2013年 05月 02日
三池崇史監督作 『藁の楯』
ストーリーは、賞金目当ての市民が敵となっている中で凶悪犯を護送するという、刑事ものでは何度も見た設定。
いかに目新しいサスペンスアクションになっているかが期待されるところです。
映像は迫力満点。炎を上げるタンクローリーが刑事の目の前でひっくり返るなんて大迫力のシーンから、ガンアクションもシャープで、三池作品らしいエッジの効いた映像の連続でした。
大沢さんも文句なくかっちょいいし。
松嶋菜々子さんは背が高いのでアクションが映えるでしょうに、ちょっとカット割り早過ぎて勿体ない。
男性SPにも負けないきりりとしたSPぶりでしたが、腰紐持ってたのに逃げられるわ、鎖の音にも気付かないわと、後半油断しすぎです。
三池監督、もう少しきれいに撮ってあげればいいのに。容赦ないのね。
危機連発に疲労も出て来たところをリアルに表現したということなのかな。
肝心の凶悪犯役の藤原さんですが。
この世代では群を抜いた巧さなので、見事なヒールぶりと称賛されるでしょうね。
狙われる切っ掛けとなる資産家の孫の事件がレイティングのためなのか映像に出ず、無残な遺体の発見現場しかないし(説明セリフだけでも充分ショッキングですが)、清丸という人間がどうしてこうなってしまったかの説明もないので、いかに精神的に欠落している猟奇殺人犯かがいまひとつ感じられませんでした。
大沢さん演じる銘苅に殴られて銃向けられても不敵な笑みで挑発したり、最後まで「楯」となることを貫いたSPに「すげえ」なんて言う狂気も、鬼気迫る演技です。
でも清丸って男はもっと薄っぺらな印象のほうがラストのセリフも、楯となって散って行った者たちの救いの無さも、活きるんじゃないでしょうか。
藤原さんは立ち姿も動きもきれいで、どんなに崩してもどんな角度から撮っても絵になる。
車に繋がれてひとり居る姿も、どこか美しさが残っちゃってるんですよね。
「おじさんの汚い手で触らないでよ!」なんて言われると、妙に理解しちゃったりするのでありました。
大団円がですねぇ・・・
突っ込みどころ満載になるのに、なぜああしちゃったのでしょう?
優に100人は超える機動隊や警官が囲んでいて、ただ見物してるだけになってる・・・って言われるの分かってて、あの展開。
SATはなにしてんのー、ですよ。
その前まではホンモノなアクション映画になってたのに。
それに、殴る音が派手すぎません?折角の大沢さん藤原さんの格闘シーンが台無し。
予告編でまた『華麗なるギャツビー』。
なんだか仕草や表情が一部、R・レッドフォードに似て見えちゃった。
レッドフォードのギャツビーを久し振りに見たくなりました。
スーパーマンの予告編も!『Man of Steel』ですって!またやるんですね。
ラッセル・クロウがマーロン・ブランド・・・じゃない、ジョー・エル。エイミー・アダムスがロイス・レーン。
なかったことになってるかのような『リターンズ』ですが、今度こそとなりますか。
>レッドフォードのギャッツビーを久し振りに見たくなりました
私も~~
なんかイメージと合わない気がする。
でも、公開されたら変わるかも^^;
『藁の楯』はまだ観てないので、真ん中飛ばしてまた来ます。
やはりあの童顔が邪魔しちゃうんでしょうかね。
でも、ニック役のトビー・マグワイヤもデイジー役のキャリー・マリガンもベストなキャスティングだと思います。
レッドフォードも、当時は似合わないとか言われてましたけど(笑)
語らず胸に秘めてきた感じは巧かったと思うんですよね。