2013年 02月 15日
瀧本智行監督作 『脳男』
これしか残ってなくて、なんとかチーズケーキ。
こちらのお店のお客さんは女子率が高いので、店内に流れるSotteBoseをBGMに、女の子たちが話す旅行のことや次のネイルの予約のことなんかを聴くとはなしに聴いて・・・
あ、逆だったかな?
♪ Nothing he's got he really needs
で。『脳男』を見ました。
原作は江戸川乱歩賞受賞の首藤瓜於の同名小説。
いやもう、キングクリムゾンのねぇ、かっこいいですこと。
「21世紀のスキッツォイド・マン」がエンドロールをバックに流れるんですが、歌詞がこの映画に合っていることもあって、強烈なインパクトのイントロが大音量で流れると映像も緊迫感を増します。助けられてると言っても過言ではないのでは。
映像はとても凝った色彩でした。
古い洋館の部屋、その木々生い茂る庭、極彩色の家具のある部屋、TVと隣りの部屋から漏れる明かりだけの暗いリビング、どしゃぶりの雨でけぶって霞む建物・・・。
爆弾魔の仕掛けた爆弾も、音も凄いけど映像的に大迫力です。
さらに、爆破されたバスから子供が出てくるとか、爆風の中で飛ばされる刑事(生きてた!)など視覚的なだけでなく心理的に衝撃的な描写でした。
感情も無く、痛みすら感じない男が、強盗に刺された
斗真くんは巧いし、いい目をしてるので、太宰よりこうゆう役が似合ってるんじゃないでしょうか。
殺人場面は
シリアルキラーvs悪を憎む殺人マシーン対決のラストですが、警官を何人も瞬時に倒す身体能力があるんだから、向かって来た車のボンネットに飛び乗ってフロントガラス正拳突きで割って・・・と出来たでしょうに。
二階堂ふみさん演じる余命幾許もない爆弾魔、息子を殺されたショックにうつ病となってしまった精神科医の母、染谷将太くん演じる完治したかにみえた殺人犯と、複雑な背景を持つ人物が多いんですが、それぞれ見応えある造形でした。
視覚的には面白かった。
で、結局、人智を超えた能力を持つ必殺仕事人・・・じゃない、殺人マシーンが野に放たれてしまった・・・で終わりなんですね。
エピソード・ゼロってことなのか。
脳男の本名は入陶大威(いりす たけきみ)と言うんですが、ずっと「たけきよ」って聞こえてました。
ラストですが、興行成績次第で続編を作るか止めるか決められるように“逃げ道”を残したのかなと思いました。捻くれてますかね?
ところで、“刷り込み”したのは父親でなく祖父だったと思います。
息子(脳男の父)は交通事故で亡くなって、加害者が生きていることに怒ってとういうか・・法律で裁けない悪を裁くために“殺人マシーン”にした・・・と思います。
感情の無い人間が、何で善悪を判断しているのかがイマイチ理解できなかったのですが原作を読むとわかるのかしら?他のことはともかく、善悪は書物で得た知識だけでは難しいかなと。
ず~っと緊張してたので、山小屋のリスの場面が好きです。
ありがとうございました。書き直しとくね。
ねぇ、怒りも感情なのにね。誰かに命令されてなら「マシーン」だけど、自発的に行動してますもんね。
原作がパート2があるから続編もあるかもですね。