2014年 09月 11日
スティーヴン・クオーレ監督作 『イントゥ・ザ・ストーム』
同じ竜巻の猛威を描いた『ツイスター』から18年。進化を続けるCGが見もので、大迫力でした。
冒頭の、最初に被害に遭った若者たちが映していたビデオカメラが車内に転がって、カメラが見ていた的な映像は『クローバーフィールド』みたいに衝撃的。
ストームチェイサーが主役というところは『ツイスター』と同じなのですが、18年経ってそのメカニズム解明も進んだのか、内部観測よりもより近くでの撮影が主な仕事のよう。
冒頭のように動画投稿を趣味とする若者たちが登場するところが現代版には欠かせない設定。
ニュース映像にも一般の投稿映像が使われる時代ですものね。
投稿して人気者になると軽すぎる動機とノリで、竜巻に向かって行っちゃう。
被害に遭ってると思いきや木の枝に引っ掛かって無事で、しかもまったく懲りてないの。
他にも、誰でもすぐに動画が撮れて共有できる時代らしく、強風に煽られほとんど撮影できてない部分や、カメラが突然切れるところは臨場感を煽りました。
(そうゆう映像を使うがために、次男坊くん、逃げながらもビデオカメラを離さない!)
主要人物たちの背景が、あっさりしているのがよかったです。
クルーで幼い娘を持つシングルマザーのアリソンや、リチャード・アーミティッジ演じる教頭先生でシングルファーザーのゲイリーが、それぞれに子供とのコミュニケーションに不安を抱えているくらいに留めています。
余計な人間ドラマで引き延ばさない、ストレートなディザスタームービーでした。
つまり『ツイスター』のヘレン・ハントとビル・パクストンの未練とか嫉妬とかの一連のごしゃごしゃが、メンドクサカッタんです。わたし。
R・アーミティッジは、良くも悪くも個性が突出してなかったですし、スーパーヒーロー的大活躍もさせないし。
あくまで自然の猛威に振り回さる一市民として描いていました。
(でも、なかなかに巧そうなのでもうちょっと何か出来そうではありました。もったいない役どころ。)
二次被害も引っ張り過ぎず解決。
あと、校長先生がオバマ大統領に似せてるっぽいのが引っ掛かりましたわ
竜巻は、予報が出たとしてももう避難するしかないですものね
実際に毎年のように被害を耳にしますが、多発地帯になんとか被害を最小限に抑える解決策はないものでしょうか。
今回のはふたつの竜巻が合体して、タンクローリーばかりか飛行機まで吹き飛ばすとんでもない巨大竜巻。
もしこんなのが来たら、自然の非情を恨むしかない。
それまでは25年後の自分にむけたビデオレターを撮影していた息子たち。
災害の後に、今を大切に生きることこそ大事だと再認識させます。
一見退屈だけど平和な日常がいつ理不尽に奪われるか分からない。
逞しくガレキの片付けに向かう親子の背中に
人はそんな日々を生きなければならないことを痛感させていました。