2012年 11月 11日
クロード・シャブロル監督作 『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』wowow放映
主人公で犯人のソフィーは非識字者というハンデを隠しているという苦悩がベースにあって。
しかも殺人の容疑者であった過去がある。
ジャンヌという女と親しくなるんですが、彼女も殺人疑惑の過去を持つ評判の悪い女。
そのうち非職字者であることに気付いた長女が教えてあげると言ってくれているのに、逆に秘密をばらされたくなければ黙っているよう脅す。結局、長女は親に打ち明けたので、ソフィーは解雇。
ジャンヌと荷物を運び出そうと屋敷に戻ると、一家がオペラの番組を見ているという幸福を絵に書いたような様子を見たジャンヌは、突然部屋を荒らし、主人の猟銃を持ちだし、遭遇した主人を平然と撃ち殺してしまう。
居間にいる残った家族もふたりは無言で撃ち殺す。
ジャンヌは長女のラジカセを手に取ると、後始末をソフィーにまかせて出て行くのですが、途中で事故にあって死んでしまう。
後部座席にあったラジカセを警官が点けると、オペラ番組と重なって犯行後のジャンヌの声が録音されていた。
ソフィーはその声を聴くと、不在していたアリバイ作りに平然と現場脇の暗がりを通り過ぎる・・・。
エンドロールをバックに録音された音楽と声と銃声が流れる。という結末。
この映画でも、ふたりは無表情で凶行に及んでいます。
殺すほどまでか?と思うほど、あっさりと凶行に走る。
ジャンヌを演じたイザベル・ユペールのはすっぱな感じが、巧過ぎるほど強烈。
ソフィーを演じたサンドリーヌ・ボネールのジャンヌといる時以外にはニコリともしない表情も印象的でした。
相通ずるものを察して心を許す者はいるけれど、他の優しさにはまったく心を開かない。
心を閉ざした孤独な寂しさが非常によく表されていました。
彼女の涙も闇も理解できないけれど、こうゆう悲しい女もいるのだということは痛切に迫って来る作品でした。
まとめて観たらどれもこれも面白い!
とりわけこの「沈黙の女」は不条理さがハンパなくて。
殺すか?っていう感じですよね、そこが凄いと思いました。
ユベールは他にも沢山シャブロル作品に出てるんですが毎回全く違って上手いんですよね。
お姉さんが観てくださって嬉しいです♪♪お姉さんの感想好きっ。
やっぱ、fgさん掘り下げ方が深いや。
この作品、ほんとに余計なこと言ってないのね。岩松さん言うとおり言ってるのかもだけど(笑)
派手に何十発も撃ちまくる作品より、遥かに鮮烈に記憶に残る銃声でした。
実は私、ユペールの端役デビュー作?の「夏の日のフォスティーヌ」見てるの。
イザベル・アジャーニ以外ほとんど記憶にないけど(笑)