2015年 10月 06日
マシュー・ヴォーン監督作 『キングスマン』
ロビーがすごい人だかりでびっくり。
公開初日の『バクマン』へ入っていく人が多いのは納得ですが、同時刻に終わった『アンフェア』からかなりたくさんの人が出てきて驚きました。
先日からチケット発券機が導入され、おばさん緊張の初発券。
「清算」ボタンが3回タッチしてようやく反応した以外はスムースだった・・・と思いますです。
スタッフのおねーさんが見かねて声をかけるってこともなかったですし。はい。
この作品も地元で2週間ほど前にようやく公開されたので、もうあまり観客も入ってないだろうと思いましたが、結構な盛況。
(予告編に『U.N.C.L.E』が流れるというのもなんだかジョークっぽく感じてしまいました)
コリン・ファースには珍しい役柄というのも相まって高評価のようです。
英国のスタイリッシュなスパイに対して、ラッパーな軽い服装のIT会社の大富豪が悪役という図式が傑作。
振り切って演じたサミュエル・L・ジャクソンですが、嫌味に感じませんでした。
マーク・ストロングもいつもより少し柔らかい目つきで、軽妙さが新鮮。
スパイ映画好きにはほくそ笑んでしまうであろう場面も多々ありましたが、
「ジェームス・ボンド?ジェイソン・ボーン?」「いや、ジャック・バウワー」とか
イギリスの食事が美味しくないって通説から、ディナーにマック出したりとか
エグジーに分かり易く「ニキータ」など若者受けした映画を例に挙げてるのに「マイフェアレディみたいな!?」と古い映画を挙げるので「それは見てるのか」と若者の常識と思えるものがめちゃくちゃなのを呆れたりと、
コメディー要素も満載。
最近のスパイ映画は派手過ぎるという揶揄など、アメリカ製スパイアクションに対する皮肉も散りばめられているのも面白い。
「マティーニを。ベルモットは見つめるだけ」って・・・チャーチルか(笑)
コリン・ファースは隙のない立ち居振る舞いで英国紳士振りを披露するだけでも魅力的で。
すっかりマッチョなだけになってしまったボンドをも皮肉るようなスマートさなんですが・・・
敵の懐に飛び込んでおいて、まんまとクスリ飲まされてちゃダメじゃないですかぁ
亡くならないと、新人くんのモチベーションにもならないんでしょうけれど。
なんか腑に落ちないのでありました。
生きてました~とドンデン返しがあるのかとエンドロール後まで期待してしまいました。
それこそ、ラストのセリフ「これは映画じゃないんだ」現実なんだと(というのもかなりなジョークですけど)、超人的に不死身のスパイなんていないんだというところでしょうか。
80年代の音楽が多用されていて、爆音上映なんてのもあったようですが、BGMがやたらでかい。
特に好みの曲もなかったからそう思うのかもしれませんね。
頭が吹っ飛んで噴き出すのにきのこ雲や花火にカラフルな色を付けて、BGMは「威風堂々」といのは、ちょっと笑えませんでした。対アメリカ戦とはいえ。
逆に悪趣味に思えてしまいました。グロテスクになっても直接的描写がいいかな。
そうゆう監督じゃないし、そうゆう映画じゃないんでしょうけど。
教会で大暴れな場面はハイスピードにしてあったこともあり、さほど残虐にもみえませんでした。選曲の妙もあったし。
とにかく。キングスイングリッシュのなんと耳に心地好い。
しかもコリンのスーツ姿が美しくて眼福。それだけでも充分満足。
Nurture and good manners maketh man.
続編にコリン交渉中というニュースもあるので、もしかすると・・・。
ここまで遊んでたら、無茶苦茶な復活もあるかもと期待してます。