫び声とか、原作にはないリアルな描写が三池作品らしい。
サイコパスの犯罪ですし、なんたって三池作品ですが、残虐な殺人場面も思ったほどグロテスクではなくて、よかった~。
と安心してたら、回想場面でキモチワルイのありました。
子供の頃から様々な偽装工作ですり抜けてきたのに、自殺偽装した直後に目撃者と遭遇してしまったからと、その生徒殺しちゃうのは性急すぎでは?
尺の問題で、蓮見が校内を掌握する過程や疑惑を持った者たちが次々抹殺される過程が端折ってあるのは仕方のないことですが、やはり、クラス全員抹殺しかないと追い詰められる切迫感は少々削がれました。
そこらへんは、「序章」見てないと、なんでしょうか。
その代わりに、蓮見が住む廃屋のような家や過去の犯罪の回想とそれに伴う幻影が蓮見の闇の部分を補うように凝った画になっていました。
でも、どうなんでしょ。いくら精神病質でも、IQも高い人間が銃床に目を見たりするかしらん。
シリアルキラーとは区別したということ?
サイコパスの二重人格を演じさせるのに、好漢・伊藤さんは適役でしょうね。
私『海猿』シリーズまったく見てないんですが、裏の顔を持つ人気教師と言う役柄には合っているんじゃないでしょうか。
凶行場面では、イメージを払拭させるくらい戦慄させる表情が欲しいところなんですが・・・。
目にあまりフォーカスしなかったのは正解なのかも。
教師たちのキャラクターもユニークなので贅沢な配役になっていたのに、柴原、釣井、久米以外はチラリとしか出てないのが勿体ない。
生徒役の中で、染谷翔太さん、二階堂ふみさんは別格の巧さ。
二階堂さんは出て来る度に違う顔立ちに見えて、お顔憶えられてないんですが、調べたら東京ガスのCMの女子高生と知ってびっくり。
いきいきとしたティーンエイジャーらしさは魅力的でしたし、不安に苛まれた表情などは表面的ではなく引き込まれました。
最後は目を変容させていたのが面白いアイデア。その愕然とした表情はとても印象に残りました。
堂々「To be continued」と出てきてびっくり。
私は昨夜観て来ました~
>自殺偽装した直後に目撃者と遭遇してしまったからと、その生徒殺しちゃうのは性急すぎでは?
殺害後の流れも想定してから殺害しているので、想定外の事が起きるはずないので想定外の対応がうまく出来ないのでは?生徒は物体だし。
自殺では誤魔化せないし、計画が狂ってつまんなくなったし、次のゲームに移りたいからサッサと終わらせようって全員殺すことにしたのではと解釈してます。生徒はコンピューターゲームのキャラクターと一緒ってことでは(ゲームしたことないけど)
原作も序章も未見なんで全く見当違いかもだけど。
それでは、お邪魔しました~m(__)m
原作では、美彌の偽装自殺後に教室へ戻ってみると、美彌と会っているところを目撃した生徒がクラス中に喋っているところだったので、クラス全員抹殺しか方法がなくなってしまう、という展開なんです。
そこを変えちゃったので、無理やりな感じになっちゃったんですね。
そもそも、蓮見を怪しいと気付き始めた教師たちを事故を装って重傷を負わせているんですが、目撃証言や偽装の不備を怪しむ生徒が出始めていて、少しずつボロが出てきてたところだったというのもあるんです。
その教師の話もカットされてるんで、尚更に強引な気がしますよね。
見せ場重視、クライマックス重視で、過程が大雑把という、よくある大味な作品でしたね。