2015年 01月 08日
クリストファー・ノーラン監督作『インターステラー』
見どころ場面を編集したものではなく、緊迫の1シーンのみ。
しかも唐突に始まったので、すぐにブラッドリー・クーパーと気付きませんでした・・・
見たいと思いながら年明けになってしまいました。
こんなに面白いとは。
これよく3D版にしなかったなと思いましたが、ノーラン監督フィルム撮影に拘りがるのですね。3Dじゃなくても充分楽しめました。
ちなみに地元にはIMAX上映館はありません。
親子愛とか地球存亡の危機とか引退したエンジニアが危険なミッションに取り組むとかワームホールからワープするとか、既にSF映画では描かれ尽くしたテーマばかりなのに高評価とはどんな作品なんだろうと予想がつかなかったのですが、さすがC・ノーランだけあって見事なアイデア満載の感動作になっていました。
環境の激変で度々砂嵐に襲われ、家の中まで砂だらけになったのを黙々と掃除する光景は、『砂の女』のセリフ「砂がねぇ・・・」を思い出してしまいました。あれは竪穴ですけど。
制作総指揮に理論物理学者の名があり、雲まで凍る星や穏やかな浅瀬に大津波の起こる星やワームホールの実態などの映像は見応えがありました。
専門用語で応酬されるので、分かったような分からないようななのですが、TVドラマ『ER』同様リアリティーと緊迫感がありました。
ワームホールというとカール・セーガン原作の『コンタクト』の映画でも描かれたのですが、物凄いスピードで吸い込まれる周囲の風景がより具体性を帯びていました。
球形になっているというのも驚き。
R2D2的活躍のロボットが高性能の割におもちゃのようでもありモノリスのようでもある、シンプルすぎるデザイン。でも音声は生々しくて、従順なんだけどジョークも出る人格があって面白い。
(ボーンシリーズ4が楽しみな)マット・デイモンの登場と役柄も意外性がありました。
やっと来てくれたーと泣いてたくせに結構な悪辣ぶり。
最期となる場面は、来るぞ来るぞと覚悟してたのにその衝撃にビックリ。
久し振りに身体ビクッとなっちゃいました。
ブラックホールが近い影響で1時間が7年という惑星で、大津波に巻き込まれ仲間を失い、ようやく母船に戻ってみるとなんと23年も過ぎていて、残っていた乗組員ロミリーはなんと白髪も混じって老いている。
ハッチが開いてその向こうに立っていたロミリーの「遅かったな・・・」のセリフに愕然。
大津波に気を取られて忘れてた!
数々の波乱があるのですが、娘の部屋に起こるポルターガイストが重要なメッセージで、そしてその主が判明する場面は一番の驚き。
宇宙人からのメッセージかと勘違いしちゃった、恥ずかしっ
あの本棚の裏の光景も凄い。5次元の超立方体が理解できたわけじゃないんですが。
そうなるのかと感心。
クーパーの娘マーフが、成人してジェシカ・チャステイン、老いてはエレン・バースティンと豪華配役。
J・チャステインが叫ぶ「ユリイカー!」はよかった。確かに「伝統」。
地球時間で120歳を超えているとはいえ、自分より老いた娘と再会場面は痛切。
マシュー・マコノヒーはじめ達者な俳優さんたちの安定の演技で、人間ドラマにも見応えがありました。
土星の軌道上に建設されたスペースコロニーが筒状なので、またこれ?と一瞬思わないこともないのですが、草原地帯ということもありちょっと感動的。
宇宙空間で船体が映る時は、恐ろしいほどの静寂なのですが、
土星の、なんとピアノの旋律の似合うことでしょう。