2013年 06月 16日
黒沢清監督作 『リアル ~完全なる首長竜の日~』
ホラーになってるじゃん(笑)
原作のエッセンスだけ採った、「完全なる」黒沢清作品。
出てくる幻覚も怖いんですが、しゃがんだ後にその背後のドアを写し続けたり、人物を端に置いて背後を広く取ったり。
思わせぶりな映像に、へ?なんか出てくるの?とビクビク。
部屋の中にあるやたら大きい姿見まで、なんか映るんじゃないかとビクビク。
床に落ちた窓からの光がゆっくり移動したり、複雑な形状の通路の壁が奥の窓からの明かりで光ったり。
それに、車外の風景!これはびっくり。
完全に別撮りで色彩も明度も鮮明さも違う背景を窓の外に走らせたり。
まあ、これは伏線なんですけど。
原作とは違うと思って分からないで見てるから、面白いことするなぁと驚きました。
幻覚とか変容とか不思議画像を得意とする監督だけあります。
佐藤健くんが苦悩する男の子役で、冒頭ににっこりするくらいで、後はほぼ辛く切ない表情ばかり。
目がね、おっきいから、表情も豊かに映ります。
最後の安らかな寝顔もかわゆすです。スカッシュもお上手♪
実家のリビングで、敦美と暮らす部屋ではしなかった、素足で床を歩き回る時のドスドスって男の子らしい足音がしたのはよかったです。
あ、fgさん、喫茶店でアイスコーヒーじゃなくて、アイスティー飲んでたよ(笑)
ほんの一口飲むだけの場面なのに。
麦茶、ペットボトルの水、どれも少ししか飲まないのも意味あるのかしら。
敦美は飲み干してたけど浩市はすする程度。
ほとんど減ってないペットボトル越しの画もあったけど。
実家で出された麦茶は飲み干してたか・・・。
おかあさんがキョンキョンって若すぎな気がしました(笑)
小泉今日子さんって年齢不詳ですから。
それに世間体気にする母親役なんて、似合わない気がしました。
実家の玄関のドアが、マジックミラーになってるの、あれ防犯上いいですねぇ。
夜は中が丸見えだからカーテン付けないとですが。
首長竜の真相も怖いったら。象徴として存在するんじゃないのね。
オルトギースは出て来たけれど、サリンジャーにはまったく触れていない。
それでは原題の意味が伝わらないのに。