2013年 08月 29日
マーク・フォースター監督作 『ワールド・ウォー・Z』
制作にも関わって、ブラッド・ピットには珍しいパニックムービー。
見た方はもれなく、ムスカのあのセリフ「見ろ、ひとがゴミのようだ~」が過るでしょう。
ゴミって言うより、アリンコみたいでもありました。
エルサレムの壁をよじ登る場面なんてね。走るのも速いし超人的なパワーです、ゾンビたち。
B・ピットがUN職員?なんて考える間もなく、がんがん展開していきます。
原作はベストセラー小説だそうで。
ゾンビ映画ですが、グロテスク描写はありませんでした。
海兵隊員がゾンビに咬まれた腕を咄嗟に切り落とすのもフレーム外・・・と、描かれ尽くしてきた描写はあえて写さないところが他のパニックホラーとは一線を画してスマートな仕上がり。
国連捜査官だったB・ピット演じるジュリーが紛争地帯での現場経験を活かすべく召集され、家族と離れてゾンビたちの襲来を掻い潜って救援方法を探るんですが。
危機状態の中での家族の絆の大切さでも問う作品なのかなと思ったんですが、徐々にそりゃ家族も心配でしょうけど国連に保護されてるだけ幸運じゃないの?と、思えてしまいました。
家族を心配するジュリーに、みんな職務を全うしてると事務次官に言われ、辿り着いたWHO職員に家族が心配だと訴えるも「自分の息子はかつて妻だったものに殺された」と言われる始末。
でも、実際はこうゆうものなのでしょうし、何を犠牲にしても自分の家族は守りたいだろうなと、エゴイスティックに見えなくなってくるのはB・ピットだからでしょうか。
いかに危険地帯で仕事をしてきた男かを表して、終始冷静さは失ってなくて。
あまり繊細な演技をする印象がないのですが、それが功を奏しているような(笑)
ただ、遂に解決策が見つかって、悠然と戻ってくるブラピの表情はほっとさせました。
未感染者を救う手立ては発見したものの、不死の原因は解明できないまま。
ラストでゾンビ集団をスタジアムに追い詰めて戦闘機で爆撃するに至ってはナチを連想してしまって・・・
なんだか後味の悪いラストではありました。
『ホワイトハウス・ダウン』にしておけばよかったかしら。
そういえば。通路隅に効果的に貞子はんのパネルが置かれて、お子さまたち驚いてました。
秋を思わせる涼風に吹かれ夕陽を眺めながらの帰り道。
どこかのお宅から「キャッツ」のMemoryを弾くピアノの音が聞こえてきました。
暫く留まって聞いていたくなりました。
♪ Look, a new day has begun~ ・・・夕陽ですけどね。