2014年 01月 10日
沖田修一監督作 『キツツキと雨』 wowow放映
前回も途中しか見てなくて。いつになったら冒頭場面が見られるのでしょう・・・
でも、とにかく面白かった、という記録を。
克彦の「ずいぶん減ったなぁ」に大笑い。
どんだけ純朴
『南極料理人』同様、観客に想像させて説明セリフがなく進むのが楽しかったです。
監督とアイコンタクト。
子煩悩の野宮が、自分の子がゾンビメイクされるわ木箱で川を流されるわで、わが子が不憫になって来くる表情とか(子供はメイク時から寝むそうで木箱の中で寝ちゃってるのが可愛い)。
ぐうたら息子と思ってたのに、座布団に白いカバーまでかけてお花供えて法事の準備してあるし。
いつしか林業継ぐ気になって同じ作業服着てるし。
村中がゾンビメイクしたまま生活してるし。
せっかくのチャンスにどんどん自信喪失して頼りない新人監督は、ソックスの色にまで縁起を担いで。
巧く演出プランを説明できず、気難しそうなベテラン俳優に全部先に言われて。
怒られると思ったら伸びしろあるとこ認めて貰えて泣き出しちゃうし。
台本に大きく「自分」なんて書いてあるし。
可笑しい通りこして可哀相になっちゃう。
急遽監督の代役押し付けられたという経緯なのかしら?
沖田監督の実体験なのか、あれ、どなたでしたっけ?クドカンさん?初監督作で撮影所のベテランスタッフたちが怖かったって・・・
ベテランらしき助監督も撮影監督も、この若き映画人を育てようという姿勢になっていくのもよかったです。
過去の自分を見出していたのかもしれない。
克彦が映画という未知の世界に惹かれただけでなく、実の息子には出来ないことをこの青年との関係で補っているのが微笑ましかったです。
次の撮影で少しさまになった「よーい!はい!」の、その声が聞こえたかのようにチェーンソーの手を止めて振り返った表情は、巣立って行った子供に思い馳せているようでした。
小栗さんは食べ方がきれいですね。育ちの良さですかね。
役もこうゆうお優しい役柄が合ってるのに。松陰先生より。ついでに言うならルパンより。
瑛太さんとか松山ケンイチさんが演じたらもっと緻密で強烈になって、役所さんと渡り合う構図になりそうですが、若さの持つ脆さとか伸びしろとか原石という点は伝わるものがありました。
実際に監督経験持ってしまった(笑)という観客側の記憶がそうさせているのかもしれませんが。
木曽で撮影されたそうで、先月読んだ『夜明け前』のことを思い出しながら見ました。
久し振りにあんみつ食べたいなぁとかもね、思いながらですが。