2013年 03月 15日
ロビン・スウィコード監督作 『ジェイン・オースティンの読書会』 ザ・シネマ放映
ジェーン・オースティンの長編6作に、現代の女性たちそれぞれの生き方とラブストーリーを重ねたおはなし。
エマ・トンプソンが脚色賞でオスカーを受賞した『いつか晴れた日に(Sense and Sensibility)』あたりからブームみたいに映画化されたり再評価が高まった頃に、『高慢と偏見』しか読まなかったので、この映画の原作になぞらえた部分の面白さが充分分かっていないのですが、それでも楽しめました。
私ったら、あらナオミ・ワッツ出てたのね、なんてマリア・ベロを見間違えてしまいました。
『ER』のレジデント、アンナ・デル・アミコ役でよぉく見ていたのに。
毎月1回の読書会を6人のメンバー宅で食事しながら催すので、2月は『エマ』3月は『マンスフィールド・パーク』4月は『ノーサンガー僧院』5月は『自負と偏見』6月は『分別と多感(Sense and Sensibility)』7月は『説得』。
各自がベッドやカウチで本を読み耽る姿がちょっと素敵。
グレッグにル・グィンを薦められてもSFなんてと読まずにいたのに、読み始めたら夢中になって歯磨きしながらも読んでるんですが、止まらなくなる時ってありますよね。
私、駅のホームで電車待ちの間読んでいたら止まらなくなって、電車1本見送ったことありましたもの。
『エマ』同様、世話好きのジョスリン(マリア・ベロ)が、取り持ち役となった筈が心揺れてしまったり。
読書会でも、解釈や感想を思わず実生活と重ねて考えてしまったり。
男子生徒トレイを好きになってしまったフランス語教師プルーディー(エミリー・ブラント)が、交差点の反対側で待つトレイのところへ行こうと信号を見ると、「what would jane do」と見えてしまう。
女性の分別と貞淑を描いた作家が過って『説得』されたり。
それぞれのミスターダーシーを見つけるまでの、いつの時代も変わらない恋愛模様がオースティン作品に重なって描かれます。
6人それぞれのキャラクターもユニークで、テンポも良いながら、複雑な心境の表現も細やか。
ハッピーエンディングで、微笑ましい作品でした。