2013年 11月 02日
阪本順治監督作 『人類資金』
わたしったら、てっきりM資金を探すサスペンスなのかと思って、掘るの?潜るの?なんて思ってましたら・・・隠されてなかったのね。
埋蔵金じゃないか(苦笑)
テーマが壮大すぎて、日本映画でどこまでこのテーマを追い切れるのかという不安的中でしたが、物語の中の理念は訴えるものがあり、さすが福井・阪本作品だけあって武骨に芯の通った作品ではありました。
サスペンスエンターテインメントとしては、ロシア、東南アジア、ニューヨークと海外ロケを敢行していて見応えはありました。
配役も手堅く、仲代達矢氏は流石に国家機密背負うに相応しいし、
佐藤浩市さん演じる詐欺師の軽さ加減も面白味がありました。
「どっかで缶コーヒー買って来て。微糖。」とか
どうして英語習得したのか尋ねられては、「留学してた」。どこへと尋ねられて、「駅前」。と、笑いも誘って。
ヴィンセント・ギャロに分からないって(笑)
こうゆうサスペンスに香取くんを配役するのは意外な気がしましたし、聊か冒険的ですが、丹念で抑えた演技で映画のトーンから浮かずに存在しました。
観月ありささんはコミカルな役が多い印象でしたが(と言ってもほとんど見たことがないのですけどね)、スタイルもきれいだし、アクションもかっこよくて、もっと見栄えを活かす大作に出てもいいのに。
しかしなんといっても、森山未來さんですね。素晴らしかった。
根幹となる重要な役どころを見事に演じ切りました。
不幸な生い立ちが落とす影と、変えなくてはならないという一貫した信念が見える目でした。
国連での演説も、ひとを動かす力のあるものでした。
アクションも切れがあって、もう彼の映画といっても過言ではない感じ。
アクション場面はカット割り多くして迫力とスピード感を演出するのを最近よく見ますが、引きで撮るというのは珍しいですね。
森山くんも観月さんも、誤魔化すような編集をしたら勿体ないほどお見事でしたが、やっぱり引きで見ると段取りが分かっちゃいますね。
ボンネットにはほんとに飛び移ったのかしら?
・・・ジャッキー・チェンじゃないか(笑)