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湯浅憲明監督作 『ボクは5才』 日本映画専門ch放映

70年公開の大映作品。
なんとなく見初めて名作に当たったという感じです。とても面白く楽しい作品でした。
左は当時のポスター。
右は3年前に舞台となった高知での上映会のポスターをお借りしました。
こっちのほうが映画の本質を点いている感じです。「母を訪ねて三千里」みたいな。
湯浅憲明監督作 『ボクは5才』 日本映画専門ch放映_d0109373_1931298.jpg湯浅憲明監督作 『ボクは5才』 日本映画専門ch放映_d0109373_19312086.jpg

















映像にはまったく古さを感じさせない作品でした。
ナレーションは時代を感じさせ、NHKアーカイブスで見た昔のNHK特集のナレーションと似て聞こえました。
少年・太郎の心情を語ったり、応援したり。実話が基になっているということなのでドキュメンタリー色も入れたかったのでしょうか。
抑揚のない声でしゃべるところが反って可笑しかったです。

5才の男の子が出稼ぎで大阪に住む父会いたさに、高知の里山にある祖父母の家を飛び出すのですが、何度も周囲のおとなの壁に阻まれ失敗しながらも、遂に大阪まで辿り着きます。
父親と大阪へ行った時に印象に残ったものをスケッチブックに描いていたので、父親の道案内の言葉とともにこの絵を確認しながら大阪へ向かうというのが可笑しい。
しかも高松城の天守閣など名所ばかりでなく、看板の絵やフェリーの旗という記号も描いていて、思わぬものが子供にとっての目印になっていて膝を打つ展開なわけです。

大荷物のひとの荷物を持ってあげて親子のように装って
『大脱走』か『逃亡者』にもあったような方法で改札を突破したり。
観光バスに乗り込んでちゃっかりお弁当貰ったり。
トラックの荷台に潜り込んだり、出港間際のどさくさに紛れて宇高連絡船に駆け込んだりして、ようやく辿り着いたのに父親は次の現場へ移転してアパートも引き払った後。
連絡を受けていた管理人夫妻が迎え入れ不憫に思っているところへ、偶然太郎が描いてくれた絵を忘れてたので取りに戻ったと父親が現れるんですが、この登場の仕方が巧くて。
部屋に入る足元だけが先に映るんですね。
父とめでたく再会した太郎くんが父親に向かって、反抗的な言葉をぶつけるんですが、これが何を言ってるのか聞き取れませんで(笑)
とりあえず、めでたしめでたしな結末。

太郎くんを演じる岡本健くんが可愛くも逞しくケロリとしているんですね。
だから、ハラハラさせるというより、次はどんな方法で‘関所’を突破するのかな?と期待してしまいました。
大人はお腹すかせてないかと心配してるのに、乗せて貰ったトロッコの保線員のパンをトンネルの暗闇に乗じて失敬したり、電車に乗り合わせた修学旅行生に四方八方から食べ物差し出され「そんなに食べたらお腹破裂するわ!」と平然と貰ったサンドイッチ食べてたり。
時々流れる太郎くんが歌う歌は哀愁がありますが、涙を誘う場面を作らず、からりと子供の一途さと逞しさを描いていました。

BGMが、トトロの♪歩こ~歩こ~みたいでした。


映画
by august22moon | 2013-08-27 00:02 | 映画 | Comments(0)

出会った本、映画の感想。日々のこと。


by august22
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