さい芸 『ハムレット』 5日マチネ観劇

久し振りのさい芸です。
当日は雪の予報で警戒して早目に向かいました。横浜辺りから降雪で、乗り換えの赤羽駅から与野本町に付くまでにも雪が降っていました。
埼京線も遅延なく進んで、駅舎を出た時には雨に変っていました。
d0109373_13451344.jpg舗道の灯りにシェイクスピア名言。
これ点灯してないと読み難いですね。

















d0109373_1347323.jpg学校花壇に立てられたさい芸所縁の役者さんたちの手形。
横田さんの手形も初めて拝見。
手を当ててみたかったけど、通行人がありましたゆえ断念。残念。
















『ハムレット』、しかも河合翻訳版は、03年6月の世田パブ以来。
ホレイシオとは約12年ぶりの再会。
横田さんや鋼太郎さんという役者さんに出会った、思い出の作品です。
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この12年を思わず振り返ってしまいます。

ガレリアでは「蜷川演出による7つのハムレット」写真展。
開演前に舞台上の長屋セットを写メ撮っているかたがいて呆れていたのですが、かくゆう自分もこのガレリアの写真展が撮影禁止だったのを知らず写真撮ってしまいました。すみません。
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舞台上には大きな垂れ幕に日本語と英語で、このセットはハムレット日本初演当時の家屋であること、ここで「最後の稽古を始めます」の前置き。
稽古を始めますは蜷川氏お馴染みの手法。伸びしろを残しているということでしょうか。

セットは日本ですが、衣裳は日本的なものは無くて、一見そぐわないのですが、ライティングやスモークで劇中はほぼシルエット状態。
劇中劇を雛飾りにしたり(三人官女が強烈です)、役者のセリフも歌舞伎調。
全編に渡って音楽も効果音も和楽器と、海外公演を意識した演出です。
セリフは、諳んじられるほど個人的には好みの河合版なのがとにかく良かったです。

佇まいだけで王と王妃を表現できる平さんと鳳さんが圧巻。
麻美れいさんもでしたが、声を張らないのに劇場中を満たすような鳳蘭さんの発声にうっとり。
特に、ハムレットのトを消した「ハムレッ」の声が抜群に魅力的。さすが。
カテコではさぞ優雅なんでしょうと期待したら、長身男性が満島ひかりさんが出るなりスタオベされ、まったく見えず。
平さんは良くも悪くも王様芝居で、その存在感でクローディアスを演じています。
実弟暗殺を匂わす芝居に激昂して席を立ち、大広間大混乱の場面はスローモーションで演じられました。
しかし、下手で王を観察しているホレイシオを見ていたら、あっという間に王も王妃も舞台上に居ませんでした。席立ってから出て行くの早っ。

この舞台は蜷川氏が「最後のハムレット」の気概で取り組まれ、やりたいこと全てを盛り込んだ舞台なのが明瞭です。
舞台奥の扉は開きませんでしたが。
「蜷川ハムレット」として、フォーティンブラスにも新しい味付けがされていました。
次世代の象徴として演出してきたこの役を、より厭戦的ハト派の青年としていました。
呟き声も聞きとり難いけど、面白い試み。
ポローニアスもかなりコミカルで軽妙。たかお鷹さん真骨頂。

横田さんはケント版と同じホレイシオ。同じ翻訳のためセリフもほぼ同じですが、後半の「負けるんじゃないですか?この試合」はよかったです。
負けるつもりでしょうと。
支えようと手を伸ばしても伸ばしても、すり抜けて行く盟友への深い愛情が感じられました。
12年前、ここでこんなに揺さぶられたかなと思うほど。記憶に残る声でした。

満島慎之介さんは、後半の直情的な部分がとても似合ってみえました。
舞台映えするし、もっと見てみたい。
満島ひかりさんは好きな女優さんです。TV『それでも、生きていく』『Woman』は素晴らしかったし。
CMでドレス姿を見て思わず、ああーお化粧してきれいな服着られてよかったねーなんて思ってしまったほどです。
映画でも美しさとパワフルさは画面を支える力があります。
しかし今舞台、まず気になったのがセリフの抑揚。
蜷川氏は古典劇の演出で一語一語の抑揚まで指導しているのをドキュメンタリーで見たのですが、このオフィーリアにそれは無用としたのか。
固いままのほうが、お人形さんのような深窓の令嬢らしくてよいと思われたのか。
ドラマ・映画のままの調子なので、古典劇では棒読みに近く聞こえてしまいました。
私の座席位置が上手だったため、レアティーズとの場面でオフィーリアは後ろ向き。
この背中に表情が感じられない。
お顔が見えてても受けの芝居や間に表情が乏しい。
号泣する泣き声はよかったですが。
美しい歌声も一部分だけ一瞬J-POPのように聴こえてしまいました。
でもその輝く美しさ愛らしさは溜息ものだからいいですけど・・・。
若い頃、デパートのパウダールームで雑誌モデルさんと遭遇して、同じ鏡に映りたくないーと委縮するほど美しかったのですが、そんな感じ。

藤原さんのハムレットは初めて見ましたが、似合ってますね。
お友達が、遥か遠くに立っていると表現したとおり。
独り闘って、何人も近づけない。心を開いているようで奥底は見せない。
藤原竜也という役者本来の魅力が一番活かせる役なのでしょう。
とにかく、やはり巧い。
立ち姿も動きも美しいのですが、重厚な台詞劇に負けていない。
ただ言葉を発するのではなく、背景と深度がありました。
同世代では他の追随を許さないといっても過言ではないでしょう。
人気なのも頷けます。

d0109373_15492462.jpgカテコは2回で客電点灯。
終演は17時25分頃かな?
帰りに、点灯しているハムレットのセリフを発見しましたが、劇場帰りの大勢の通行人で止まって撮ることができず、こんなピンボケ。
冷たい雨は降り続いていましたが、埼京線も無事に平常運行。

帰りは新幹線にしようと発券カウンターの列に並びはしたのですが、やはり鈍行で帰ろうと、列を離れました。
ちょうど男性がガイドポールのテープを外して、お連れの女性を招き入れようとされていたところ。
荷物が多いので躊躇されている女性の前を、すみません私のためにではないのにとお侘びしつつ通らせていただき、男性の爆笑をかうという・・・。
オバサンったら、やあねぇ

ビール飲んでひれかつ弁当食べて、満腹で帰宅。
地元は雨も上がっていて雲間に月。

進学塾の前の信号のない横断歩道で、誘導灯を持った先生が学生たちの横断を促しているところ。
お喋りに花が咲きなかなか渡ろうとしない学生たちより先に渡るという・・・。
オバサンったら、つくづくやあねぇ

by august22moon | 2015-02-07 21:38 | 観劇 | Comments(0)